概要
公国(こうこく)は、ヨーロッパにおいて、「公」を君主として有する国。「王国」が一般に「国王」を君主として有するのに対し、公国は公を君主として有する。英語のduchy(duke が治める国、領地)とprincipality(prince が治める国、領地)が「公国」と訳される。
過去には数多の公国が存在したが、中央集権化や統一国民国家成立に伴い、次第にその数を減らしていった。
現存する公国
- モナコ公国
フランス語圏のprinceはduke(フランス語ではduc)より上位の爵位であるため、君主号のprinceは「公」ではなく「大公」と日本語訳される。ただ、日本語では、単に「公」とすることもある。また、モナコの「大公」の妃が「王妃」と訳され、法定継承順位第1位の公子が「皇太子」と訳されるなど、その訳し方は必ずしも厳密ではない。
リヒテンシュタイン公国の元首の称号はドイツ語では「Fürst」(英語ではprince)であるが、「Herzog」(英語ではduke)よりも下位であるため、「リヒテンシュタイン侯国」と訳すこともある。
- アンドラ公国
フランス大統領とスペインのウルヘル司教による非世襲の共同君主制を採っており、君主は共同元首と呼ばれる。
類似の概念
「公」(duke)より上位の「大公」(grand duke)を君主として有する国として、「大公国」(grand duchy)という国家形態も存在する。
こちらも過去には複数存在したものの、現在ではルクセンブルク大公国が残るのみとなっている。
創作において
公はそもそも諸侯の爵位であるが、その実態は地域によって様々なのと、「公国」を形成するにまで至った公の実情は国王とさほど変わらない為、詳しく詰めなくとも見慣れぬ称号に戸惑う事は無い。
ただ、某スペースノイドの公国の君主の称号は「公王」であり、過去にそのような称号は存在しない事は留意されたし。