ヌカッ☆とさわやか!
概要
ヌカコーラとは、「Fallout」シリーズに登場する清涼飲料水のこと。最終戦争前のアメリカの国民的なソフトドリンクで、最終戦争後も密封保存された製品が多量に現存しているため、変わらず親しまれている。
ゲーム中では回復アイテムとして使用され、フタは通貨として利用されている。
もちろん見た目で分かる通り、「コカ・コーラ」のパロディである。
隠し味(?)として、放射性物質が封入されていることが公言されているとんでもない代物だが、そんなもんがアメリカ全土でガブガブ飲まれていた企業倫理も糞もないのが本作の世界観であり、同時に本作が揶揄する50年代アメリカである。
フレーバー
2044年、ジョン=ケイレブ・ブラッドバートンによって開発されたソフトドリンク。
炭酸水、カラメル色素、アスパルテーム、リン酸、安息香酸カリウム(防腐剤)、17種類のフルーツからなる天然香料、クエン酸、カフェインを主原料とした清涼炭酸飲料。開発後瞬く間にアメリカ全土の人気ドリンクとなり、最終戦争のその日までアメリカ国民に愛飲され続けた。
その為か、核戦争後の世界各地でも自動販売機や倉庫、店舗跡など様々な場所でその姿を見ることができる。個性的な青く輝く瓶は素晴らしい密封がなされており、戦前に生産されたにもかかわらず現在でも飲むことができる品質を保っている。
重要な点として、実はヌカコーラには放射性物質が含まれており、長期的に飲用した場合にどのような健康被害が起きるかは不明である。
そのままフタを開けて飲む他に、よく冷やして飲む、ラム酒で割って飲むなどのスタイルが存在しており、このあたりは通常のコーラ飲料と同様である。
ラベルに印刷されたロゴマークといい、瓶のデザインといい、材料や誕生の経緯といい、露骨に実在する商品『コカコーラ』のパロディである。(開発者であるジョン・ケイレブ=ブラッドバートンはコカコーラの開発者である『ジョン・S・ペンバートン』博士と『ペプシコーラ』の開発者、薬剤師『ケイレブ・ブラッドハム』の名前を合体させたものである。)それにnuclear(核、原子力)をひっかけてもじったアイテムであるが、パロディとして完全アウトなレベルのブラックジョークである。
なおあまりに瓶のデザインがまんま過ぎたせいか、「fallout4」ではロケット風デザインのボトルに変更された。(作中のロード画面にもその件が触れられている。)
クアンタム
ゲーム中にはレア物として、カロリー2倍、炭水化物2倍、カフェイン2倍そして味2倍の、怪しげに青く輝く「ヌカコーラ・クアンタム」が存在している。
ちなみに、このヌカコーラ・クアンタム、添加物として放射性同位体が含まれており、これが上述の「怪しげに青く輝く」理由ともなっている。瓶の容量は同じながら、通常のヌカコーラと比べて充填ラインが詰まるほど重い。
発売前のテスト段階では多数の犠牲が出ており、その安全性は10%と明らかに安全基準を満たしていないにもかかわらず食品安全協会は合格としている。 テスターは深刻な内蔵疾患や内部被曝を患った他、その中のひとりは深刻な多臓器不全により三日以内に死亡している。ヌカコーラ社はテスターあるいは消費者が死亡した場合は死亡者の家に「チーズとフルーツのお詫びセット」を送る事で何とかしている。
またこれの原液を接種したせいか、一部のマイアラークが「ヌカラーク」に変異している。戦後の汚染された環境で産まれた生物さえ影響される、このコーラは一体……。
上述の通り、発売開始日に核戦争が勃発したため市場には殆ど流通せず、先行出荷された物かキャンペーン用のものがごく少数発見できるのみのレアアイテムである。レア物故に高値で取引されており、高額で買い取ってくれる人が居るほか、さらに主人公が携行できるグレネードの上位互換『ヌカ・グレネード』の材料でもある。
