曖昧さ回避
- アメリカの企業。旧商号「National Cash Register」が示すように、キャッシュレジスターや、それを端末とするPOS(販売時点情報管理システム)、ATM(現金自動預け払い機)などの世界的大手メーカー。
概要
New California Republicの略称で、読んで字のごとく「新カリフォルニア共和国」。
Fallout:Newvegas、および「3」以前の旧作に登場する架空の国家。初初代Falloutで最初に訪れる街「シェイディ・サンズ」が発展し、2で初登場とまる。
我々の現実同様に明確にいつを建国とするかは解釈が分かれそうなところで、発祥であるシェイディ・サンズから数えるなら2142年、建国宣言なら2189年、正式にシェイディ・サンズが首都となったのをはじめとするなら2198年である。
核戦争後のアメリカにあらわれた勢力の中では最大で、2241年にはカリフォルニアで政治・経済共に最大勢力となった。核戦争が起こる前の『旧世界』の価値観や立法、民主主義を掲げる、アメリカの後継者最大手の一角。
その思想もあってNV時点ではグールも市民権を獲得している。
NVでは南西部を統一しさらにネヴァダ州の一部までその版図を拡大。発展途上の国家として領土的野心を燃やす。
地理的に大きく隔たっている3,4にも名前だけ登場した。
NewVegas(2281年)でのNCR
本作時点で人口は七十万人。
新たな領土と富を求めて東へと偵察員を送り込んだNCRはそこで核の被害を受けていない都市ニューベガスとコロラド川を横断する巨大なダム、フーバーダムを発見する。
NCRは早速かの地を我が物にせんと兵力を送り込み、ダムを稼働できるまでに修復した。
しかしコロラド川の東岸にはNCRに対抗できるほどの勢力がすでに存在していた。その勢力はシーザー・リージョンと呼ばれ、リーダーのシーザー率いる古代ローマを模した巨大な軍事集団。多くの部族を平定してきており、多数の奴隷も抱える。リージョンはNCRがダムを確保してから四年もの間攻撃を続け、NCRはそれにかろうじて耐えていた。
このシーザー・リージョンと呼ばれる戦闘部族とNCRのフーバーダムをかけた戦いが主軸となってFallout:Newvegasの物語は展開していく。
なお実際のNV作中で登場する舞台の大半はNCRの支配下で、ゲーム内で受けられるクエストもNCRからのものが圧倒的に多い。
ちなみリージョンの支配地域はコロラド川の東がメインで、ゲーム内のマップの左端よりさらに左であるため(コロラド西岸にはいくつかのキャンプを築いている)、リージョンから受けられるクエストはNCRよりかなり少ない。
軍事力(NV時点)
NCRはその国力により、統一規格の装備と練度の常備軍を有する。
歩兵のみならず砲兵部隊や工兵部隊といった諸兵科も揃え、進出してきたモハビ砂漠の各地に前哨基地を建設する等、文字通りアメリカ最大の軍事力を保持している。
少なくとも頭数で言えば統率された組織としては間違いなくトップと言えるだろう。
また、NCRがBoSやエンクレイヴと異なる点の一つとしてグールが参加していることが挙げられる。総数は少なく一般兵レベルでは多少の偏見や差別は残っているものの、能力次第では後述のベテランレンジャーに昇格することも可能。むしろ軍歴の長さが重視されるためか、劇中のNCR軍内でもっとも多くグールを採用しているのはベテランレンジャーであったりする(この偏りは開発陣も意図した配置であり、NCRレンジャーも汚染地域にグールを配置しているがその人数は僅か3人と、明らかに偏っている)。
一方で戦前の技術を保全発展させてきたBoSやエンクレイヴといった組織と比較して科学技術では大きく水をあけられており、パワーアーマーの動力機構を修理出来ない、占領した戦前の施設を解析出来ずに放置、エネルギー武器が殆どないなど今一つパッとしない。
特に名物「NCRサルベージアーマー」は完全に筋肉で動かしているシロモノである。まぁ、アーマーの防弾性能は極めて高いし、それだけ強靭な体力を認められたともいえるが、その着心地は「まるでバラモンを背負わされているみたい」とこと。
とはいえ、全く原始的な装備ばかりというわけではなく、大統領専用機としてベルチバードのような航空機の運用は確認されている。
特別軍
NCRには特別軍がいくつか存在しており、特に有名なのがNCRレンジャーである。
