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導力飛行船

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どうりょくひこうせん

『英雄伝説』の『軌跡シリーズ』に登場する飛行船舶、及びその技術を軍事転用した兵器。

概要

導力飛行船』とは、軌跡シリーズにおける移動機関の一つであり、このシリーズにおける技術の象徴と言えるものである。

ゲーム本編においては移動手段として定期客船などが度々用いられ、ストーリーによっては仲間の厚意でパーティーの自由な移動手段になる事も多い。

七耀暦1150年頃に起こった【導力革命】によって、ゼムリア大陸の文明は飛躍的な発展を遂げた。その発展先が空に向けられるのも必然であり、各国は導力飛行船の開発にも着手した。

原理としては、導力エネルギーを飛翔機関によって反重力フィールドに変換し浮力を発生させるというものである。この原理は劇中の50年程前にエプスタイン博士が導き出し、後にその弟子である三高弟のラッセル博士が飛翔機関を完成させたことにより導力飛行船の実用化にこぎ着けた。

リベール王国ツァイス中央工房(通称”ZCF”)によってその最先端を行き、山岳地帯が多い小さな国土ながらも各地方都市に空港が備わっている程に、他国と比べて庶民の足としても大きく普及している。七耀暦1192年から1193年まで続いた百日戦役の際には、エレボニア帝国軍の圧倒的な物量の差で劣勢を強いられていた中で当時最先端であった軍用飛行艇を用いた電撃作戦により帝国軍に対し一矢報いたという武勇伝もある。さらには王家の親衛隊の装備として、最先端技術の結晶である『高速巡洋艦アルセイユ』を運用している。

大陸の二大国エレボニア帝国カルバード共和国でも導力飛行船の開発に着手しており、民間用の小型飛行艇など幅広く運用されている(但し両国は民間用の空港などはありながらも運賃価格の高さや空港施設の数の少なさ、列車や自動車の方が一般的普及されている関係上一般普及率はリベール程ではない)。

各国飛行船の導力器にはエプスタイン財団も協力しており、まさに大陸各地の技術の粋を結集した船が揃っている。

結社身喰らう蛇も高速飛行艇や『飛行戦艦グロリアス』を運用している。この戦艦はアルセイユを遙かに凌ぐ大型であるうえにステルス機能を搭載するなど、リベールや二大国を遙かに凌ぐ高性能艦である。

主立った導力飛行船(※ネタバレ注意)

アルセイユ

正式名称――アルセイユ級高速巡洋艦一番艦『アルセイユ』。全長42アージュのアルセイユ級のベース艦であり、七耀暦1202年に発生した通称『リベールの異変』で活躍した導力飛行船。

リベール王家が所有し王国軍親衛隊に所属する本艦は《白き翼》の異名で知られ、最高速度は七耀暦1204年時点でも大陸最速を誇り、リベル=アーク突入作戦にて結社の飛行戦艦グロリアスと接触した際(メイン画像)にグロリアスの猛烈な対空攻撃を全て躱しつつ速やかに射程外へ逃れるという驚くべき運動性・機動性を見せた。

同国のクローディア王太女とエレボニア帝国のオリヴァルト皇子がこれに搭乗して事件解決に乗り出し、解決後はオリヴァルト皇子を帝都ヘイムダルへ送り届けると同時に宣戦布告を行うための立役者を担うなど、これらの活躍からその名を轟かせている。

山猫号

帝国の盗賊団カプア一家」が所有する飛行艇。ラインフォルト社製であり、小型ながらもかなりのスピードを誇るが、エレボニア帝国軍のお財布事情から費用対効果が悪いとされたため採用は見送られ、専ら貴族の道楽として利用されるモデルだった。一家が貴族時代に購入しており、没落後は団の足として使用し、盗賊から足を洗い運送業に鞍替えした後もその速さを売りとして重宝している。

閃の軌跡の頃には商売が軌道に乗っていた事から2号機も登場し、『閃の軌跡Ⅳ』では黄昏に抵抗するⅦ組特務支援課の協力者として運送のみならず人員の移動手段としても使用している。

グロリアス

結社『身喰らう蛇』が運用する全長250アージュの超弩級飛行戦艦《紅の方舟》の異名を持つ大型戦闘空母で、武装として多数の大型自動砲塔誘導ミサイルを装備しており、また、その船体の大きさはアルセイユを遥かに凌ぐ上にステルス機能を搭載しているため、各国の対空監視をくぐり抜けることが可能。

明らかなオーバーテクノロジーが搭載されたそのスペックは半日で国が焦土と化すと言われる程に、結社が並外れた技術力を持つことの裏付けにもなっている。

メルカバ

七耀教会で運用される飛行艇。古代遺物の一つを動力に用いているため、厳密には導力飛行船ではない。帝国や共和国のガンシップよりはやや大型で、小型ゆえに最高速度と機動力が高く、様々な機能を搭載しているが、前述の特異性ゆえに十二人の星杯騎士にのみ運用を許されている。