更に、4のDLC「ヌカ・ワールド」ではこのクアンタムの技術を応用してある兵器の強化を図った計画があった事が語られている。
その他基本フレーバー
- チェリー:いわゆるチェリーコーク。
- 厳密には初代と2代目の2種類が存在しており、初代はブラッドバートン含め開発メンバー全員が味音痴だったため大爆死(オリジナルは味の専門家がいてくれたためマトモな味になっている)。2代目は地域限定のチェリーソーダを買収し、ヌカコーラを混ぜて販売。初代よりは評価が高かった。ここから怒涛の買収ラッシュが始まる…
- ダーク:アルコール飲料。「ジャックダニエル&コカ・コーラ」よりも先。ヌカワールドでは「妊娠中の方、妊娠予定の方はご遠慮ください」とアナウンスされているが、どういうことなの……。
- ワイルド:買収に失敗したサンセット・サルサパリラ(NVの項目を参照)に対抗したもの。要するにルートビア。
- グレープ:東海岸限定バリエーション。他社を買収してコーラ扱いにしたもの。放射性物質が入っていない完全なパチモンだが何故か放射線汚染除去効果付き。
- オレンジ:同上。こちらは放射線耐性効果あり。
- ビクトリー:星条旗のラベルが巻かれているオレンジ色のヌカコーラ
- クォーツ:白く輝く一品。
- クリア:発売されなかった透明コーラ。現実での爆死を考えると残念だが仕方ないね。
- ブースト:こちらも発売中止となったフレーバー。ヌカコーラとコーヒーを合わせたものだがクソみたいに不味かったので却下。プレイヤー間でも知名度は皆無。
- クランベリー
- ツイスト
カクテル
- ニューカ:無印とチェリー一個ずつ混ぜたもの。リアルでもやってみよう。
- バズ:ワイルド二本。
- ファンシー:ワイルドとチェリー。
- フリー:そのへんの汚れた水で薄めてシュガーフリーならぬ放射線フリーにしたもの。
- ツイン:無印とワイルド。
- サイド
光り輝く白。「4」の基本フレーバー全部のせ。
原語の綴りはcide、意訳すると「~〇〇殺し」となる。
ドリンクバーの飲み放題を全部混ぜたものを「Suicide Drink」という。
- レイ:オレンジ+ビクトリー。インカコーラっぽい黄色。
- ボイド:クアンタム+ダーク。ボイド、つまり宇宙の紺色。
- サンライズ:オレンジ+チェリー。コーラ版テキーラ・サンライズ。
- ベリー:無印にチェリーとグレープ。
- ラッシュ:ビクトリー+ワイルド
- ハーティ
無印とダークにキャロットフラワーとテイトを入れてアルコールを抜いた野菜ジュース。
- パンチ:チェリー+クォーツ+グレープ+オレンジ。(フルーツ)パンチ。
- フルーティー:コーラ+グレープ+オレンジ+チェリー。
- ヌカ・ラブ
クォーツ+チェリー=スケベなピンク色。APがギンギンに回復する。
- ボムドロップ
この辺から怪しくなってくる。
無印にダークとウォッカとバーボンとラム酒を混ぜたカクテル。
???「これを渡しておこう。苦痛に耐えられぬ時、飲むが良い」
実際、元ネタは20世紀初頭の米国でガテン系低所得層が飲んでいた「ボイラーメーカー」が起源という説がある。
- パワー:無印1本とダーク2本。高カフェイン高アルコール。「苦痛に(ry」
- クーラー:クアンタム+ビクトリー+クォーツ。不味そうなドロドロの緑。
- エクストリーム:コーラ+グレープ+クアンタム。緑に輝く紫色の液体。
- ヌカ・リキサー
現実では末期ガン患者に甘味料とモのつくおくすりをまぜた「ブロンプトン・カクテル」が処方されることがある。
キャップが通貨?
