メジロ科の総称
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種としてのメジロ
- 主な特徴
なんと言っても目の周りの白いリングが特徴で、メジロ(目白)という名前はここから来ている。ちなみに目の周りが黒いメグロという鳥もいる。
また秋から冬にかけては繁殖期で、群れをつくって行動する。その様子から「目白押し」という言葉が生まれた。
大きさは12㎝くらいでスズメ(15㎝くらい)より小さく、日本産の小鳥ではひときわ小柄。
※一番小さいのは10cmのキクイタダキ。ちなみに世界一小さい鳥はマメハチドリで、たったの5cm前後しかない。
また雌雄でほぼ同じ色をしており、体の上面が抹茶色で下面は白く喉元が黄色、嘴は黒くて長めというカラーリングをしている。しかしオスの方が多少黄色味が強く、お腹にも黄色い一本線があるのでそれさえ押さえておけば識別はしやすい。
- 生息圏
基本的にはその地域に定住しているが、場所によっては季節によって山間部と平野を行き来する(漂鳥という)。
また全国的に広く分布し、市街地でもみられるため、バードウォッチング入門に適している。ベランダにでも果物を置いておけば食べに来るかも(特にミカンが好きな模様)。
ただし鳥獣保護法に引っ掛かるため、捕まえて飼ってやろうとか思わないこと(2011年くらいまではペットとして流通もしていたが、密猟・密売などが問題視されていた事から翌12年以降原則飼育不可・捕獲も禁止となってしまった)。
- たべもの
植物食寄りの雑食で、花の蜜や果物(果実)の他、小さな昆虫も食す。ちなみにメジロのベロは先端がブラシ状になっており、ホバリングしながら器用になめ取る。
ホバリングはハチドリを思い浮かべる人も多いだろうが、これができる鳥はハチドリやメジロの他にもカワセミ、ミサゴ、ヒヨドリにチョウゲンボウなどがいる。
- ウグイスとメジロ
昔から混同されてきたこいつら。大きさこそ同程度だが、鳴き声、色合い、生息環境、食べ物……比べてみれば、違いの方が格段に多い。
ちなみにウグイスはご存知「ホーホケキョ」、メジロは「チュピチュピチュピー」で全然違う(あとウグイスは普段はカッカッカッと舌打ちのように鳴き(地鳴き)、リリリリリ……(谷渡り)という鳴き方も持っている)。
早春の訪れを感じさせるとして好まれるモチーフだが、実はこの絵柄はメジロが誤認されたもの。
メジロならいざ知らず、ウグイスの場合は
「肉食系(昆虫食)なので蜜はいらない」
「警戒心が強く、人前にはほぼ出てこない」
「笹・竹のある藪を好み、そうした場所の側でもなければ梅の木になど来ない」
……と、このモチーフを真っ向から否定するような生態なのである。
例2:「うぐいす色」
暗めな黄緑系の色。
これは元々メジロの羽の色がモデルで、ウグイスの羽はオリーブ色。ウグイス=黄緑というイメージになりがちだが、実際のウグイスはむしろ茶色っぽい。
- メグロとメジロ
メジロは日本中に生息するが、メグロは小笠原諸島の母島列島にしかいないレアな鳥。
ちなみに
ウグイス同様にオスは良い声で囀るため、古くからペット用に捕獲されてきた。生息数の多いありふれた鳥だが、それでも密猟や悪質業者による販売といった問題は無視できず、環境省は2012年4月からメジロの捕獲・飼育を原則許可しないこととした。
しかし餌付けまでが禁じられたわけではないので(野鳥に安易な餌付けをするのも考えものではあるが)、「バードテーブル」をつくって観察すれば自慢の美声を聞かせてくれるかも。
なおメジロは小鳥のくせに意外にも強気な性格をしており警戒心も薄い。その気の強さたるや、体格が倍くらいあるヒヨドリに果敢に向かっていく勇姿が目撃された事もある程。一寸の虫にも五分の魂、四寸の鳥には十分のガッツ。