ルシタニア号

帝国のラインフォルト社にて建造された大型豪華飛行客船。全長は120アージュと後述の飛行戦艦パンタグリュエルが完成するまで表向きは世界最大級の大きさを誇り、船内にはパーティー会場・カジノルーム・図書室などと言った多くの施設があり帝国の貴族や資産家などを集めて仮面舞踏会などが開かれている。

パンタグリュエル

帝国の貴族連合軍の総旗艦で、表向きはゼムリア大陸で最初に造られた250アージュ級超大型飛行戦艦である。

内戦時はカイエン公爵座乗艦であったが、内戦終結後はカイエン公爵捕縛とともに帝国政府に没収され、儀礼艦に改められる。後に共和国との戦争を阻止すべく貴族派を中心に極秘裏に組織された『ヴァイスラント決起軍』旗艦として運用された。超弩級飛行戦艦建造のノウハウができたことにより、これ以降帝国は勿論共和国でも旗艦の大型化が顕著になったと言える。

カレイジャス

アルセイユ級高速巡洋艦二番艦。リベール王国のツァイス中央工房、エレボニア帝国のラインフォルト社やエプスタイン財団の協力で開発された真紅の導力飛行船。全長は75アージュと一番艦アルセイユと比較して1.5倍以上になり装甲も増加している。

帝国の皇室専用艦であり、リベールとの宥和の象徴も兼ねている。お披露目の際にはトールズ士官学院生徒達を乗せていた。オリヴァルト皇子が開発を主導していたこともあり、国内ではオリヴァルト皇子の座乗艦として有名。

内戦時には帝都を離脱し、『第三の道』を模索するオリヴァルト皇子の意志を受けたトールズ士官学院Ⅶ組を中心とする生徒達が運用し、内戦の終結に尽力した。活動中は《紅き翼》を名乗り、生徒達と共にその勇名を帝国全土に知らしめる。内戦後は政府によって接収されてしまい、オリヴァルト皇子は『翼をもがれると共に、剣を喪ってしまう』。

七耀暦1206年でセドリック皇太子がトールズ本校の実習に用いた後にオリヴァルト皇子が再び乗船する。帝都で起きた異変を解決するべく、カレル離宮へ急行するが黄昏を目論む者の配下によって爆弾が仕掛けられており、カレル離宮の上空で爆破・四散し、墜落した。

カレイジャスⅡ

カレイジャスの後継艦。全長は、先代が75アージュであるのに対し本艦は92アージュと大型化しているが、基本的なシステムは先代艦とほぼ同系統。

爆破されたカレイジャスに変わる新たな《紅き翼》として、上記にて爆殺されたと思われたオリヴァルト皇子がトールズの卒業生及びトールズ第Ⅱ分校の生徒達の協力を得て鮮烈な復活を果たす。内戦終結後、RFの前会長グエンに相談したオリヴァルト皇子が《紅き翼》がもがれた時に備えて、かつて結社が『福音計画』で利用していたリベール王国・ヴァレリア湖畔の研究所にて極秘裏に建造していた。本艦の開発はリベールのアリシア女王がZCFとエプスタイン財団と共に主導、資金はオリヴァルト皇子、ユーゲント三世、グエンの個人資産、更にゲルハルト・ログナー侯爵とフェルナン・ハイアームズ侯爵が協力し、それによって情報局の眼をかいくぐって完成を見る。そして、自分達の襲撃を共和国の仕業とでっち上げ戦意を煽ろうとするセドリックに追い詰められたリィン達の危機に駆けつける、呪いに抗う『第三の道』を模索する英雄達の翼となるべく《光まとう翼》として戦争の終結に尽力する。

アルセイユⅡ

戦争終結後にリベールにて極秘開発された姉妹艦。カレイジャスⅡのデータもフィードバックした七耀暦1207年に就航した巡洋艦で、アルセイユの名前どおりに最高速も折り紙付き。クロスベルの再占領に伴う混乱を収拾するべく、英雄達の助力に駆けつけた。

ハルワタート

中東のエルザイム公国で運用される公王家専用飛行船。同国の公太子シェリド・アスヴァールが本船でサルバッドの映画祭を訪問する。その後、映画祭の事後キャンペーンを兼ねた中東親善という名目で古都オラシオンの子供たちを遊覧飛行に招待し、裏で行われた謝肉祭から避難させることに成功する。後日の革命記念祭でも首都で遊覧飛行を行う。

ガルガンチュア

帝国軍の250アージュ級飛行戦艦。七耀暦1206年に就役した。

「ガルガンチュア級飛行要塞」とも呼ばれる。

バテン=カイトス級

共和国軍の200アージュ級飛行戦艦。

イクス=アルバ級

共和国軍の飛行巡洋艦。七耀暦1208年に就役した、共和国初の巡洋艦。

その他

これらの他に、建造元・名称ともに不明だがカルバード共和国マフィア『アルマータ』が運用していたオーバースペックの高速飛行艇が確認されている。

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