概要
ディズニーのフルCG長編アニメーション映画。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作による56作目の映画となる。
原題は『Moana』だが一部の国々では『Vaiana(タヒチ語で「洞窟の水」の意)』や『Oceania』(イタリア語版)。
- こうなった理由は、とある香水の商標とバッティングしたり、某国のポルノ女優との名前が被ったからである。
ポリネシア神話を題材にするのは以前からの計画であったらしい。ハワイ・ニュージーランド・タヒチ・トケラウなどのポリネシアの意匠が目立つ。当然、マオリ人・サモア人・ラピタ人など文化的なモデルだろうと推測される民族も多様である。
後に『ムーラン』の実写版を監督したニキ・カーロによる『クジラの島の少女』の影響を強く受けているとされており、同じくディズニーが関与した『ウェイ・オブ・ウォーター』にも影響を与えたとされている。
当初は、もっと暴力的な内容のストーリーであったらしい。また、血を分けた親戚であり怨敵であるドリームワークス作品との類似性を指摘する声もある。
監督は『リトルマーメイド』・『アラジン』・『プリンセスと魔法のキス』などを手がけたロン・クレメンツとジョン・マスカーのコンビ。
2016年11月23日にアメリカ合衆国で公開され、日本では4ヶ月遅れの2017年3月10日に公開された(海外でのDVDの発売は2017年3月7日)。
主人公のモアナの声優は、大規模なオーディションによりハワイ系の14才の無名の少女、アウリイ・クラヴァーリョが抜擢された。これを受け、日本語版の吹き替えを担当する声優も、オーディションで沖縄出身の屋比久知奈が抜擢された。
マウイ役は、ポリネシア民族の血縁であるドウェイン・ジョンソンが担当している。
他、原語版では、例えばタラ役やトゥイ役やタマトア役など他の声優にもニュージーランド出身の俳優や女優などがキャスティングされている(参照)。
ニュージーランド出身であり、MCUシリーズの『ソー・ラグナロク』を監督したタイカ・ワイティティも制作に参加している。
シリーズ化
- 2019年には続編である『モアナと伝説の海2』の制作が決定した。公開日は2024年11月27日。日本では同年12月6日。当初はテレビシリーズにする予定だったが、『モアナ』の人気の高さで劇場版の制作に至ったとされている。
- 2023年には実写版の制作が決定したと報道された。こちらも人気の高さ故に実現しており、2026年の公開を目指している。なんとこちらのマウイもドウェイン・ジョンソンが演じる予定。
主題歌
How Far I’ll Go
主題歌『How Far I’ll Go~』(日本語版は『どこまでも』)はアカデミー賞の主題歌賞にノミネートされた。
アウリイ・クラヴァーリョ版。
ED版。
マオリ語版。あくまでもポリネシア言語版の一つであり、トケラウ語等の他のバージョンもある。
また日本版のエンドソング版は加藤ミリヤが担当する。
あらすじ
かつて世界に海しかなかった時、女神テ・フィティは、生命を生み出す"心"で、多くの島々とそこに住む生命を生み出すと、眠りにつき、自身も島と化した。
だが、テ・フィティの心を狙う魔物達がいた。
その中の一人、人間にして風と海の神マウイはテ・フィティの心を盗み出したため、世界には生命を奪う"闇"が解き放たれた。
マウイも、魔物の中でも特に強力な悪魔テ・カァに倒され、彼が持っていたテ・フィティの心は海の底へ沈んでしまった。
そして世界には、生命を脅かす闇と怪物たちの脅威が今でも広がり続けている……。
……という伝説を、モトゥヌイの子ども達は聞いて育つ。
殆どの子は怖がって海に出ようとはしなくなるが、村長の娘モアナだけは海の向こうに強い興味を持っていた。
だが珊瑚礁を越えた海の先は行くことは、村の掟で固く禁じられている。
モアナも次第に気持ちを押し殺し、次期村長としての勤めに専念するようになっていった。
モアナが16歳になった頃、島のココナッツが病気になり、島の周囲から魚が全く獲れなくなってしまう。
伝説の"闇"が、モトゥヌイまで侵食しつつあることが原因だと知ったモアナは、心をテ・フィティに返し、闇を止めるため、遂に大海原へ旅立つ。
待ち受けているだろう悪魔テ・カァと戦うために、心を盗んだ罪を償わせるために、まずは半神マウイを仲間に加える必要がある。
こうして海に選ばれた少女モアナの冒険、そして英雄マウイの新たな伝説が始まった。
登場キャラクター
モアナ・ワイアリキ
マウイ
海
キーキャラクターであり、意思を持つ存在。モアナの幼い頃の出来事により、モアナの「友達」となる。
まだ幼いモアナの元に、テ・フィティの心を送り届けた。
会話は出来ないが、嵐に遭ったモアナを目的地まで送り届けたり、モアナが海に落ちると舟まで運んでくれたりと、モアナに献身的に尽くす。また、過去にマウイをも救っているため、おそらくマウイも「海」の存在をモアナに出会う以前から認識していた。
タラ
モアナの祖母。島の歴史や伝説を子どもたちに言い聞かせたり、海と一人戯れていることで村では変わり者として扱われているが、モアナの夢を唯一応援している。エイと交流することができる。
背中にマンタのタトゥーを彫っており、自分が死んだらマンタになるのだと言う。
ヘイヘイ
プア
カカモラ
タマトア
テ・カァ
大地と炎の荒神もしくは悪魔。流動する溶岩の体を持つ、恐ろしげな火山島の化身とでもいうべき存在。
マウイ同様、テ・フィティの心を求めるとされる。伝説では、テ・フィティの心を盗んだマウイを倒し、その際魔法の釣り針とテ・フィティの心は海に沈んで行方知れずとなったと伝わっている。
テ・フィティ
地母神。
この世に海しか存在しない時代に、島々に命を生み出し広めた偉大なる女神。
通称「母なる島」。
神秘の力を秘めた「心」を持ち、その力を求めた者たちによって狙われた。
小ネタ
- 『アナと雪の女王』のマシュマロウとスヴェンとオラフの鼻と手、『ズートピア』のフラッシュなどがカメオまたは友情出演している(公式設定)。また、『アラジン』のジーニーのランプ、『シュガー・ラッシュ』のレック・イット・ラルフと『ベイマックス』のベイマックスも器物として登場。マシュマロウはゴジラへのオマージュでもある。
- 『ズートピア』にも、フィニックのヴァンにマウイの釣り針があったり、販売されていたDVDに『モアニャ~』があったりする。
その他
- 本来なら、ハカをフィーチャーする歌が挿入されるはずだったがキャンセルされた。ラロタイで、マウイとモアナがハカを踊るが怪物たちに見つかるという話であった。