- 飛翔能力を持たない鳥。代わりに泳いだり、走ったりできる。
- ゆずの楽曲タイトル
概要
鳥の特徴といえば、「口に歯がなくてくちばしになっている」「独特の足」「羽毛」等があるだろう。
しかし何といっても「翼を持ち、空を飛ぶこと」こそ鳥のイメージ。
だがいくつかの鳥類はその能力を失っている事から「飛べない鳥」と呼ばれる。
鳥類学者の川上和人は、飛行には多くの体力を擁するため、鳥は基本飛ぶことが好きではなく、飛ぶ必要がないと飛ぶことは少ないとしている。
実際家庭で飼われている鳥は飛べるヤツでも歩いて移動することが増えることや、屋外でも地上で食事を取る系の鳥が普段歩いて移動していることからも覗える。
というかなぜ鳥が飛ぶかといえば、最大の理由は天敵から逃げるため。
海鳥や猛禽類のようにエサを捕るためという理由が大きいヤツもいるが、元々は地上にいる捕食者たちから身を守るためでもあるのだ。
なので天敵がいない環境ではその必要が無くなり飛行能力を捨てる鳥も多く、その最たる例がニュージーランドや、ディンゴの人為的な侵入まで天敵の居なかったオーストラリア、そして厳しい環境が天敵を寄せ付けない南極付近であり、これらの地域には飛行能力のない鳥が多い。
現在は捕食動物が多いアフリカに住んでいるダチョウも、誕生時はまだ捕食動物が入ってくる前であり、その走力で逃げられたため飛ぶ必要が発生しなかった。
彼らは総じて翼が退化しているが、これは単に環境に適応するためにそれぞれ独自の進化を遂げた結果であり、種として弱くなったというわけではない。
例えば、先述のダチョウは飛べない代わりに強力な脚力を発達させ、ライオンやハイエナが闊歩する草原でも逞しく生き残っている。ペンギンはどんな鳥よりも泳ぐのが上手く、水中では魚を華麗に捕らえ、南極で最も繁栄している生き物である。
現在は絶滅寸前で、100羽にも満たないカカポ(フクロウオウム)も、かつては100万羽を超える数がいたという。本来犬や猫がいないニュージーランドに住むカカポにとって、立ち向かうべき敵は鷹の仲間であった。
カカポは、自由自在に飛び回る鷲に対して、空で対抗することをやめて、地上での生活を選んだ。身体は森林に溶け込む保護色を持つようになり、危険を感じるとじっと動かない行動を身に着けたことにより、視力に頼る鷲の目を欺き、繁栄していったのである。
飛べない鳥の能力
「飛べない鳥」と一口に言っても、多種多様な飛べない鳥がおり、彼らの能力は一定ではない。
モアのように翼すら無くなった事例もあれば、カカポや鶏のように、高いところから降りる時は滑空する程度の事はできる種類もいる。
勿論、飛行能力を捨てた事でメリットを獲得したものもいる。
例えば鳥の骨は軽量化のために骨がスカスカになっているが、ダチョウやキーウィの骨は骨髄がギッシリ詰まっているので非常に頑丈である。
また、前述のカカポやガラパゴスコバネウは脂肪を体に貯めこんでおく事で寒さに強くなっていたり、ダチョウなど大きな卵を産む事で雛が生き残りやすいといった利点も持つ。
主な飛べない鳥
人間に飼われる鳥(家禽)
地上を走る鳥(走鳥類)
水中を泳ぐ鳥
森林地帯での地上生活に適応した鳥
関連イラスト
関連タグ
プニバード族:アニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』に登場する「飛べない鳥」の種族。