ヌカコーラの瓶のフタ(王冠)は、Fallout世界での通貨として流通している。
核戦争後、国家が崩壊して貨幣の製造技術も失われた(そもそも通貨とは国が価値を保証して初めて価値があるので、国が崩壊すれば通貨も無価値になるのは当然である)。
戦前に大量に流通というか各世帯に溜め込まれていて手に入りやすかったヌカコーラの瓶のフタが交易商人たちの間で貨幣代わりに扱われた事から一般にも浸透し、「お金」として使われるようになった。
各地で発見される旧通貨は「戦前のお金」というアイテムとして入手出来るが、当然通貨としては使用出来ない。売っても雀の涙ほどのキャップとしか交換できず、ケツを拭く紙にもなりゃしない。
当然、未開封のヌカコーラにはこのキャップがついており、ヌカコーラを使用すると回復とともに1キャップを入手できるようになっている。
その為通貨単位はcap(s)であり、どんなにシリアスな取引でも瓶のフタをお金として使っているというシュールな光景があちこちで見られる。
各作品での扱い
fallout3
性能はゴミに毛が生えた程度。
ヌカグレネードの材料になるが、3はクラフト要素自体が少ない。
クアンタム30本を集めてコーラキチのお姉さんに渡すクエストがある。
NV
『Fallout:Newvegas』の舞台であるニューベガス周辺、モハビ地域ではこのヌカコーラはあまりその姿を見かける事が無く、ちょっとしたレア物である。
というのは、別の炭酸飲料である『サンセット・サルサパリラ』がモハビ各地に残っており、自販機や倉庫を漁れば無数に発見できるからである。サンセット・サルサパリラは飲むとHPが回復し、ビンのフタが手に入る上汚染値が上昇しない…と完全に前作におけるヌカコーラの上位互換な扱いを受けている。
ではヌカコーラはどうなっているのかというと、こちらでは一部の地域で極小数ながら発見することができる。今作のヌカコーラは飲むとHPは回復するが汚染レベルがわずかに上昇してしまうというデメリットを持っており、前作のようにがぶ飲みする事はできない。
これはサンセット・サルサパリラが地元で開発され、ヌカコーラの126年前から流通・愛飲されているためであると作中の設定では語られているが、そのレシピ開発秘話には非常にウソ臭い部分があり真相は不明である。(これらの設定や瓶のデザインなどから、おそらく元ネタは1919年から流通・販売されている老舗メーカー『A&W』のルートビアであると見られる。)
ちなみにこのサンセット・サルサパリラはサルサパリラというユリ科植物の根をフレーバーにした飲料のことで、日本では一般的に『ルートビア』の名称で知られている。ハーブ類を発酵させて作る飲料のため、ハーブ類のツンとした香りが特徴で「飲むサロンパス」などとその味と香りが表現されることもある。「ビア」という名が付くがビールのようなアルコール飲料ではなく炭酸飲料であり、アメリカでは子供から大人まで広く親しまれている。
日本ではアメリカによる統治が長く続いた沖縄県以外ではあまり馴染みが無いが、輸入品店や米軍施設周辺の米兵向けの店舗などでその姿を見ることができる。
似たものとして、「4」DLCに「Vim!」という飲料が登場している。これもまたサンセット・サルサパリラと同様のローカルドリンクで、やはり同様にフタが貨幣として流通している。
4
元ネタに怒られ瓶のデザインが変更。
アイテムクラフト要素が大きく強化された本作だが
サバイバルモード以外ではコーラの性能や需要は据え置きのため相対的に埋没した。
まぁ、強化型核弾頭の材料になるんだけどね!
DLCのヌカワールド導入でコーラの種類が増え、
更にコーラをカクテルすることで回復薬として十分以上の性能を持つ物もある。
各コーラ共通である方法で冷やすことで回復効果を2倍にできる。
コーラキチのお姉さん続投。コーラの飲み過ぎで歯が溶けている…
76
オンゲとしてPCの性能が抑え気味なこともあり回復アイテムとしての性能が大きく向上。
「Cola Nut」のperkをつけるともはやスティムパックいらずである。
見かけ次第拾っているとインベントリを圧迫することもあり
プレイスタイルにもよるがコーラがぶ飲みが推奨される。
企業としてのヌカ・コーラ社
この国民的ドリンクを製造したヌカ・コーラ社は当然ながら超巨大メガコーポであり、軍部との関係も非常に強かったと「4」で語られている。
当然ながら、企業倫理もコンプライアンスも糞もないFallout世界であるので、ヌカ・コーラ社も暗黒メガコーポの例にもれず、環境汚染、他社への妨害行為(暴力によるものを含む)などやりたい放題である。
