概要
本名:ジョン・ライドン(1956年1月31日~)
「セックスピストルズ」のボーカリストとして知られる。加入時にスティーヴ・ジョーンズから歯の汚さを「腐ってる」とからかわれたため、芸名をジョニー・ロットン(rotten=腐った)とした。
「セックス・ピストルズ」脱退後は芸名を本名に戻して「パブリック・イメージ・リミテッド(PIL)」を結成し、いち早くポストパンクへ移行した。
2000年代に入ってからはテレビ・タレントとしても活躍し、若い人達からはコメディアンだと思われている。
右翼に命を狙われたり警察から嫌がらせを受けたりするのに懲り、2007年以降はアメリカ合衆国で生活している。
非常に親孝行。
略歴
1956年1月31日、ロンドン(イングランド)で出生。両親はアイルランドからの移民で貧しかった。
1963年、重い髄膜炎を患い3か月近く昏睡状態に陥いる。記憶の大部分を失い、もう一度出生時からやり直しとなる。このため初等学校時代はいじめられっ子だったが、両親の献身的なリハビリにより人並み以上の学力となる。
中等学校時代には不良少年となり、進学したファッション関係の専門学校でシド・ヴィシャスと知り合う。マルコム・マクラーレンの経営するブティック「SEX」を溜まり場とする不良グループのリーダーだった。
1975年、マルコムは店の常連のゴロツキどもに「SEX」の宣伝を結成させようと考え、店内で行われたオーディションでジョニーをウォーリー・ナイチンゲールらのバンドに加え「セックス・ピストルズ」が結成された(ウォーリーはクビ)。
1976年、「セックス・ピストルズ」はEMIと契約し、デビュー・シングルの「アナーキー・イン・ザ・U.K.」が大ヒット。しかし、家族向け娯楽番組「Today」に生放送で出演した際、司会者ビル・グランディに挑発されたジョニーが放送禁止用語を連発したため番組に苦情が殺到し、「セックス・ピストルズ」はEMIに契約を解除され、巨額の違約金を手に入れた。
1977年、セカンド・シングルの「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」が大ヒット。
6月7日、エリザベス2世即位25周年を祝ってテムズ川の船上でゲリラ・ライブを行い、マルコムらが警察に逮捕される騒ぎとなった。この件でピストルズは右翼から敵とみなされ、ジョニーは駐車場で左の手の平をナイフで刺されて(彼は左利き)ギターが弾けなくなる。
1978年1月14日、アメリカ・ツアー中に他のメンバーとの確執から「セックス・ピストルズ」を脱退。「ロックは死んだ」と宣言。
同年中にパブリック・イメージ・リミテッドを結成し、12月8日に「パブリック・イメージ」でデビュー。ピストルズとは一線を画した作風の楽曲を発表し、1992年まで活動した。
以降は、セックス・ピストルズをオリジナルメンバーで散発的に再結成し、パブリック・イメージ・リミテッドも後に活動を再開させている。
1979年、ターゲス・シュピーゲル紙(西ドイツ)社主フランツ・カール・マイヤーの娘のノラ・フォースターと籍を入れない事実婚。ノラとフランク・フォースターの間に生まれた娘のアリ・アップ(本名:アリアン・ダニエレ・フォースター)がボーカルのバンド「スリッツ」がレコード・デビュー。
2000年、アリ・アップが双子の息子(パブロ、ペドロ)を自由に育てようとして失敗し、18歳になっても読み書きができず、落ち着きなく手に負えないため、ジョン・ライドン夫妻が引き取って育てる事となる。
2004年からはタレントとしてテレビに出演するようになった。
2010年10月20日、義理の娘、アリ・アップが乳癌で死去。
2019年、妻のノラがアルツハイマー病となり、介護の日々を送っている事を明かす。