概要
かつてはアーロン達と共に偉大なる航路・魚人島でフィッシャー・タイガー率いるタイヨウの海賊団に所属していた(魚人海賊団の本流にアーロン一味・マクロ一味が併合された形)が、タイガーの死後船長を引き継ぎ、七武海加盟を決めたジンベエにアーロンが反発。マクロ・アーロンがそれぞれ再独立した際アーロン一味として同行し去っていった。
幼少期にははっちゃんと共にタコ焼きを買いに行くなどの描写があるため、恐らく魚人街の出身。
独立後は東の海に活動拠点を移し、東の海に魚人帝国を建国するため、麦わらの一味の1人ナミの故郷を拠点に海賊活動をしていた。
プロフィール
本名 | クロオビ |
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年齢 | 36歳→38歳 |
身長 | 252cm |
懸賞金 | 900万ベリー |
所属 | タイヨウの海賊団船員→アーロン一味幹部 |
所属船 | スナッパーヘッド号→シャーク・スパーブ号 |
武術 | 魚人空手 |
出身地 | 偉大なる航路 魚人島 リュウグウ王国 魚人街 |
種族 | エイの魚人 |
誕生日 | 10月25日 (空手の日) |
星座 | さそり座 |
血液型 | XF型 |
好物 | エビの刺身 |
初登場 | 単行本9巻 第73話『偉大なる航路から来た怪物』 |
CV | 江川央生 |
能力
魚人空手40段を誇る格闘家であり、「生まれながらに人間の10倍の腕力を持つ」と評される魚人の特性もあいまった強力な体技を繰り出す。若い頃は二刀流のサーベル使いでもあった様だが、本編では体技オンリーであった。
尤もサンジに言わせれば「あいつ(クロオビ)のパンチが40段なら、いつも喰らってたクソジジイの蹴りは400段だな」とのこと。
腕のヒレのような部分はゲンゾウが撃った銃弾をも弾く固さ。更にムチのように長い後ろ髪は自在に操って拘束する「イトマキ組手」として使え、拘束したまま一方的にラッシュをかける事さえ可能。
何より恐ろしいのが、水中でも威力が落ちず、むしろ威力が上がる技も体得している事だろう。
技
- 百枚瓦正拳(ひゃくまいがわらせいけん)
魚人空手の正拳突き。
技自体はシンプルながら、魚人の腕力もあってか人一人を砲弾のごとく吹っ飛ばし、その相手は石の壁でもぶち抜くほどの威力を誇る(描写からすると推定100メートルは飛ばされている)。まともに受ければ常人ならそのまま命を落としかねない。
更なる強化版として"千枚瓦正拳(せんまいがわらせいけん)"が存在し、クロオビは自身の最強技としているが、劇中ではその威力を発揮する前に敗北した。おまけにその後、もっと高威力の魚人空手を使える人物が登場したため、格落ち感がハンパない。
- 千枚瓦正拳・上段大爆掌(せんまいがわらせいけん・じょうだんだいばくしょう)
TVSP「エピソードオブ東の海」で披露されたアニオリ技。動きは上段爆掌と同じ掌底だが、やはり決まらずに羊肉ショットで吹っ飛ばされた。
尺の都合で戦闘シーンは超ダイジェストになっているので、羊肉(ムートン)ショットは、はっちゃんがやられて気を取られたスキを突いて叩き込む描写になっている。
- 腕刀斬り(わんとうぎり)
腕を畳んだままラリアットのように敵に突っ込む。
クロオビは腕に堅いヒレを持っているため、通常よりも攻撃範囲が広い。
- イトマキ組手
後ろ髪を触手のように相手の体に巻き付け、行動範囲を制限する。
相手を自分の攻撃範囲から逃さず、自分の攻撃で吹っ飛ばさずに追撃できる。
- 海速・腹下し蹴り(かいそく はらくだしげり)
相手の腹部に足刀蹴りを叩き込む。水中では技のキレが増すらしい。
「腹下し」とは「下痢」の事でネーミング的にはアレながら威力は確か。下痢どころか内臓が潰れてもおかしくない。
- 火華(かか)カカト落とし
体を縦に回転させて勢いを乗せた踵落としを叩き込む。腹下し蹴りにより身を引いた相手の頭部へ追撃として仕掛けるとキレイに決まる。
サンジとの水中戦で使用された技だが、後にサンジも地上ないし空中でこの技に酷似した動きで繰り出す「粗砕(コンカッセ)」という技を披露している。
- カチ上げ背足(かちあげはいそく)
頭の下がった相手を蹴り上げる。
火華カカト落としからの追撃として使用された。
- 上段爆掌(じょうだんばくしょう)
相手の上体を狙い、強烈な掌底を叩き込む。まともに食らったら水中でも勢いよく吹っ飛ばされる。
ちなみにサンジは火華カカト落としで脳天、カチ上げ背足とこれをアゴに食らっているが、脳が激しく揺さぶられるので見た目以上のダメージになると思われる。
- 圧迫死直下航路(あっぱくしちょっかこうろ)
相手に組み付いたまま水面付近から水底へ向けて一気に潜水し、水圧の急変を利用して相手を体内から破壊する。
水圧は10m潜るだけで地上の倍、20mなら3倍、100mともなれば10倍…とかなりの力がかかるため、人間が食らったらまず間違いなく無事では済まない(サンジも腹部が一気に凹み、吐血している程)。
そのまま水底に相手を叩きつけたほうが更なるダメージを与えられるはずだが、あくまで水圧変化による攻撃のためか水底直前で急制動をかけている。クロオビはこの"技"を使う前に「お前ら人間は急激な水圧の変化に対応できんらしいな」と語っており、もしかしたら『水底に叩きつけるまでも無く、人間には耐えられないだろう』という、人間という種族の脆弱さ・下等さを信じていることの表れだったのかもしれない。
人物
魚人こそが至高の種族であるという思想の持ち主。アーロン同様に極度の人間嫌いで、人間を「下等種族」と見下す。
また意外にも警戒心が強いタイプで、ナミの部屋を探ることをしていた。
過去編ではコミカルな描写も目立つため、やはりチュウ同様にタイガーの死により人間を唾棄に付すべき存在と決定づけたのだろう。
ところで好物は『エビの刺身』だが、底生のエイは甲殻類や小魚を食うのでそれが反映されたのだろうか?
