概要
ロシア連邦軍(ロシアれんぽうぐん、ロシア語:Воздушно-космические силы Российской Федерации、英語:Armed Forces of the Russian Federation、略称:ВС РФ、通称:ロシア軍)は、ロシア連邦が保有する軍隊。1992年5月に旧ソ連の核兵器を含むソビエト連邦軍の主力を継承して成立した。同国の国家元首である大統領が最高司令官である。
核兵器を保有しており、他にも海軍の原子力潜水艦発射弾道ミサイル・空軍の爆撃機による核爆弾又は巡航ミサイル・戦略ロケット軍のサイロ型及び車両発射型ミサイルなどがある。また、「陸軍が短距離弾道ミサイルに核を搭載しているのでは?」という牽制作戦も取っている。ソ連時代はアメリカを上回る核保有国だったが、1991年12月のソ連崩壊に伴って大幅に減少した。またアメリカと条約を締結して中距離の核戦力を完全放棄している。
機構
3軍・2兵科(2015年8月 - )
ロシア連邦軍は陸軍・海軍・航空宇宙軍の3軍種と、戦略ロケット軍・空挺軍の2種の独立兵科から構成される。かつては3軍・3兵科だった。
- ロシア陸軍(Сухопутные войска)
- ロシア海軍(Военно-Морской Флот、ВМФ)
- ロシア航空宇宙軍 (Воздушно-Космические Силы、ВКС)
- ロシア戦略ロケット軍(Ракетные войска стратегического назначения、РВСН)
- ロシア空挺軍(Воздушно-десантные войска、ВДВ)
3軍・3兵科時代( - 2015年7月末)
- ロシア陸軍(Сухопутные войска)
- ロシア空軍(Военно-воздушные силы、ВВС)
- ロシア海軍(Военно-Морской Флот、ВМФ)
- ロシア戦略ロケット軍(Ракетные войска стратегического назначения、РВСН)
- ロシア航空宇宙防衛軍(Войска воздушно-космической обороны、ВКО)
- ロシア空挺軍(Воздушно-десантные войска、ВДВ)
2011年12月から宇宙軍は航空宇宙防衛軍となり、2015年8月に空軍と統合されて航空宇宙軍となった。
軍事行政単位・軍管区( - 2010年7月)
- ロシア連邦軍は次の6個軍管区(Военный округ)に分かれていた。
- モスクワ軍管区(Московский военный округ、МВО)
- レニングラード軍管区(Ленинградский военный округ、ЛенВО)
- 沿ヴォルガ・ウラル軍管区(Приволжско-уральский военный округ、ПруВО)
- 北カフカーズ軍管区(Северо-кавказский военный округ、СКВО)
- シベリア軍管区(Сибирский военный округ、СибВО)
- 極東軍管区(Дальневосточный военный округ、ДВО)
- カリーニングラード特別地区
2010年7月14日の大統領令により、以上の6個軍管区は西・南・中央・東の4個軍管区へと統合されることとなった。この改革により、同年10月までにロシアの軍管区制は以下のように変化した(大統領令では12月1日を移行期限としていたが、前倒しで達成された)。
新軍管区 - 2010年10月より
これらの軍管区には「作戦・戦略司令部(OSK)」としての資格が与えられ、域内の海空軍部隊を統一的に指揮することが可能になる。戦略兵力である戦略ロケット軍・空挺軍・宇宙軍などについては最高司令部の直轄下に留め置かれ、OSKは指揮権を持たない。
準軍事組織
ロシア連邦にはロシア連邦軍の他に、各省庁が管轄する準軍事組織が存在する。これらは平時は各省庁が管轄するが、戦時は国防省の統制下に入る。
- 連邦保安庁(旧KGB) - 国境軍
- 内務省 - 国内軍
- 民間防衛問題・非常事態・自然災害復旧省 - 民間防衛軍
- 連邦警護庁 :大統領連隊や解散した政府通信・情報局の諸部門などを含む
- ロシア鉄道軍:現在はロシア連邦軍に編入されている。