概要
漫画『BLEACH』のアニメ版は2004年10月から始まり(約1/3のオリジナルを挟んで)2012年3月まで放送されたが、肝心のこの最終章「千年血戦篇」は含まれておらず、そのまま原作も完結してしまった。
それから約8年後の2021年8月に、原作の連載開始20周年を記念としたプロジェクト「face again」がスタートし、その一環として本章のアニメ化が発表された。
特徴・形式
原作者の総監修の基、原作漫画では最後まで明かされなかった謎や、原作ではカット・縮小した戦闘シーン等をアニメでは全て補完・拡大すると発表されている。
しかし一方で先生からは「流れを妨げるようならギャグシーンはカットしても構わない」という旨の指示があるとのことで、その他の細かい説明もカットされたり後述するアイキャッチで補完されるなど、1話につき原作4~9話分の速いペースで進むため、どちらかと言えば原作を読んでいる層向けとなっている。
これにより一部視聴者からは「千年血戦RTA」とも呼ばれてしまっている。
構成も変わっており、「死神図鑑」「破面大百科」のようなミニコーナーや「to be continued」が無くなり、次回予告としていわゆる巻頭詩(単行本からの流用と先生の書き下ろしと2種類ある)がボイス付きで流れるようになった。
また、アイキャッチとして入る作中用語などの解説は『進撃の巨人』と同じく映るのは一瞬だが長文なので、放送から数日後に公式サイトに追加されるのを待とう。
ポエムとアイキャッチは公式Twitterでも掲載されている。
キャストについて
旧シリーズからほとんどが続投。それに加えて初参加の声優も豪華。当時のアニメは出演者が一堂に会していた為、収録日によっては80人以上おり、他アニメの現場から「スケジュールに影響が出る」と文句を言われたらしい(出典)。
アニメだけを考えれば10年近くのブランクが開いているが、連載終了と同時期に始まり本篇の放送が始まった現在も配信されているスマホゲーム『Brave Souls』により絶え間なくキャラと接し続けられたため、声優陣はそれに対する感謝を度々言及している。
なお、前任の塚田正昭氏が2014年に亡くなった元柳斎、および本篇で初登場のキャラの一部は『Brave Souls』から引き続き担当している。
ネリエルは元のネル状態と声が同じだったが『Brave Souls』で変更され、本篇のクレジットで初めて声優が明かされた。
逆にドンドチャッカについては2010年に亡くなった郷里大輔氏がそのままクレジットされており、生前に収録されていた台詞を流用したライブラリー出演という形での続投となった(出典)。
各話リスト
分割4クールで全52話を予定しており、原作ラストまで描き切るとのこと。
また事前にはtwitter投票による旧シリーズセレクション放送が2022年7月から9月にかけてTOKYOMXとBS11で放送された。
サブタイトルはこれまでは日本語の文章が中心だったが、本作では原作のものをそのまま採用している。
これまでの話数はカラフルなアニメーションだったが、今作ではこれが白黒のシンプルなテキスト文字になった上、サブタイトルも作中に表示されるようになった。
サブタイトルは必ずオープニングのすぐ後に出るとは限らず、アイキャッチ前、エンディングの直前に出ることも多い。普通に本編の映像にしれっと混ざっていることも。
サブタイトルの原作の雰囲気準拠の演出はオサレとしか言いようがない。
第1クール
運命を砕く 力はきっと
振り下ろされる 刃に似ている
2022年秋アニメとして、テレビ東京系列全6局とBSテレ東の毎週月曜深夜24時枠にて放送された。このほか仙台放送、テレビ静岡(いずれもフジテレビ系列局)、新潟放送、熊本放送(いずれもTBS系列局)、広島テレビ(日本テレビ系列局)でも放送された。
また後述する第2クール直前となる2023年4月期には同じジャンプ原作・studioぴえろ制作の『BORUTO』第一部の後番組として、テレビ東京系列で副音声ガイド付きのアンコール放送が行われた。
こちらでは日曜夕方という放送時間を鑑み、毎回冒頭で「演出上一部過激な描写が含まれております。」といった注意喚起が表示された。
# | サブタイトル | 次回予告 | CV | 原作話 |
---|---|---|---|---|
1 | THE BLOOD WARFARE | ユーハバッハ | 菅生隆之 | 480~484 |
2 | FOUNDATION STONES | キルゲ・オピー | 山寺宏一 | 485~488 |
3 | MARCH OF THE STARCROSS | 日番谷冬獅郎 | 朴璐美 | 489~494 |
4 | KILL THE SHADOW | 雀部長次郎忠息 | 山口太郎 | 495~499 |
5 | WRATH AS A LIGHTNING | 山本元柳斎重國 | 高岡瓶々 | 500~505 |
