概要
「おおやけ」
「こう」
転じてヨーロッパの爵位のうち、王族の親類の者たるprince号の者など、一部の爵位保持者を指して特に「公」とのみ訳することがある。特に君主国の長である場合は「公爵」とせず「公」とのみ呼ぶ場合がある(例:モナコ公)。
ドイツのフュルストは公爵と訳されるヘルツォークより格下として扱われる場合が殆どであるため、「侯」とする場合もある。逆に近現代では、特に貴族の公爵との分別がしやすいためか、元来「公」であっても「大公」と称する場合がある(モナコ「大公」など)。
こうした語彙の紛らわしさに対し近現代の造語の一種として「公王」を充てることもある(ロシアなど)。
公爵の子に固有の呼称が存在せず単に公爵家令息・令嬢などと呼ばれるのに対し、君主格の公の子は王族に準じ公子・公女などと呼ばれる。
なお、近現代日本にも「公」という身位・爵位の類が公爵とは別に存在する。
1910年から1945年にかけて存在したものであり、旧朝鮮王族(旧韓国皇族)である李王家の成員のうち当主である「王」以外の男性成員(王公族)かつ公家の当主たるものを指した。
一般には「△△宮李○公(殿下)」と苗字、宮号(皇族の宮家とは微妙に異なり在住・所有する宮殿名を冠する)を付けて呼ばれる。
同制度下の「公」は2家6名しか存在せず(その他の朝鮮王族は本家を除けば皆朝鮮貴族の侯爵に臣籍降下した)、終戦後の朝鮮半島独立に伴って制度が廃止されたため非常に限られた用語であった。
カタカナで「ハム」を縦に書いたように見えることから「(日本)ハム」の隠語としても使われる。
また、名前に「公」がつく人物の愛称として「ハム」がつくあだ名がつけられるなど逆の用法もある。