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コンコルド

こんこるど

「調和」を意味するフランス語。英語読みはコンコード。
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概要

  1. かつて運航されていた旅客機(SST)。現時点で実用化された唯一の超音速旅客機である。pixivのコンコルドタグの殆どがこれに関するイラストにつけられている。
  2. フランスのパリにある広場。
  3. 「娯楽惑星コンコルド」—静岡ローカルのパチンコ店。


旅客機

概要

世界で2機種しかない一般旅客を乗せて音速飛行した機体の一つで、世界史上最速の旅客機。アエロスパシアル(当初はシュド)とBACの英仏共同開発機で、後にアエロスパシアルが母体となったエアバス・インダストリーが保守を引き継いだ。巡航速度は2.0M、巡航高度は約60000ft(=18000m)。

歴史

1954年、初の超音速戦闘機であるF-100が登場し、戦闘機に超音速時代が到来した頃から超音速旅客機の実現は人類の夢となり、1960年代に入ると各地で生産が目指された。当時の航空業界を主導していたアメリカ合衆国ではパンナムやトランスワールド航空の主導により超音速旅客機の構想が立ち上げられた。この結果ボーイングによりB-2707が計画された。同機はコンコルドの2~3倍の収容数を誇り、実現寸前まで行った…のだが、オイルショックが原因となって計画は潰れ、アメリカは超音速旅客機開発を諦めてしまった。

そんな中、初の実用化に成功したのがこの機体である。現代の飛行機には標準装備されている「フライ・バイ・ワイヤ」が世界の旅客機では初めて搭載され(ただしアナログ式)、タンク間で燃料を移送しトリムを調整するシステムを備えるなど旅客航空機技術の最先端を行っていたが、燃費が非常に悪く運航コストが高くつき、超音速飛行に伴う衝撃波、いわゆるソニックブームなどの環境問題も抱えていた。

こうした問題に加えて航続距離が短く、大西洋線にしか使えないことが仇となり、太平洋線就航を計画していたパン・アメリカン航空(パンナム)や日本航空(JAL)が発注をキャンセルしてしまい、その他の多くの航空会社も、開発の遅れなどがたたり、オイルショックが追い打ちをかける形で発注をキャンセルしてしまった。

結局、試作機、量産先行機を含めて僅か20機のみの製造であり、実際に旅客運行された機体は開発国でもある英仏両国のフラッグキャリア、エールフランスブリティッシュ・エアウェイズの運行した16機だけである。
特徴的な三角翼も超音速飛行に特化した結果低速飛行、特に離陸時に揚力を得にくく、長い滑走距離を必要とした。

1990年代に入ると装備の陳腐化や機体の老朽化が進んだ。それでも代替機種がなく一定の人気はあったため、最新の電子装置の導入などの近代化が検討されたが、最後まで抜本的な改修はなされないままだった。特に操縦席は、グラスコックピット化されたボーイングやエアバスなどのハイテク機に対して、コンコルドのそれはアナログの計器が並ぶ古色蒼然としたものだった。ただし、運航末期の2000年以降には客室の全面リニューアルがなされ、シートや内装が現代的なものに変わっている。

コンコルドの名は「コンコルド効果」など「失敗作」の代名詞になってしまったが、当時としては大変に先進的な機体であり、フライバイワイヤや燃料移送システムなどコンコルドで培われた技術は後世の旅客機に引き継がれている。

終焉


2000年7月、フランス・パリのシャルル・ド・ゴール空港にてコンコルド「エールフランス4590便」が墜落事故を起こした。
直前に飛んだDC-10が落とした金属片を踏んだ結果、ランディングギアのタイヤがパンクしてその破片が翼の燃料タンクを叩いて破裂させた結果燃料に引火、それに伴いすぐそばのエンジンを2基喪失、既に停止できるタイミングも逸していたため無理やり飛ぶも、タイヤの破裂でセンサーが故障しランディングギアを格納できなくなっていたことも重なり飛び続けることが出来ずに墜落したのである。
コンコルドとその操縦士たちの名誉のために書くが、金属片を踏んだ時点でコンコルドの結末は確定しており、対処は不可能だった。

コンコルドは一斉に運行が停止され、復活に期待をかけて改修工事も行われていた。
しかし翌年9月アメリカ同時多発テロが発生、これに伴い欧米の景気の悪化と世界的な航空不況、燃油高が発生した。これにより、もはや同機を使用するだけの採算性が無くなってしまったことから、2003年11月をもって完全に退役し、人類が夢見た超音速飛行は幻と化してしまった。コンコルド墜落事故に携わった事故調査委員もコンコルドの完全退役を「人類の航空機史上初めての後退」と惜しんだ。引退後は一部機体が静態保存されることとなったが、コンコルドが飛び立つ姿は永久に見ることが出来なくなってしまった。