6 | THE FIRE | 朽木白哉 | 置鮎龍太郎 | 506~510 |
7 | BORN IN THE DARK | 志波空鶴 | 平松晶子 | 511~514 |
8 | THE SHOOTING STAR PROJECT〔ZERO MIX〕 | 更木剣八 | 立木文彦 | 515~519 |
9 | THE DROP | ??? | ??? | 520~524 |
10 | THE BATTLE | 黒崎真咲 | 大原さやか | 525~527 |
11 | EVERYTHING BUT THE RAIN | ??? | ??? | 528~532 |
12 | EVERYTHING BUT THE RAIN JUNE TRUTH | 斬月 | 菅生隆之 | 533~537 |
13 | THE BLADE IS ME | - | - | 538~542 |
※第12・13話は本放送では1時間SP。そのため13話の予告は公式サイトや分割の配信・再放送バージョンで見ることができる。
第2クール・訣別譚
運命を辿る 心はきっと
引きしぼられた 弓矢に似ている
2023年夏アニメとして、テレビ東京系列全6局の毎週土曜23時枠にて放送された。このほか仙台放送、テレビ静岡、新潟放送、広島テレビ、さらには1ヶ月遅れながらアニマックスなどでも放送された。
師匠と森田氏との対談によると原作には無い新規のバトルも描くとのことで、本篇から半年後を描いたスピンオフ小説が初出である平子の卍解、さらにバンビーズや零番隊の戦闘シーンなどが追加された。
# | サブタイトル | 次回予告 | CV | 原作話 |
---|---|---|---|---|
14 | THE LAST 9 DAYS | 松本乱菊 | 松谷彼哉 | 543~546 |
15 | PEACE FROM SHADOWS | バンビエッタ・バスターバイン | 竹達彩奈 | 547~551 |
16 | THE FUNDAMENTAL VIRULENCE | 狛村左陣 | 稲田徹 | 552~554 |
17 | HEART OF WOLF | 鳳橋楼十郎 | 樫井笙人 | 555~560 |
18 | RAGES AT RINGSIDE | エス・ノト | 松岡禎丞 | 560~565 |
19 | THE WHITE HAZE | グレミィ・トゥミュー | 花江夏樹 | 565~570 |
20 | I AM THE EDGE | キャンディス・キャットニップ | 内山夕実 | 571~579 |
21 | THE HEADLESS STAR | - | - | 579~587 |
21.5 | THE BLOOD WARFARE, SEPARATION[INTERLUDE] | ジゼル・ジュエル | 東山奈央 | 総集編 |
22 | MARCHING OUT THE ZOMBIES | 涅マユリ | 中尾隆聖 | 588~591 |
23 | MARCHING OUT THE ZOMBIES 2 | 二枚屋王悦 | 上田燿司 | 592~597 |
24 | TOO EARLY TO WIN TOO LATE TO KNOW | 兵主部一兵衛 | 楠見尚己 | 598~601 |
25 | THE MASTER | 修多羅千手丸 | 佐藤利奈 | 602〜609 |
26 | BLACK | - | - |
※第25・26話は上記12・13話と同様。
第3クール・相剋譚
笑え
希望に満たされていろ
この世界は天秤だ
何ものかが希望に満たされれば
他の何ものかが絶望する
だから
決して絶望するな
これ以上無い程の希望に包まれていろ
我々以外の全てを
絶望に沈める為に
〜ユーハバッハ(CV:菅生隆之)、ユーグラム・ハッシュヴァルト(CV:梅原裕一郎)〜
2024年秋アニメとして、引き続きテレ東6局ネットの毎週土曜夜11時枠にて放送。なお、初回放送日である10月5日は、20年前に旧シリーズの放送が始まった日でもあり、冒頭で記念PVが流れた。
原作では後半全体が「訣別譚」とされており、副題は新しく付けられた。
# | サブタイトル | 次回予告 | CV | 原作話 |
---|---|---|---|---|
27 | A | ユーハバッハ | 菅生隆之 | 609〜611 |
28 | KILL THE KING | 浮竹十四郎 | 石川英郎 | 612〜615 |
29 | THE DARK ARM | 黒崎一護&石田雨竜 | 森田成一&杉山紀彰 | 615〜618 |
30 | THE BETRAYER | 藍染惣右介 | 速水奨 | 618〜620 |
31 | AGAINST THE JUDGEMENT | グリムジョー・ジャガージャック | 諏訪部順一 | 621〜624 |
