概要
別名ハルパゴルニスワシ。
新生代第四紀のニュージーランド南島に生息していたタカ目タカ科の鳥類。
翼開長は最大で3mと推定され、これまでに発見されたタカ科では最大である。身長(正確には全高)もメスでは140センチを超えた。現在のオウギワシのような姿の巨大ワシだが、ワシ・タカ類の中でも最小級のヒメクマタカに最も近いワシ・タカ類である。
胸の筋肉が発達しているため上昇気流を利用した滑空だけでなく、積極的に羽ばたき飛行をしていた可能性も考えられる。多くの大型鳥類は自力で飛び立つことができないが、ハーストイーグルは全身が極めて筋肉質であるため、地面からジャンプして飛び立つこともできたという説もある。
食性は肉食。ニュージーランドには在来の大型陸棲哺乳類が存在しないため、独自の進化を遂げた飛べない鳥などを主食としていた。中にはジャイアントモアを食べた跡も発見されているが、狩りをして仕留めたのか死骸を漁ったのかは分かっていない。
マオリ族が入植し、モアなどの数が激減・絶滅した1500年ごろに、餌不足などの要因で絶滅したと思われるが、探検家チャールズ・ダグラスが旅行記に1870年代に「渓谷にて超巨大な猛禽類と遭遇し射殺、これを食べた」と書いており、その頃まで生存していた可能性もある。
- これはチュウヒだと反論する声もあるが、当時ニュージーランドではチュウヒも絶滅していたはずであり、それはそれで大発見である。
なお、マオリ族では「パウアカイ」という超巨大ワシの伝承が残っており、概ねハーストイーグルの特徴と一致することから、伝承の元はハーストイーグルではないかという説がある。この伝承では、人間も襲われて捕食対象になっていたという記述がある。
関連タグ
マウイ:『モアナと伝説の海』に登場した際は、変身する大鷲がハーストイーグルをモチーフにしているのではないかという声があった。
ファイアロー:とある動物図鑑のイラストでは、ハーストイーグルの色付けがファイアローと瓜二つのものがあった。(マオリ族の伝承に「白、黒、赤の体色で、黄色または緑がかった黒色の羽を持ち、頭頂には赤い羽根の束があった」とあり、それに由来する復元図だろう。)