遺産

1960年代、米国の2大メーカーボーイングマクドネル・ダグラスに市場を席巻される中実現したコンコルド構想は、当時アメリカに負けっぱなしであった欧州航空機製造業界に一石を投じた。製造から40年が経ち、かつて世界最大の旅客機製造国であったイギリスこそ航空機産業の規模は大幅に縮小してしまったが、フランスのアエロスパシアルはドイツと手を組み、今や世界の大型・中型旅客機のシェアをボーイングと二分するエアバス・インダストリーを作り上げた。

航空業界において経済性・環境性能が何より重視されるようになった今、かつての「超音速旅行への夢と憧れ」が復権することはもはや無いと思われるが(今後、温室効果ガス排出抑制の要求が一層シビアになり「電気の力で飛ぶ」飛行機が一般化すれば、空の旅は現在より低速化する可能性すらある)、コンコルドによって体現された世界への「航空旅行への夢と憧れ」の志は、違った形で引き継がれているのである。

その他

運賃は他の旅客機のファーストクラスより高額なスーパーソニッククラスとされ、R(このコードは後にシンガポール航空がファーストの上位として設定したスイートクラスに流用された)のクラス予約コードが使用された。もっとも、ソフトサービス(機内食など)こそファーストクラス級ではあったが、座席そのものについては、3時間程度の乗機時間なのもあってか、ファーストクラスがベッドにもなれる座席まで進化する中、せいぜい新幹線のグリーン車程度の座席のままであった。
機体の窓は、機体と窓の熱膨張率の違いからハガキ程度の大きさであり、更に超音速航行中の機体熱の上昇から、触るとかなり熱かった。また、巡航高度は通常の旅客機より遙かに高いため、成層圏にまで達し、機体から見える景色は通常の空より濃い紺色の空模様をしていた。

亜種?

コンコルド、アメリカのB-2707の他に、もう一つ開発され、実際に製造されごく僅かな期間だが旅客運行をした超音速旅客機が存在する。
それこそが旧ソ連ツポレフ設計局が開発したTu-144旅客機である。
東側の超音速旅客機として、西のコンコルドより2ヶ月早く初飛行した。ぱっと見の見た目はコンコルドとそっくりであり、折り畳み式のカナード(先尾翼)の存在程度しか違いがない。

そのためか、西側諸国では「ソ連のスパイがコンコルドの設計図を盗み出して作った」という俗説がまかり通り、「コンコルドスキー」の名称で呼ばれてしまっている(が、両者は全く設計が違う。例えばコンコルドがオージー翼と呼ばれる特殊な形の主翼なのに対し、Tu-144はダブルデルタ翼である。他にもTu-144も機首が折れ曲がるようになっていたがコンコルドと違って別体のバイザーを備えていないなど、コンコルドを参考にしたとしてもそのコンセプト程度でしかないことは明らかである)。しかし、正式就航前に2度墜落事故を起こしてしまった事、そもそもの開発経緯が当時のフルシチョフ政権(スプートニク計画や世界初のSLBM搭載潜水艦の就役を実現させた)による西側への意地という事情もあり、生産数は原型機も含めわずか16機、旅客運行は102便と極めて短命に終わってしまった。

なお、1996年には米露共同による次世代超音速旅客機開発の試験機として、最新技術を盛り込んだ『Tu-144LL(機体記号:CCCP-77114)』が製造(厳密には改造)され、アメリカで数年間使用されている。

余談

異色の出演は1978年のアメリカのファンタジー映画『天国から来たチャンピオン』。
何故かコンコルドが天国行きの便になっている。
ちなみに霧の中で駐機しているのではなく、あくまでも雲の上である。

コンコルド効果

経済学の用語で「埋没費用効果」を「コンコルド効果」と言い換えることがある。
ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態を指す。
コンコルドは開発段階で採算が合わないことがわかっていたにも関わらず、開発費の回収をあきらめきれず、赤字経営のまま飛ばし続けたことから、この言葉が生まれた。

関連動画

超音速旅客機 コンコルド(紹介映像)

ブリティッシュ・エアウェイズ 商業飛行終了(2003年10月24日撮影)

超音速旅客機 コンコルド 記録映像(2017年放送)


関連イラスト

Technology
BAC/Aerospatiale Concorde
shall we fly ?
栄光と悲劇の怪鳥



イラストでも描かれる特徴的な曲がった機首は、空気抵抗の為に長くなった機首が着陸の際に下方の視界を遮るので、着陸に支障が無いように可変式とされたもの、つまり飛行時は真っ直ぐ伸びている。

外部リンク

ブリティッシュ・エアウェイズ公式サイト『Celebrating Concorde』(外部リンク)
『First Concorde Supersonic Transport Flies』(外部リンク)

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