概要
2009年に公開された、今のところディズニー最後の2Dアニメーション映画。日本では2010年に公開。
原作はグリム童話『かえるの王さま』だと思われがちだが、2002年に出版されたメリーランド州の作家E.D.ベイカーのジュブナイル小説『カエルになったお姫様』。ただし、劇中話に『かえるの王さま』を引用している。従来のディズニー映画のオマージュやパロディを多く含んでいるのも特徴。
舞台は1920年頃のアメリカ・ニューオーリンズのジャズ音楽が飛び交う黒人街。ディズニー初の黒人のプリンスとプリンセスが話題になった。ハリウッドでは悪役扱いされがちなブードゥー教徒をヴィランサイドと主人公サイドの両方に登場させた本作は、コメディとシリアスがバランス良く配分されたエンターテイメント性の高さで高い評価を受けている。
ディズニーでは数少ない、親以外の仲間の明確な死(死と再生による救済)が描かれた作品である。
あらすじ
ニューオーリンズのフレンチ・クオーターに住む働き者の少女ティアナは、ある夜人語を話すカエルに出会った。カエルは、自分が魔法をかけられた王子のナヴィーンだと名乗る。ティアナがたまたまプリンセスの仮装をしているウエイトレスだと知らないナヴィーンは、ティアナにこう頼んだ。「魔法を解けるのはプリンセスだけだ。だからプリンセスのキスで僕を人間に戻してくれ」―――
ティアナは躊躇の後、長年の夢のレストランを開く資金と引き換えにキスしたが、ナヴィーンは人間に戻らない。それどころか、ティアナまでカエルに変わってしまう。ナヴィーンは大金持ちの娘シャーロットと結婚するため、ティアナはレストランを開く物件の支払いをするため、一刻も早く魔法を解かなくてはならない。二人(二匹?)はジャズ奏者を夢見るワニのルイスや星に恋する蛍のレイと共に、ブードゥーの魔術師ママ・オーディを探す旅に出かける。
登場キャラクター
ティアナ
本作のヒロイン。幼い頃から料理を得意とし、亡き父に代わり自分のレストランを持つことを夢見ている。貧しくとも明るく生真面目な性格。ナヴィーンを詐欺師呼ばわりして衝突ばかりしていたが、次第に彼への見方を変えていく。
ナヴィーン
(吹き替え:丹宗立峰)
架空の王国マルドニアの王子。甘やかされて育った楽天的なお調子者。奔放ぶりに親からは勘当されているが、そのことは世間には知られていない。今は一文無しで、大金持ちの娘との結婚を望んでいる。
Dr.ファシリエ
(吹き替え:安崎求)
本作のヴィランズ。通称"影の男"。ブードゥーの秘術を操り、ナヴィーンをカエルに変えた張本人。
シャーロット・ラバフ
ティアナの親友でラバフの一人娘。幼いころから王子と結婚してプリンセスになることを夢見ている。
ルイス
(吹き替え:小林アトム)
トランペットを吹き、プロのジャズ奏者を夢見るワニ。ワニの姿では人間に怖がられてしまうので人間になりたいと願い、ティアナとナヴィーンと共にママオーディの家を目指す。
レイ
(吹き替え:駒田一)
星をエヴァンジェリーンと呼んで恋する蛍。ティアナたちをママ・オーディの家に案内してくれる。本名はレイモンド。
イーライ・ラバフ
(吹き替え:玄田哲章)
砂糖工場を経営するニューオーリンズで一番の大金持ち。愛称はビッグ・ダディ。ニューオーリンズ・マルディグラでは5年連続でカーニバル・キングに選ばれている。
ローレンス
(吹き替え:石住昭彦)
ナヴィーンの従者。ファシリエの甘言に乗って魔法でナヴィーンに成り代わり、シャーロットとの結婚を企む。
ママ・オーディ
(吹き替え:荒井洸子)
沼地に住む197歳のブードゥー・クイーン。ティアナとナヴィーンに呪いの解き方を教えてくれる。盲目の老婆で、ペットの大蛇ジュジュを杖代わりや盲動蛇?に連れている。