概要
主に里山や海辺に生息し、「ピーヒョロロ」という独特の鳴き声を発する。猛禽類の鳴き声と聞いて多くの日本人はこれを連想するようで、映像作品の効果音では種類に関係なく猛禽類の鳴き声に使われる事が多い。
翼長は1m前後で、猛禽類としては中型とされる。
獲物を探したり縄張りを偵察する際などに、上昇気流に乗り羽ばたかずに上空で円を描いて漂うように飛ぶという独特の飛行方法を見せる。
食性は肉食。タカ科の中で唯一狩りではなく屍肉漁りを中心とした食生活を送る。言い換えれば、楽して食べられればどんな物でも食べるため、しばしば生ゴミから肉などを選びわけて食べたりもする。
オーストラリアは乾燥しているためよく自然と火事が起こるが、そこから燃えている枝などから火種を得て、他の場所に放つ行動が確認されている。
これは、火事で逃げ惑う小動物を狩るためと言われ、トビの知能の高さがうかがえる。
放火が論文として出されたのは最近だが、先住民の方々は古くから知っていたらしく、昔話にも普通に登場する行動である。
余談
上述した死骸、ゴミ漁りの生態もあってか、基本的に勇猛果敢なイメージのタカ科の中では格下とする見方もあったらしい。
「鳶が鷹を産む」と言えば取り柄のない親から優れた子が生まれることを指すことわざだが、とんびにどんなイメージがあったかを如実に示している。
注意!
昔から「鳶に油揚げをさらわれる」(=いきなり横取りされる)という言葉があるが、今でも海水浴場や公園のバーベキュー場、河川敷の公園などではトビにより人間の食べ物を奪われる被害が多発している。
人から物を強奪する際は死角である背後から襲撃をかけ、爪や嘴で負傷する危険性もある。
トビ被害が起きやすい場所で食事をする時は、壁などの障害物を背にして立ったり色付きの傘をさしてトビの視界を遮ること。また、スマートフォンやマスクなど口の近くに掲げた物も獲物と認識しているため、フィギュアの屋外撮影なども同様に警戒した方がよい。
また、トビのこうした行動は餌をやる人間がいたことも大きな原因のため、絶対に餌をやってはいけない。