エースコンバット3
えーすこんばっとすりー
それまでのシリーズと打って変わって、近未来SF的な雰囲気やアニメチックなストーリーを導入した作品。マルチエンディング方式を採用しており、プレイヤーの取った行動次第でストーリーが分岐する。
登場機体の約7割が架空機、実在機もコックピット部が架空のシステムで実機とは異なる装備等が追加されている機体がある、本編では出撃機体が自由に選択できない、ハンガーで機体を立体的に眺める事ができない、音声が日本語のみ等、2から大幅に変更された部分も多く好き嫌いが分かれる仕様となっている。
ストーリーの結末にも賛否両論があり、一部では「早過ぎた作品」としてリメイクを求める声もある。その特異な世界観は『3』が『エースコンバット』で唯一UGSFシリーズに組み込まれていることからも分かるだろう(なお、エースコンバット7において繋がりが設定されたことで3が正史に組み込まれる事となった)。
戦闘画面以外のほぼ全てがアニメーションで描画されるシリーズ唯一の作品。アニメーション製作はプロダクションI.Gが担当しており、OPアニメには『スカイ・クロラ』にも通じるような独特の雰囲気を感じられる。
ただし、海外版はムービーや音声に加えて一部のミッションまでもが削除され、日本版から大幅にグレードダウンした内容となった。
なお、この作品でもっとも有名なシーンに「挟まっちまった」がある。
また、多くのパイロットを地面や壁面にキスさせることで名高いトンネル内飛行ミッションとして、エースコンバット5のハミルトンネルと共にトンネル難易度トップの座を争う、「フィートンネル」ことジオフロント・パスはこの作品の分岐の一つの最終面に存在する。
2024年5月27日、発売25周年を記念してリマスター版サウンドトラックを各楽曲配信サービスで配信することをシリーズ公式Xにて発表した。
時は西暦2040年。エレクトロスフィアと言うメタバースの発明と国家を上回る力を持った巨大多国籍企業の台頭によって国家権力や司法などが弱体化し、企業が世界を支配する時代に突入していた。ユージア大陸ではゼネラルリソースとニューコムと言う二つの世界的大企業が争いを続けていた。両社はそれぞれに私設軍を有しており、軍事衝突の緊張が高まっていた。そんな双方の対立を調停している新国際連合NUNの治安維持部隊UPEOの特別航空部隊SARFに所属するある戦闘機パイロットはゼネラルとニューコムの対立においてある組織の陰謀に巻き込まれていく。
NUN
国際平和や友好の維持を目的とする新国際連合。
しかし企業の影響力増大による国家の弱体化や国家そのものの減少によって、既に大規模な国家間紛争と呼べるものはなくなっており、それに代わり激化しつつあるゼネラルやニューコムなどによる企業間紛争の調停役となっている。だが所属議員の大半がゼネラルリソース出身者であった時代もあった。
UPEO(ユーピオ)
NUNの治安維持組織で民族や国家の枠組みを超えた全世界の平和と治安の維持を目的とし、平和維持委員会が有する権限によって、統治力を失った国家に代わり企業を法的に拘束できる数少ない非企業組織である。しかし、近年までは国連の体を装ったゼネラルリソースの代行機関とも言えたが2037年にマスコミ出身のクラークソン議員が代表に就任したことで改革が進められ、対話による企業間紛争の解決を試みるなど、設立当初の理想である平和主義を取り戻し始め本来の役割を取り戻しつつあると見られている。
ある程度の軍備を保有しているが、中立性維持のために脅威となりうるような強力な兵器の保有を意図的に避けていたことやゼネラルの影響力などの政治的事情、実際の派兵回数の少なさなどから「張り子の軍隊」と揶揄されている。組織改革によって国際社会でのUPEOの役割が増大しつつある現在では、深刻化する企業間紛争に対応するために新たに軍備増強を急いでいる。特別航空部隊としてSARF(サーフ)が存在する。
ゼネラルリソース
ユージア大陸を実質的に支配する巨大多国籍企業。数多くの大企業が買収や合併の末に誕生し、衣服から食料、医療などあらゆる産業を網羅し圧倒的なシェアを誇り、その絶対的資本力によって、政治や経済、司法、果ては軍事など全ての面で国家を凌ぐ影響力を持つ。しかし、強大な資本力や影響力を背景にした他社への圧力や大規模開発の環境に対する無配慮など、その強権的な経営手法は環境保護団体などからの強い反発を招いており、反企業過激派によるテロの標的となる。
「対テロ自主防衛」の為の軍隊としてGRDFを保有している。しかしその実態は反対勢力の排除であり、敵対する国家や企業に対する妨害工作や不穏分子の暗殺まで行う。
保有兵器は主に旧式の機体を改良した物を多く使用している。
ニューコム
ゼネラルリソースと対立する新興巨大複合企業。
元々は民営化されたとある政府機関「政府宇宙管理機構(EASA)」が前身であり、民営化直後に大手航空会社を吸収合併した後、上層部の保守的な方針で計画を中止されて不満を持つゼネラルリソースの技術者が離反して集団移籍したことで誕生した。
バイオテクノロジー担当の「ニューコム・バイオ」とコンピュータ技術の研究開発を担当する「ニューコム・インフォ」、通信事業担当の「ニューコム・スフィア」、宇宙開発担当の「ニューコム・スペース」、広報や外務などの「ニューコム・パブリッシング」の5部門で構成され、近年ではさらなる他業種への進出も見せている。保守的な上層部であるゼネラルと違って自由で先進的な企業風土を持ち、そのために数多くの優秀な技術者を集めることに成功している。特にバイオ・ナノテク分野や優れた宇宙開発力に支えられた情報通信分野の技術力はゼネラルを大きく上回っており、これらを独占的に利用することで強大なゼネラルの力に対抗している。だが一方で非人道的な研究もやっている。軍事部隊として非常事態対策機構NEUを組織しており、配備している戦闘機も最新技術を投入した独自開発の機体が多い。
エアロコフィン
この作品における戦闘機の総称。
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