腕の立つベテラン兵士が選抜される形で編成される精鋭部隊であり、戦後に作られたとされる専用アーマーを支給され、少数のチームで過酷な特殊任務に従事している。元々は破壊工作等を行うあまり目立たない日陰者だったが、フーバーダムにおける活躍で一躍脚光を浴び、NCR軍を代表する精鋭として知られるようになった。
NCRベテランレンジャー
オープニングにも登場する、文字通りNewVegasという作品の顔。
NCRレンジャーの中でも特に生え抜きの隊員、或いは後述の条約締結以前からネバダで活動していたベテラン兵が、戦前に製造された暴動鎮圧用アーマーとトレンチコート、ガスマスクと暗視装置がセットになったヘルメット、非常に強力なレンジャーセコイアやアンチマテリアルライフルを装備したのがNCRベテランレンジャーである。
彼等はその「黒いアーマー」からリージョンやフィーンド(レイダーの一種)から非常に恐れられており、通常のNCRレンジャーからもシャープシューターと称賛される腕前を持つ。
ちなみに通常のレンジャーと同じ「レンジャー」の名を冠するが、彼等は元々別の組織である。NCR建国後に発足した特殊部隊であったNCRレンジャーに、戦前の州軍が設置した治安維持部隊やテキサスレンジャーズを祖とするデザートレンジャーが合流して結成された経緯がある。デザートレンジャーはモハビでリージョンと交戦していたが、劣勢に立たされたことでNCRに助けを求め、最終的に2271年「レンジャー統一条約」を締結し、NCRレンジャーと合流した。モハビ前哨基地で手を取り合う2人のレンジャーの立像は、この条約を記念して建てられたモニュメントなのである。
ゲーム上では
自分でプレイする分にはアーマーが手に入るのが終盤のため大分ショボいが、その脅威をもっとも実感出来るのはNCRと明確に敵対した場合。
上述の強力な銃器をGuns Skill値100で確実に当ててくる上、パワーアーマーを除けば最上位に近い性能のアーマーとランダムで付いてくる防御値ボーナスのせいで矢鱈硬く、勘が鋭いのかこちらがいくら変装していても近付くと見破ってくる等、伝説が冗談でなかったことを直接的に知らしめてくる。
余談
「カリフォルニア共和国」とは、米墨戦争時の非常に短い期間(1ヶ月にも満たない)だが実在した国家である。国家として存在した期間こそ短かったものの、現在もカリフォルニア州の旗に「CALIFORNIA REPUBLIC」と名が記されている。それ故にNCRは『新』なのである。
関連タグ
Falloutドラマ版(2296年)では
**以下ドラマ版の重大なネタバレ**
「みんな世界を救いたくても、やり方で意見が分かれる――」
- 実写版6話の歴史年表によると、2277年、「Fall of Shady Sands」という事件が発生したとされる。このため、プレイヤーの間ではNV以前にNCRが崩壊したという歴史改変がなされたと大騒ぎになった。ただし、作中で具体的にこの年に起こったと明言された出来事は、2277年にVault33で酷い疫病が流行り両親も感染したとルーシーが主張した(実写版4話6:40)ことだけである。それを聞いたザ・グールは爆笑して「人が言ったことと実際にやったことは違う」と答えている。ザ・グールの主張に何らかの情報が含まれているのかどうかは推測するしかない。
- そして「NV」の直後2281年、何者かによる核攻撃により首都シェイディ・サンズは完全に壊滅し巨大なクレーターと廃墟のみが残った(日本語ソース、ソースのソース元の英語版記事)
- これにより、初代falloutおよびfallout2の主人公である「Vaultの住人」と「選ばれし者」たちの足跡は永遠に失われる事となり、その後は生き残ったメンバーによって、グリフィス天文台を中心にシェイディ・サンズの再建が行われている。
- なお、一部の生存者はVault4に逃れ、モルデイヴァーを讃えるカルト宗教と化し、慰霊の儀式を開くことで復讐心を燃やし続けていた。
- 実写版シーズン1最終話。シェイディ・サンズ残党軍は、エンクレイヴが開発していたアーティファクト「低温核融合システム」の起動に成功するも、BoSの襲撃により指導者と本拠地を失いついに壊滅することとなった……。
注釈
上記にもリンクを張っているが、、77年の「Fall」と81年の核攻撃は別の出来事である。
また、破滅が確定したのはあくまでも「首都シェイディ・サンズ」のみ。
ベセスダ・ソフトワークスのトッド・ハワード氏は、我々は「NCRが滅亡した」とは聞いた事がないと断言している。
果たして、NCRの運命やいかに……?