概要
ロシア連邦が保有する軍隊。旧ソ連の核兵器を含むソビエト連邦軍の主力を継承した。通称ロシア軍。
最高司令官はロシア連邦大統領。将兵の数は2016年時点で約80万人。
核戦力を保有している。海軍の原潜発射弾道ミサイル、空軍爆撃機による核爆弾or巡航ミサイル、戦略ロケット軍のサイロ型・車両発射型ミサイルなど。また陸軍が短距離弾道ミサイルに核を搭載しているのでは?という牽制作戦もとっている。
ソ連時代はアメリカを上回る核大国だったが、ソ連崩壊に伴い大幅に減少した。また米露は条約を結び中距離の核戦力を完全放棄している。
機構
3軍・2兵科(2015年8月1日〜)
ロシア連邦軍は、陸軍、海軍、航空宇宙軍の3つの軍種と、戦略ロケット軍、空挺軍の2つの独立兵科から成る。
- ロシア陸軍(Сухопутные войска)
- ロシア海軍(Военно-Морской Флот;ВМФ)
- ロシア航空宇宙軍 (Воздушно-Космические Силы ;ВКС)
- ロシア戦略ロケット軍(Ракетные войска стратегического назначения;РВСН)
- ロシア空挺軍(Воздушно-десантные войска;ВДВ)
かつては3軍・3兵科だった。
3軍・3兵科時代(〜2015年7月末)
- ロシア陸軍(Сухопутные войска)
- ロシア空軍(Военно-воздушные силы;ВВС)
- ロシア海軍(Военно-Морской Флот;ВМФ)
- ロシア戦略ロケット軍(Ракетные войска стратегического назначения;РВСН)
- ロシア航空宇宙防衛軍(Войска воздушно-космической обороны ;ВКО)
- ロシア空挺軍(Воздушно-десантные войска;ВДВ)
2011年から、ロシア宇宙軍はロシア航空宇宙防衛軍となり2015年に空軍と統合されて航空宇宙軍となった。
軍事行政単位 軍管区~2010年まで
- ロシア連邦軍は、次の6個軍管区(Военный округ)に分かれていた。
- モスクワ軍管区(Московский военный округ;МВО)
- レニングラード軍管区(Ленинградский военный округ;ЛенВО)
- 沿ヴォルガ・ウラル軍管区(Приволжско-уральский военный округ;ПруВО)
- 北カフカーズ軍管区(Северо-кавказский военный округ;СКВО)
- シベリア軍管区(Сибирский военный округ;СибВО)
- 極東軍管区(Дальневосточный военный округ;ДВО)
- カリーニングラード特別地区
2010年7月14日の大統領令により、以上の6個軍管区は、「西」「南」「中央」「東」の4個軍管区へと統合されることとなった。
この改革により、2010年10月までにロシアの軍管区制は以下のように変化した(大統領令では12月1日を移行期限としていたが、前倒しで達成された)。
(新)軍管区~2010年より
- 西部軍管区(旧レニングラード軍管区およびモスクワ軍管区)
- 南部軍管区(旧北カフカス軍管区)
- 中央軍管区(沿ヴォルガ=ウラル軍管区と旧シベリア軍管区西部)
- 東部軍管区(旧シベリア軍管区東部と極東軍管区)
これらの軍管区には、「作戦・戦略司令部(OSK)」としての資格が与えられ、域内の海空軍部隊を統一的に指揮することが可能になる。
戦略兵力である戦略ロケット軍、空挺軍、宇宙軍などについては最高司令部の直轄下に留めおかれOSKは指揮権を持たない。
準軍事組織
ロシア連邦(以後「ロシア」と表記)には、ロシア連邦軍の外、各省庁が管轄する準軍事組織が存在する。
これらは平時は各省庁が管轄するが、戦時は国防省の統制下に入る。
- 連邦保安庁(旧KGB) - 国境軍
- 内務省 - 国内軍
- 民間防衛問題・非常事態・自然災害復旧省 - 民間防衛軍
- 連邦警護庁 :大統領連隊や解散した政府通信・情報局の諸部門などを含む
- ロシア鉄道軍:現在はロシア連邦軍に編入