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概要

藤子・F・不二雄が強い思い入れを持ちつつも打ち切りで終わった『21エモン』の続きを描きたいとして、同じジャンルとテーマでキャラクターを変更する形で作り出した作品。いわばセルフリメイクである。

ただし、その内容は21エモンよりもはるかにブラックユーモアと風刺が入り混じった特異な作風になっており、どちらかと言うとSF短編シリーズの方に雰囲気が近いかもしれない。

漫画版

ある日、家出を考える空夫のもとに、同じくそれぞれの星で家出をしてきた宇宙人のモジャ公、ロボットのドンモが宇宙船でやってきて、3人で宇宙に家出をする。

スペースオペラのヒーローのような活躍を夢見ていた空夫だが、宇宙文明の中で地球人がいかに野蛮で知的レベルの低い被差別人種とされているかを痛感し、ヒーローどころか原始人扱いされて出鼻をくじかれる。

それでも気にせずに愉快で自由気ままな旅を続けるが、食人病に侵された二重人格の住人が住まう星での脱出劇、成り行きで参加した命がけのアステロイドラリー、伝染病が蔓延する無人の惑星での決闘詐欺師オットーとの丁々発止、不死の星での自殺フェスティバル精神仮想現実を送信することで架空の現実を体感させて支配する死人の星…行く先々はほとんどが命がけの冒険になってしまう。

そして最後に地球に帰ってきた空夫達を待ち受けていたのは、隕石衝突による地球終了のお知らせ。地球は大混乱に陥るが、宇宙文明に適応した空夫が別の星に避難すればいいだけと気楽なもの。そして空夫たちが地球最後の日に見たものは……!?

アニメ

1995年10月から1997年3月まで1年半にわたり、テレビ東京系列で全73話が放送された。

先に『21エモン』がアニメ化された際にモジャ公からエピソードが借用された為、本編のアニメ化において漫画原作に代わる筋書きを用意することを余儀なくされる。その為、アニメは漫画原作と異なり、モジャラとドンモが地球に定住して、宇宙船を直す材料のコスモストーンを探すために、空夫達と旅をすることになる。原作エピソードでアニメ化されたのも第21話「ちょっとポッドでお買いもの」として放送された「さよなら411ボル」1本のみである。

原作漫画にあったブラックユーモアや風刺はなりを潜めており、キャラクターの性格も大幅に変更されている(特に空夫の「破滅的なまでのスリルシーカー」という壊れた精神性は全くなくなっている)。

のちにコスモストーンを全部見つけて、スペースシャトルを直す事が出来るようになった後はギャグ漫画的な話になるが、モモンジャが登場の51話からは、本当の宝を見つける旅に出かけることとなる。

今の所、テレビ東京系列制作アニメ作品で唯一の藤子・F・不二雄原作作品かつ、藤子・F・不二雄原作のテレビアニメとしては最後の完全新作であり、配信を含めた連続レギュラーシリーズとしては2024年にネットフリックスで配信されたT・Pぼん(こちらは1989年に一度単発アニメ化されている)まで約30年近く途絶えることとなる。

アニメーション制作はOLM。現在ではアニポケ等で知られるが、そのアニポケが本作の事実上の後継作品になった。本来は放送枠も引き継ぐ予定であったが、本作の終了により月曜19時台の枠が一旦廃止となったために火曜夕方での放送開始になった経緯がある。

主題歌

オープニングテーマ

「CHU-CHU-CHU」CRIPTON

「ドリーム・エキスプレス(DREAM EXPRESS)」香取沙季

「Shine」Dear

エンディングテーマ

「恋人が宇宙人なら」岩男潤子

「じゃあね」小林清美

「どうなっちゃうンだろ」ZAZA

「Too Late」斉藤佑紀

登場キャラクター

関連項目

キノの旅:同じく主人公が様々な世界を巡る旅がテーマだが、スケールの大きさこそ違えど渡る世間が鬼ばっかりな点は共通である。

ダークゼロ:ダークエンペラー同様、宝箱に封印されていた邪悪なる意志をモチーフとする。

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