32 | THE HOLY NEWBORN | 阿散井恋次 | 伊藤健太郎 | 625〜629 |
33 | GATE OF THE SUN | 涅マユリ | 中尾隆聖 | 629〜630、635 |
34 | BABY,HOLD YOUR HAND | 635〜 |
主題歌
オープニング
原画展のイメージソングも担当している。
初のアニメタイアップ。
「まさか、子どもの頃からジャンプやTVアニメで観てきたBLEACHの主題歌をやれるとは思っていなかったので、嬉しい」とコメントしている。
- 第3クール:SIX LOUNGE『言葉にせずとも』
エンディング
- 第1話:キタニタツヤ『Rapport』
放送前に開催された初の原画展のテーマソング。
プロデューサーは数多くのアニメ関連楽曲を手掛ける澤野弘之。
第7話はスペシャルバージョンで、放送前日に発売のジャンプ本誌に掲載された作者書き下ろしのポスターで判明した初代護廷十三隊のメンバーを中心にしたもの。
最終第13話も、現隊長は隊花と、主要キャラもそれぞれのイメージ花とともに描かれた長尺バージョンとなっている。
「子供の頃の自分に教えてあげられたらいいのに」とこちらもコメントしている。
最終第26話はダイジェスト付きの長尺バージョン。
- 第3クール:水槽『MONOCHROME』
第33話では映像のみが逆再生となっている。
スタッフ
原作・総監修 | 久保帯人 |
---|---|
総監督 | 田口智久(第3クール) |
監督 | 田口智久(第1・2クール)→ 村田光(第3クール) |
チーフ演出 | 村田光 / サトウ光敏(第1・2クール)→ 陳達理(第3クール) |
シリーズ構成 | 田口智久 / 平松正樹 |
キャラクターデザイン | 工藤昌史 |
プロップデザイン | 宮川治雄 |
美術監督 | 谷岡善王 |
美術設定 | 天田俊貴 |
色彩設計 | 合田沙織 |
編集 | 三嶋章紀 |
撮影監督 | 山田和弘 |
CG監督 | 佐々木俊宏 / 後藤和史 |
音響監督 | 長崎行男 |
音楽 | 鷺巣詩郎 |
音楽プロデューサー | 山内真治 / 佐藤成俊(第1クール)→ 足立和紀(第2クール) |
音楽制作 | アニプレックス |
プロデューサー | 根岸弦輝 / 圡方真 / 本多祐 / 富永禎彦(第1・2クール)→ 柳川あかり / 浅原桃子(第3クール) |
アニメーション制作 | studioぴえろ(第1・2クール)→ PIERROT FILMS(第3クール) |
製作 | 集英社 / テレビ東京 / 電通 / ぴえろ |
反響・評価
レビューサービス「Filmarks」がサービス内のデータに基づいて発表した「2022年秋アニメ 満足度ランキング」では、『サイバーパンク:エッジランナーズ』に次ぐ2位にランクインした。
海外メディア「Anime Corner」が2022年秋アニメを対象に実施した「Fall 2022 Anime of the Season Rankings」では1位を獲得した。
同メディアが主催した「2022 Anime of the Year Awards」では、最優秀作品賞に当たるアニメ・オブ・ザ・イヤーで『進撃の巨人 The Final Season Part 2』に次ぐ2位を獲得したほか、アクションアニメ賞で2位、最優秀アニメーション賞で3位、最優秀脚色賞で1位に選出された。
海外メディア「Anime Trending」が2022年秋アニメを対象に実施した「FALL 2022 ANIME AWARDS」では6位となった。
世界最大級のアニメ・マンガコミュニティ「MyAnimeList」では、9.14のスコアを得た本作が『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』、『ぼっち・ざ・ろっく!』などのタイトルを抑え、2022年のトップアニメに選ばれた。
中国のソーシャル・カルチャー・サイト「Douban」が発表した2022年の各種ランキングでは、9.7のスコアを得た本作がテレビアニメ部門で1位を獲得した。
レビューサービス「Filmarks」がサービス内のデータに基づいて発表した「2023年夏アニメ 満足度ランキング」にて1位を獲得した。
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特報
第一弾予告映像
第二弾予告映像
第2クール予告映像1
第2クール予告映像2
第3クール予告映像1
第3クール予告映像2
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ANIMATION MV
上記主題歌とは別に用意された楽曲を用いた特別映像。
キタニタツヤ『永遠』
SennaRin『Reapar』