概要
鳥綱タカ目ミサゴ科ミサゴ属に属する鳥の一種。
タカ科に含めることもあり、それでも単系統性からは問題ない。しかし、形態、核型、遺伝子距離、化石記録の古さから、科レベルに相当する差異があるとされる。
全長60センチメートルほどで翼が細長く、背は濃い褐色で腹が白い。海岸や湖沼が傍にある場所に棲息。魚を専門に食べる唯一の鷹で、獲物を見つけると水面に急降下し、足で掴みとって食べる。その際、水に飛び込む音を「ビシャゴ」と現わしたのが転化して「ミサゴ」と言う鳥の名になった。
また、羽には油分がある為、翼が水に濡れても問題なく飛び上がる事が出来、爪もX字に変形させる事で獲物をガッチリとホールドして離さない。しかし、ガッチリとホールドしすぎるのも考えものであり、掴んだ獲物が大きすぎたり、重かった場合、そのまま溺死してしまうこともあるという…。
尚、アメリカのベル社とボーイング・バートル社が共同で開発した軍用機「V-22」の通称「オスプレイ」(Osprey)は、英語圏でのミサゴの呼び名からつけられた。
また、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のシアトル・シーホークスのシーホークもミサゴの別名の1つである。
ミサゴ鮨
この鳥については、その食性が所謂「寿司」の発祥になったと言う伝説がある。
つまり、ミサゴが捕らえて岩陰などに置き去りにした魚に潮水がかかって自然に醗酵し、酢漬けのような状態になって旨味が増したものを人間が見つけて食したのが寿司の起源である、と言うものである。この「置き去りにされて醗酵した魚」を「ミサゴ鮨」と言う。
但し、ミサゴには貯食の習性はない(捕らえた獲物は直ぐに食べてしまう事が多い)し、置き去りにされた魚は他の鳥の餌になる事が多いので、実際にこうした「ミサゴ鮨」が存在するかどうかは不明である。
尤も、伝承としてはかなり普遍的だったらしく、この伝承に因み「みさご鮨」の屋号を持つ寿司屋は全国に少なからず点在している。