🦃概要
鳥綱キジ目シチメンチョウ科シチメンチョウ属に属する鳥の一種。全長122cm、体重9kgに及ぶ。
アメリカからメキシコにかけての混交林に生息するが、家禽として養殖もされている。
顔面の皮膚が大きく裸出し、血流によって青や赤、紫に変化するのでこの名がついた。
食性は植物食傾向の強い雑食。
アメリカやカナダに於いて、七面鳥のローストはクリスマスや感謝祭の晩餐に欠かせないもので、クランベリー・ソースを添えて食べる事が多い。
これはヨーロッパに於けるガチョウや鴨/アヒルなどの代用であった。
鶏より脂が少なく淡白で、臭みも少なく、幅広い料理に利用できる。
主な種類
- ヤセイシチメンチョウ(メイン画像)
- ヒョウモンシチメンチョウ
各国語での呼び名
概要にある日本語での「七面鳥」呼称、朝鮮語の「칠면조(「七つの顔の鳥」の意」や中国語の「火雞」(「火の鶏」の意)のように姿形を評した名称の他、地名や国名からきた呼称もある。
「インド」を呼称に含む言語には、トルコ語、アゼルバイジャン語、ヘブライ語、ポーランド語、ロシア語、バスク語、フランス語、「ローマ」を呼称に含む言語にはアラビア語、「オランダ」を呼称とする言語にはマレー語、「ペルー」を呼称とする言語にはポルトガル語がある。
都市名ではカルカッタを意味する呼称を持つオランダ語、ノルウェー語、スウェーデン語、リトアニア語がある。
家禽としての移入元の地名や呼称から各国での名称は誕生している。
英語で七面鳥はターキー(Turkey)だが、これはトルコのことである。イギリスにもたらされた際、ホロホロチョウ(アフリカからトルコ経由でヨーロッパへ伝来)との混同で「トルコ鶏」と呼ばれ、それが定着してしまった。
余談だがトルコではヒンディ(インドのもの)と呼ばれている。
クリスマスに七面鳥
アメリカのクリスマスや感謝祭に七面鳥の丸焼きが登場する由来にキリスト教は関係がない。起源は1620年にイギリスからアメリカ・マサチューセッツ州のプリマス植民地に移住した開拓移民・ピルグリム・ファーザーズに遡る。
到着間もなく収穫のない彼らが、現地のワンパノアグ族から教えられ食料として狩猟の対象としたのが七面鳥だった。ワンパノアグ族からも友好の証として七面鳥が贈られ、移民たちも感謝を表すため七面鳥を贈ったとされている。
以降、七面鳥は移民たちの間で感謝を表す“縁起物”となり、イギリスにもその習慣がもたらされる。結果として、七面鳥はキリスト生誕を祝う最もめでたい日・クリスマスの主役となった。
要するに日本でいうところの「正月の鯛」のようなもの、と考えれば良いだろう。
日本で七面鳥が普及しないのは、単純に七面鳥が日本ではまだマイナーな部類にあたり、食肉用として市場に出回っていないため(上野動物園のような展示している動物園や、コストコのように販売している店がないこともない)。更にローストしようにも見合うサイズのオーブンが日本では普及していないなどの問題もある。
欲しい場合は専ら通販頼みとなる。
チキンで代用される理由は、諸説あってはっきりしない。1960年代には既に「チキンのもも肉のロースト」がクリスマスの御馳走として認知されていた。
フライド・チキンに関しては、日本に住む外国人が『ロースト・ターキーが手に入らないからフライド・チキンでクリスマスを祝おう』とケンタッキーフライドチキン・青山店に来店し、これにヒントに1974年のクリスマス商戦より『クリスマスにはケンタッキー』をアピールするキャンペーンが開始されたことが始まりとされている。
稀に「鶏なんておかしい、七面鳥が正当だ」という欧米人や日本人もいるが、西欧でも鴨等で代用される点、そして上記のようにキリスト教徒とは起源が無関係な点を鑑みれば、鶏でも全く問題はないだろう。そもそも七面鳥は北米原産の生き物であり、ヨーロッパ人が北米大陸を「発見」するまで、キリスト教徒には存在すら知られていなかった生き物である。ヨーロッパやアラブ地域には当然ながら生息しておらず、キリスト教やクリスマスとは何の関係もない。
そもそも「クリスマスのご馳走」は各国で異なるものであり、ポーランドではクリスマス料理の定番は鯉であるし、デンマークやスウェーデンでは豚肉となる。
因みに日本人の『初めて丸焼き七面鳥を食ってみた』的シーンでのあるあるとして、『丸鶏が焼き鳥串一本に感じる程のデカさ』や『あんな見た目しといて体脂肪率が激低で身の8割方が鶏のササミ状態』等の理由で、半分も食い尽くせぬ内にほぼ確実に飽きる。味変用の調味料と保存容器の準備は必須。
と言うか、そもそも本家アメリカでさえ例え一家総出でも『一晩で食い尽くす事』を前提でコレを焼くのは恐らく少数派。残った身や骨は日本で言う「昨晩の残りのカレー」の如く、翌日のお弁当(サンドイッチ)の具や翌晩のスープ等の具材として利用されるのが通例である(当然、前の晩で既に飽きてしまった子供らから文句を言われるまでがワンセット)。
その他
七面鳥が登場するフィクション
ターキージャンキー 主人公レスラーがつけるマスクのモチーフとして。
七面鳥ですって?冗談じゃ無いわ!!
いずれも、史実のマリアナ沖海戦では「マリアナの七面鳥撃ち(Great Marianas Turkey Shoot)」と比喩されるほど航空戦で一方的に撃滅されたため、艦娘となってからもトラウマになっている。
2014年のクリスマス期間で飛龍が七面鳥に言及して瑞鶴から睨まれたり、秋月が七面鳥を焼いて提督に注意されていたが、瑞鶴本人からの言及は無かった。
……が2015年のクリスマス期間に――
「ん~、クリスマスか~…… はっ!翔鶴姉ぇ!その料理は、食べない! 私、ぜ~ったい食べないから。いらないってば~!」
…と、遂に当人から拒否反応が確認された。
ちなみに山城が「空母が一隻、何か……」と反応しており、翔鶴も「これを食べて落ち着いて。えっ、えっ、えええ!?」と知らずに地雷を踏み抜いたような発言をしている。
そして遂に2016年のクリスマス、七面鳥のローストにはしゃぐ青葉と秋雲へ爆撃機を飛ばす暴挙に出てしまう。犠牲者がやらかし要員になっている辺り爆撃する相手は選んでいるようだが、そろそろお灸を据えるためにこの人とか、最悪の場合古参の鬼教官と誰よりもお艦が出陣する可能性も……(汗)
Intrepid実装後にも、彼女の時報でSaratogaが作ってきたターキーサンドイッチを食べているのを見て因縁を付けてきており、それを翔鶴が後から謝罪している。さらに2022年初秋に実装されたLangleyの時報でも同じ事で揉め事を起こし、とうとうLangleyへ爆撃機を差し向けている。さらにさらに、腕によりをかけて提督に七面鳥ローストを用意したRangerにまで艦載機の魔の手が。
ホントにそろそろ仕置きが来そうな気もする……(汗)。
「沈めっちまうぞ!!」(byScamp)
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ベンジャミン・フランクリン 「獲物を横取りし、死んだ魚をあさるハクトウワシよりも、野生の七面鳥こそがアメリカの国鳥にふさわしい」と主張した逸話がある。