概要
東海地方を遊歴中に海で溺死してしまった炎天の末娘・女娃の化身とされる小鳥。
中国語ではチンウェイ(Jingwei)と呼ぶ。
「チンウェイ、チンウェイ」と鳴く事からこの名が付いたとされる、頭に野の花の文様が有る、白い嘴と、履いていた赤い靴が変化したといわれる赤い色の足を持つカラスに似た鳥で、自身が命を落とす事になった恨みを晴らすべく、東海を埋め立ててしまおうと常に西山の木の枝や小石をついばんでは、海を埋め続けているといわれている。
また、中国の短編小説集『述異記』によれば精衛は帝女雀(ていじょじゃく)とも呼ばれたといい、溺死した東海に注ぐ川の精衛誓水処の水は決して飲まない事を誓っており、それ故に誓鳥(せいちょう)、志鳥(しちょう)、又は冤禽(えんきん)という別名で呼ばれる事もあったという。
なお、精衛は海燕との間に子を産むが、その雛は雌鳥だと精衛に、雄鳥だと海燕に似た姿に育つとされている。