概要
現代の日本では「言論、表現の自由」が認めれられていることもあり、法律などで放送禁止用語は定められていない。そのため、あくまでも放送局側の自主規制であり、放送局側が放送を自粛している言葉を便宜上「放送禁止用語」と呼んでいるに過ぎない。そうしたことから放送自粛用語と呼ばれることもある。また、放送局や番組によって放送するか否かの基準が異なることもある。このことから放送事業者に限らず、個人や企業などの情報発信者(インフルエンサー)としての社会のマナーや視聴者への配慮と言うべきものとして重視されている。別名は放送局用のNGワードリストとも言う。
概ね以下のものが該当する
- 差別用語(キチガイ めくらなど)
- 差別的表現(人種や国籍、人の外見を始めとする個性(肌色を示す黒人白人など)や性別など。しかしデブは駄目だがハゲは逆に良いなどといった謎ルールが存在する)
- 卑猥な表現(女性器及び男性器などの局部表現の一部)
- 政治的、歴史的タブー(日本ではいわゆる菊タブーがある。欧米、特にドイツにおけるナチスに関する表現規制はその比では無く、あらゆる場においてナチスやヒトラーを賞賛すると法律で罰せられ逮捕されるが、批判なら話しは別)
解説
ラジオやテレビ番組は本などと違い、不特定多数の人間が視聴することになる。このため特定の語を聞いて不快になる人や教育上、子供にそういった言葉を覚えさせたくないという人が現れた。
こういった意見を受け、ラジオやテレビは公の場所という認識が生まれ、そこでは人を傷つける言葉や下品な言葉を放送するべきではないという意識が生まれた。
こうした意識改革は年々、厳しくなっており、昔の作品を再放送した際に不自然に無音になるのは、該当する語が入った台詞である。
各種雑誌でもこれに相当する禁止コードは存在し、雑誌掲載時に漫画等の台詞を編集部によって変えさせられた経験のある人間はpixiv利用者にもいるだろう。
TV放送の例外として、政見放送は公職選挙法に基づき候補者がどのような発言をしても、すべて放送する事になっている。そのため放送禁止用語を発言してもカットされたり、修正されたりすることはない。
その結果、政見放送で過激な発言をして注目を浴びようとする候補者が登場することも。
ただしあまりにも酷い侮蔑発言をしたためにカットされた候補者も過去には存在する。この場合では放送禁止用語を使用したことではなく、誹謗中傷の意図があったことが問題と見なされカットされたと思われる。
該当する語が放送禁止になる前に制作された作品に関しては、CS放送などではオリジナリティを尊重するという理由でそのまま使われることもあり、地上波でも放送前にCS同様におわびのテロップなどを出して放送する旨を伝える場合もある。再放送される時代劇における当時の表現手法はOKだったものなど。
また現代の作品であっても、物語のテーマとして扱う、該当する語を使うことで非常識なキャラクターであることを表現する要素、時代背景を伝える舞台装置の一つとして敢えて使用されることもある。
TVなどでは時間帯などによって取り扱いを変える(ピー音を被せたり被せなかったりする言葉や、ゴールデンタイムでは違う言葉に言い換えるが深夜ではそのままの言葉で流すなど)といったケースもある。
放送禁止用語は法律で定められている訳ではなく、使ったとしても罰せられることはない。しかしながら、いわゆる蔑称や差別用語が多く含まれていることから、中傷された、侮辱されたと感じた相手から法的に訴えられるというのは十分起こり得る事態である。
前時代ならいざ知らず、いまやインターネットによって誰もが自分の言葉を全世界に向けて発信できる現代では、より注意が必要であり知っておくべき常識といえる。
また、これらの常識に関しては常にいつの時代も同じだとは限らないので、時代の流れで変わったり禁止用語が増えたりするのでその点にはより注意が必要とされる。日々変わってしまう様な禁止用語辞典からの逆引き等はあくまで参考程度にしておこう。
関連タグ
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玉袋筋太郎…民放ではこの芸名で出演しているが、NHKでは愛称の「玉ちゃん」に変えられる。
YouTube…一応、独自の禁止用語(NGワードリスト)がある。ターゲット層を子供向けになっている動画コンテンツの公開についてが利用規約に書かれている。