概要
キチェ・マヤ族に伝わる神話に登場する神々の敵対者とされる巨人。
その名は“七匹のオウム”という意味を持ち、“ヴクヴ・カキシュ”とも表記される。
エメラルドの歯を持ち、金と銀で出来た輝く体は地平線にまで届く程であったとされ、一説には怪鳥の姿をしていたのではないかとされているらしい。
また、ナンセという木になる白いさくらんぼが主食で、チマルマトという名の妻とカブラカンという名の子供がいたとされる。
神々が人間たちを創造するより遥か太古の昔より存在していた存在で、乱暴者で怒りっぽい上に、自身を「太陽であり、光であり、月である」と称し、自身が世界の中心であると信じて疑わない大変傲慢な性格の持ち主であり、神々が人間たちを創造しようとしている事を知ると、これから誕生する人間たちの支配者に成ろうと企む。
そんな彼の余りにも傍若無人な態度に腹を立てた双子の英雄フンアフプーとイシュバランケーは彼らの一族を討ち取ろうと戦いを挑むも一度目は逆に返り討ちにされ、命からがら敗走しまう。
辛うじて逃げ延びた2人は、先の戦いでヴクブ・カキシュの強さの秘密はそのエメラルドで出来た歯に秘密がある事に気が付き、一計を案じる。
一方、そんな事は露知らずヴクブ・カキシュは双子との戦いで負った傷が元で歯痛に悩まされていたが、そこに治療師を装った双子が現れ、そうとは気づかずにまんまと騙されたヴクブ・カキシュは2人に歯の治療を任せてしまい、力の源であった歯は全て抜かれてトウモロコシの粉で作った歯にすり替えられ、さらに目玉もついでに治療すると偽った2人に抜き取られてしまい、衰弱死してしまった。
なお、命を共有していなのか妻のチマルマトも夫の死と同時に息絶え、残された息子たちも2人の活躍によって討ち取られ、ヴクブ・カキシュの一族は滅び去ったという。
