コンコルド効果
こんこるどこうか
それまでに投じたコストを今後の判断基準に含めてしまう誤謬のことである。
別名「サンクコストバイアス(サンクコスト効果)」とも呼ばれる。サンクコストとは埋没費用のことを指す。
埋没費用とは平たく言えば「過去に投じてしまったコスト」のことである。過去は取り返せないのだから当然埋没費用も取り戻せないので、今後の活動方針を決めるうえでは考慮すべきではならない。
今後の方針を決めるうえで考えるべきなのは、今後発生すると考えられるコストと、それによって見込める利益の大小のみなのだ。
わかりやすい事例を上げるなら、戦争映画でよく聞く「これでは散っていった命が報われない!!」というセリフだろう。この台詞は物理的な意味なのか精神的な意味なのかの議論がされやすい。
1000人が犠牲となった作戦目標には1000人分の価値があると思いがちである。
実際には散っていった命はもう戻っては来ないので判断基準からは排除し、これから散るであろう命のみを目標と比べるべきである。
なお名前の由来は1976年、超音速飛行を実現した旅客機コンコルドである。
ランニングコストその他の問題があり(250機で元が取れるはずだが売れたのは16機)本来ならば早期に運用中止されるべき事案であったわけだが、結局誰も中止を言い出せないまま、結果運用停止したのは2003年である。
……ただコンコルドの場合はそもそも儲けが出ないであろうことは早い段階から推定されており、錯覚のことを指すコンコルド効果とは話が違ったりする。
なにせ政治的、法的に予めガチガチに縛り上げられており、止めたくても止めようがなかった。リスクヘッジの問題である。
『開運!なんでも鑑定団』
言わずと知れた骨董鑑定番組。多くのゲストが鑑定結果について購入金額からくるコンコルド効果に基づいたリアクションをしてしまう。そのおかげで視聴者は楽しめるわけでもある。
MRJ
リンク先記事参照。
サバイバーズ・ギルト:関連性が指摘される。この場合投資されたのは「他人の命」や「それを助けられるはずの時間と労力」であり、投資対象は「自分」、そして「それだけの命を投資された、それらの命より優先されて助けられた」からには「それに見合うだけの事を成し遂げなければならない」と自分を追い詰めてしまう。