概要
所属国 | ロシア連邦 |
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設置 | 1991年7月 |
初代 | ボリス・エリツィン |
任期 | 1期6年(最大2期12年まで) |
選出 | 国民の直接選挙 |
給与 | 773万4000ルーブル/月(2019年10月) |
ロシア連邦大統領(ロシアれんぽうだいとうりょう、ロシア語:Президент Российской Федерации、ラテン文字表記:Prezident Rossiyskoy Federatsii、英語:President of Russian Federation)は、ロシア連邦の国家元首たる官職。大統領は憲法と共に人間と国民の権利・自由の保証人であり、憲法と連邦法に従って内政・外交政策の主な方向性を決定する。
歴史
1991年3月に連邦共和国を維持するかの是非を問う国民投票が実施され、投票者の76パーセントが賛成に投票する結果に終わり、同年6月に史上初めて国民の直接選挙(1991年ロシア連邦大統領選挙)が実施された。1993年12月に新たな憲法が施行され、国家元首は大統領・任期は4年と規定されたが、ソ連時代の1978年4月に憲法改正が実施された時と比べて広大な権限を有している。
選出
国民の直接選挙で選出され、被選挙権はロシア国内に10年以上居住した35歳以上のロシア国民にあり、過半数に達する候補がいなければ上位2名で決選投票を実施する。当初の任期は1期4年だったが、2008年12月に憲法改正で1期6年になり、2012年ロシア連邦大統領選挙に当選した者に適用された。連続で就任できるのは2期12年までだが、他の者を挟めば何度でも大統領に当選できる。
2020年7月に憲法改正が実施され、任期は生涯2期12年としながらも、「過去の経験者はゼロから数える。」・「経験者は終身連邦院議員の資格を得る。」・「経験者とその家族は将来に渡って各訴追を免除される。」などプーチン大統領による独裁化・権力の保持を可能にした。
権限
フランスの半大統領制をモデルとしており、強大な権限を有している。
- 首相・閣僚などを指名・任免する(首相は国家院の承認が必要)。
- 国家院(下院)を解散する(国家院での内閣不信任が必要)。
- 大統領令を発令する。
- 議会で可決された法案を拒否する。
- 軍を指揮する。
- 戒厳令・非常事態宣言を発令する。
- 国民投票を実施する。
歴代大統領
全ての者がソ連時代に誕生しており、過去に共産党員を経験した。
代数 | 氏名 | 所属 | 与党 | 在任期間 | 特記事項 |
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初代 | ボリス・エリツィン | 無所属 | ロシア民主党 | 1991年7月 – 1999年12月 | 初代大統領。 |
第2代 | ウラジーミル・プーチン | 無所属 | 統一ロシア | 2000年5月 – 2008年5月(大統領代行:1999年12月 – 2000年5月) | エリツィン大統領から後継として指名され、国家主導型経済を推進した。 |
第3代 | ドミトリー・メドヴェージェフ | 無所属 | 統一ロシア | 2008年5月 – 2012年5月 | プーチンとは同じ大学の出身にしてその後輩である。 |
第4代 | ウラジーミル・プーチン | 無所属 | 統一ロシア | 2012年5月 – 現職 | 任期が2期12年となった後の最初の大統領であり、最大でも2024年5月まで在任できる。2020年7月に憲法改正が実施された事で、2036年5月まで続投できるようになった。 |
副大統領
1991年4月に副大統領が設置され、5年間の任期で大統領と共に単一の候補者として選出された。副大統領は大統領に代わって一定の権限を行使し、大統領が死亡・辞任・免職されたなどの場合にそれらが継承される。1993年12月に現在の憲法が発効した事で廃止され、アレクサンドル・ルツコイは最初で最後の副大統領となったが、その後は首相が第2位の公職に当たる地位となった。