というか、上述したクアンタムの治験による犠牲者への対応から汲み取ってほしい。……そして本作の世界では、こうした対応は決して珍しいものではないのだ。
このあたりの暴走巨大企業ぶりは、「4」最終DLCであり、ヌカ社が築き上げた超巨大複合テーマパークの廃墟を舞台とした「ヌカ・ワールド」でたっぷりと語られている。
実在した放射性物質を含む飲料
ところで、ヌカコーラ・クアンタムの「放射性同位体」云々を聞いた読者諸兄の中には「放射性物質を含んだ飲み物なんて冗談だろ、ゲイリー!」・・・という反応をされる方もおられると存じるが、驚くなかれ、なんと「Radithor(ラジソール)」という放射性物質(※ラジウム)入り清涼飲料水が、1920年代のアメリカに実在していた。
この頃は放射線についての知識があまり浸透していたなかったため、ラジウムを含んだ飲料や錠剤が「永遠の若さ」「健康」を得る物として売り出され、流通していたのである。
(現在ではこれらの商品は"Radioactive Quackery"(放射線インチキ療法)と呼ばれる)
また、「とりあえず放射線を当てれば完治する」と言った具合に、放射線を利用した似非科学療法ブームが起き、人々は気軽に専門知識の無い人間による放射線療法を受け、ご家庭でお手軽に放射線療法を行うために、ラジウム水を作る為の水筒やラドンコートされた電気ポット、スキンクリーム等の様々な商品が展開されていた。
早い話が、現在の日本で言う「マイナスイオン」のようなノリで「万病に効く薬」として気軽に放射性物質を含んだ製品が使われていたのである。
もちろん、現在でも放射線を使用した療法はあるが、無計画に大量に浴びたり大量にラジウムを内服し続けたりという使用方法ではない事はご存知の通りである。
しかしこの「放射線ブーム」は1932年に億万長者エベン・バイヤーズが怪死した事により、その危険性とインチキが認知され、瞬く間に市場から姿を消すことになった。
若い頃にはアマチュアゴルフで栄冠に輝き、大変なプレイボーイであることでも知られたバイヤーズは、健康増進と若さの維持のためにラジソールを5年以上毎日2オンス(瓶2本、57g)飲用しており、周囲には「永遠の若さの源泉を見つけた」と語っていた。
当然これは人体が放射線に晒された際に防御反応として、一時的に赤血球と白血球を増産する事で「元気になった気がする」事によるもので、本当に元気になったわけではない。
バイヤーズにこの飲料を勧めた医者はその売上の十数%を取り分としていたインチキ医者であり、ラジソールは決して医薬品ではないのだが、悪いことにこの飲料は値段が高いだけでなく本当に1本あたり37キロベクレルという凄まじい量のラジウム226とラジウム228を含んでいた。
バイヤーズは5年間で致死量の3倍のラジウムを摂取したと見られている。
症状が発覚した時には既に顎骨のほぼ全てと頭骨の一部の消失、貧血、脳腫瘍、内蔵疾患等の各種の症状を併発しており、文字通りの怪死を遂げたのである。
事実は小説・・・いや、ゲームより奇なり、ということか。
「ヌカコーラ」の方がどれだけマシか、お解りいただけたかと思う。
更にFallout:Newvegasにおいては「キラキラ光って綺麗」という理由から放射性物質をおみやげのロケットの模型の中に入れて光らせ、販売していたことが明らかになるなどあまりに適当すぎる認知が成されていた事が明らかになり、(関係各所は政治的な働きかけによりこれを問題無いと判断したようだ)Fallout世界においてはこうした商品が平気で生産・流通された背景を物語っている。
廃病院から盗み出した資材の中に入っていた光る粉(セシウム137)を友人や親族にプレゼントしたり(ブラジルでのゴイアニア被曝事故)と、現実でも似たような事件はおきているわけだが。
DLC「Nuka-World」
ボストン近郊に存在するヌカ社の超巨大複合テーマパーク「ヌカ・ワールド」を舞台にしたFallout4の有料ダウンロードコンテンツ。
ひょんなことから、パークを占領しているオペレーターズ、ディサイプルズ、パックスら3つのレイダー集団を束ねる「総支配人」として手を貸すことになった唯一の生存者であったが……。
これまで以上にヌカ・コーラとヌカ社について迫る内容ともなっており、様々な新種のヌカ・コーラやヌカ社のマスコットキャラなど、プレイヤーを楽しませる要素も多数ある。
レイダーたちと共にパークを楽しみながら、ヌカ社の真実について迫ろう。