活躍
最初の登場は東の海アーロン編で、ナミの真の仲間として登場。しかし、それはナミの故郷を人質に取った、船長アーロンの野望達成のための偽りの仲間関係で、同編終盤ではナミを取り返しに来た麦わらの一味と激突した。
回想シーンでは幼いナミを助けようとしたゲンゾウをサーベルで切り刻んで重傷を負わせている。
アーロンパークに殴り込みをかけた麦わらの一味と交戦し、一度はサンジをアーロンパークの場外まで吹っ飛ばした。
プールに投げ込まれたルフィを救うためにあえて不利な水中に飛び込んだサンジとの戦いでは、水中でも呼吸可能な種族としての特性を生かして有利に進めたが、「そんな軟弱な騎士道精神では誰一人守れん」と嘲ったことで彼の逆鱗に触れてしまう。
挑発に乗って水面近くに共に上がったところを組み付かれて、肩にあるエラに息を吹き込まれたことで怯み、陸に逃がしてしまう(魚人は魚同様、エラに息を吹き込まれると呼吸困難になる模様)。
最後は陸に上がっても自らが有利と語った直後サンジに無数の蹴撃を浴びせられ、切り札の千枚瓦正拳も使う間も与えられずにトドメの羊肉ショットで蹴り飛ばされてあえなく撃破。その後、海軍に捕まり投獄された。
余談
サンジとの一戦において、クロオビはサンジから『サカナ野郎!』や『サカナが料理人(コック)に逆らうな!!』といった怒声を浴びせられている。サンジからしてみれば、ナミやココヤシ村の面々を苦しめる怨敵に対する怒りでヒートアップしているので当然の発言なのだが、クロオビからしてみれば、『魚人族が受けた差別の歴史そのもののような言葉』なので、腹わたが煮えくり返るような思いだったことだろう。クロオビの戦いぶりを見ると、いかに彼が感情を押し殺して冷徹に戦おうとしていたかが分かる。
- 「殺す」
なお彼らは原作で「てめェはブッ殺してやる!!!」「魚人空手の精髄で殺してやる」と言っているが、アニメ版ではさすがにマズいと修正され、「てめェとカタ付けてやる!!!」「魚人空手の精髄を味わわせてやる……!!!」になっている(後のアニメSPでは原作通り)。ちなみにルフィも命がけで村を守ろうとするウソップを嘲笑するクロネコ海賊団のメンバー達に岩を投げ付けて「もっかいウソップを笑ったら殺す」と威圧した場面があるが、アニメ版では「何がおかしい!!!」と修正されている。
敵サイドの面々は依然「殺す」を用いるが、一味のメンバーは用いない(別の言い回し)という法則が確立されている。
また作画コストの問題なのか、明らかに連続キックをお見舞いしている羊肉ショットもソバットの一発になっており、技名も「羊肉…ショット」と静かにキメている。こちらもアニメSPで原作通りの連続キックに訂正された。
なお「殺す」と口にしたのはこのシーンだけ。
コミカルな一面が随所に描かれたはっちゃん、ウソップのしょうもない戦法に振り回されていたチュウに比べ彼とサンジの戦いは終始シリアスなバトル展開になっていた。
魚人島編の過去編では、若い頃の姿が描かれている。この頃は髪を二つ結びにしていた。
- 実写版について
実写版でははっちゃんが登場しない代わりに、クロオビがゾロとも交戦している(ただし、とどめは原作同様サンジに倒されている)。