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トリープフリューゲル

とりーぷふりゅーげる

フォッケウルフ社が開発したVTOL機の元祖。回転翼の先端に付いているのはラムジェットエンジンである。
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概要

ナチスドイツ、フォッケウルフ社が大戦末期に設計していたジェット戦闘機
回転翼の先端に装備したラムジェットエンジンにより駆動し、垂直離着陸(VTOL)を実現する。

開発目的は迎撃機であり、そのために滑走路を使わないための設計がされたと考えられる。
武装は機首先端の機銃4門であり、これで敵爆撃機を迎撃する。

当時、飛行場は連合軍の優先攻撃目標であり、目標にならない場所から発進できる戦闘機が求められていた。
同様に垂直発進する戦闘機にはバッヘム社のナッターがあった。(後述)

しかしこの機は主翼が無く、そもそも水平飛行ができたかどうかも謎である。
もちろん実際には製造されず、実機も存在しない。
また、『どうやって着陸するか』も謎である。

戦後にアメリカで開発されたXFY・XFVでは二重反転プロペラ、ヘリコプターはテールローターで反動を抑えるが、この機体はプロペラが一つしかない代わりに翼端のラムジェットエンジンで回転させる為、反動は発生しない。(戦後に製造されたヘリコプターYH-32が同様の構造を持つ)

バッヘム・ナッター

バッフェムBa349ナッター


こちらは専用の発射台からロケットブースターにより垂直発進し、爆撃機編隊に機首のロケット弾を一斉射した後に機体を分離。
パイロットとエンジンのみパラシュートで回収するという迎撃用の戦闘機である。
(つまり発進のみ)
エンジンやロケットランチャー以外の機体はすべて木製。
開発は超スピードで行われ、設計完了から2か月で生産開始、3か月で試験飛行が行われた。
最初の飛行は45年3月1日に行われたが、墜落してパイロットは死亡している。
その後10機程度が実戦配備されたが、実戦を経験する事無く終戦を迎えた。

アメリカでの発展

同様の考えは、冷戦期のロッキードXFV-1やコンベアXFY-1にも共通している。
コンペの形で採用を競ったが、どちらもエンジンやプロペラに関連したトラブルを解決できなかった。(エンジンのパワー不足・二重反転プロペラの共振)

そもそも、両機ともに『着陸をどうするか』という問題に突き当たっていた。
XFY-1は何とか可能だったようだが、XFV-1は垂直発進すら出来なかった。
着陸でも「車庫入れの要領」が求められたようだ。

ジェット機全盛の時代にあって、プロペラ機としての性能の問題もあった。
最高速度は亜音速にも達せず、武装も機関砲のみだった。
こんな機体では迎撃以外の用途は実質不可能であり、計画は中止された。

艦載機として

この機は元々、ヘリコプターのように離発着できる利点を買われて、巡洋艦駆逐艦飛行甲板から発進する艦載機として構想されていた。
空母を随伴させるよりも安く戦闘機を運用しようという訳である。
(型番が海軍方式での命名法である)
しかし、海上での離発着は余計に難易度が高く、そもそも陸上での着陸すらダメとあっては計画が頓挫するのは火を見るより明らかであった。
海上は風が強く、また波もあって甲板が激しく上下する為である。

実現不可能な理由

この航空機は垂直に着陸し、垂直に離陸する。
その間はずっと垂直の状態であり、パイロットも脚立を使って搭乗する。
機体外部に武装(爆弾やロケット弾)を搭載する際にも、当然脚立が必要となる。
当然、以下のような疑問が持ち上がるだろう。

「爆弾を背負って脚立を上るつもりだったのだろうか」

しかも地上高は数メートルであり、取り付け中に落とそうものなら自爆決定である。
おまけに、これらの作業を波で揺れる艦上で行う事になるのだから、不採用にはこのあたりの事情もあるのだろう。

ヘリコプターへの応用

エンジンの配置はのヒラーYH-32ヘリコプターにも応用された。
しかし、こちらは燃料搭載量による航続距離の問題を解決できず、不採用となった。
(航続距離はたったの50km)

結局はいずれも採用されず、トリープフリューゲルの後継は実現しなかった。

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航空機 VTOL ヘリコプター

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