語源
夕方に薄暗くなった際には人の目が光の加減になじめず人の顔が見分けにくくなることから、この時間帯を「誰そ彼(たそかれ)」(古語の「誰だあれは」の意)と呼ぶようになったと言う。
そのため、「黄昏」を「たそがれ」と読むのは当て字であり、この漢字自体は本来は「こうこん」と読む。
なお、「誰そ彼」の同義語として「彼は誰」(かはたれ)があるが、黄昏が夕暮れ時、かはたれ時が明け方を指すような用いられ方が多い。
意味の詳細
- 日没直後の、空に赤みが残る時間帯。逢魔時の直前。
- 盛りを過ぎて終わりに近づこうとするころ。「人生の―」
- ヘンリー・フォンダの遺作となった映画の邦題。→黄昏(洋画)
- マンガ&アニメ『SPY×FAMILY』に登場する、ロイド・フォージャーのスパイとしてのコードネーム→黄昏(SPY×FAMILY)
- 『黄昏流星群』タイトルと題材。
- ポケモンのイワンコが特定の条件で進化するルガルガン→たそがれのすがた
- KEYTALKの楽曲『黄昏シンフォニー』。
- 手嶌葵の楽曲→スタジオジブリのアニメ『ゲド戦記』主題歌。
注意点
非常に誤用が多い言葉である。
単に「夕方」をかっこつけて書きたい時に使われがちだが、
黄昏とは本来「日没後」を示すものであり、太陽が残っているうちは黄昏よりも早い時間帯となる。
太陽が完全に沈んだが空にまだ明るさが残っている時間帯が黄昏時となる。
また、人物の様子としての「たそがれる」に関しても「物思いに耽る」という意味でよく用いられるが、
上記の通り「(人生の)ピークを過ぎて終わりへ向かう様子」を指す言葉であり、これも誤りである。
尤も、言葉というのは時代ごとに意味を変えていくものであるため、
誤用が一般に浸透した結果それが正しいと認識されることは往々にしてあるものである。