「2人で天下の大将軍になるっつったじゃねェかよ!!!」
「戦は“数”じゃねェ “人”だ」
「るせェちんけな誇りなんて持ち合わせてねェのが俺らの誇りだ!」
「それじゃまるで 全部天任せみてェじゃねェかよ。そうじゃねェだろ 俺達はみんなてめェの足で立って戦ってんだ」
「そして俺はその金剛の剣だ」
「ちなみに俺は百を見せてやる!」
「俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる」
CV:森田成一(幼少期:福井美樹)(テレビアニメ版) / 鈴木千尋(VOMIC) / 吉村和紘(VOMIC++) / 阿部敦(ゲーム)
概要
ヤングジャンプの漫画作品『キングダム』の主人公。
戦争孤児の少年。下僕という低い身分から自らの腕で「天下の大将軍」となることを目指す。1巻冒頭で「李将軍」「李信」と呼ばれており、鄴攻略後に「李信」と名乗ることとなる。
なお、上記の通りピクシブ百科事典には「李信」と「信」の記事が見られるが、他の『キングダム』の記事に誘導リンクを貼り付ける場合はなるべく「信」を優先したい。
史実の記載は「李信」を参照する場合もあるが、『キングダム』関係とは棲み分けるように。
人物
性格は短気で直情径行だが、優しく義に厚い漢である。戦バカで乱雑なところがあるが、一方で「自分の馬を殺されても、相手を咎めず、酒を振る舞って友とした」という穆公の逸話を聞いて感動するなど、純真なところもある。
『キングダム公式ガイドブック 戦国七雄人物録』おまけマンガによると、将軍になり隊のメンバーが増えていったことでメンバーの名前を忘れていっており、作中で最近殉職した松左はともかく、最初期に殉職した(尾平の弟である)尾到は忘れていた。
漂から受け継いだ剣を愛用しており、圧倒的な速度と石壁をぶち抜くほどの腕力を活かした荒削りな剣術を得意としている。
『戦国七雄人物録』ではそれまで得意だったジャンプの記述がなくなったが、この頃はただでさえ重い矛を主武器にしているためで、影丘にて岳白と戦った時のように剣を使った場合はジャンプや速度を活かした戦いも引き続き可能。
将軍としての才能も開花しつつあるが、本人はあまり戦術や戦略を考えるのは得意ではなく、もっぱら勘と戦の流れを読んで戦う本能型の武人である。
鄴の戦いの直前に、嬴政に預けていた王騎の宝刀である大矛を受け取り、以降はそちらを多用している。王騎の矛を使用した最初の戦いでは、その大きさと重さ故にクソ矛呼ばわりするほどに満足に扱う事が出来なかったが、その後の強敵との戦いで慣れた事で矛を満足に扱えるようになった。
活躍
同じ下僕で親友の漂と切磋琢磨していたが、漂の死と秦王・嬴政との出会いによって激動の人生に足を踏み入れることとなった。
相手が格上であってもそれに比例して自分の実力を底上げする武の天稟の持ち主。漂によると「自分が勝てない相手に信は勝つ事ができる」と言う。当初は自分の武力で全てを片付けようとする猪突猛進型であったが、王騎からの修行や助言、幾多の経験を経て「将軍」としての実力を身につけていく。
王都奪還編後、昌文君から恩賞として土地と家(ボロ小屋)を与えられ下僕から平民となり、河了貂と住む。その後、滎陽攻めで一兵卒として従軍し、蛇甘平原戦で多大な武勲(敵が陣取る丘の奪取や敵将軍の討伐など)を挙げたことにより、まだ少年ながら百人将へ取り立てられる。
馬陽編では王騎に「飛信隊」の名を貰い、趙の将軍・馮忌を討ち取ると言う大功を上げる。その後、趙三大天の一人・龐煖の夜襲によって大半の隊員を失うものの、生き残った仲間たちと王騎の最期に立ち会い、王騎から宝刀を譲り受ける。
趙との戦争の後は三百人将へ格上げされ、廉頗率いる魏軍との決戦直前に、蒙恬・王賁と共に臨時千人将となった。その戦いの終盤、廉頗四天王の一人・輪虎を激戦の末討ち果たし、正式に千人将へと昇進する。
昇進直後は羌瘣が離脱したことで飛信隊の隊員の中で軍略に精通するものがおらず、連戦連敗を喫して千人将剥奪の危機に陥っていたが、河了貂が軍師として参入したことで持ち直す。
合従軍編では麃公の指揮下に加わり、緒戦で趙将軍・万極を討ち、蕞の攻防戦では龐煖を撃退した。戦後は三千人将に昇格。さらに、羌瘣の復帰の後に四千人将への昇格を機に本格的に「将軍」への道をひた走ることになった。
著雍の戦いで魏火龍七師の一人・霊凰を討ち(本当は総大将の呉鳳明を狙っていたが、呉鳳明の顔を知らなかったため、それに気付いた呉鳳明が咄嗟に霊凰を身代わりにしたことで誤って霊凰を斬った)、五千人将に昇格。
黒羊の戦いでは、趙軍総大将・慶舎を討ち取ったが、羌瘣が味方の桓騎軍の兵士を殺傷(桓騎が作戦で黒羊に住む住民を皆殺しにし、その中に羌瘣を助けた老婆がいたことで逆上)したことで武功が取り消しとなる。
鄴攻略編では、王騎の矛を手に出陣し、終盤に仇敵・龐煖を死闘の末に討ち取った。
戦後の論功行賞でついに将軍へと昇格する。ついでに部下の千人将・田有に頼んでいた豪邸が完成していた。
韓攻略の直前、肥下・番吾戦の連敗により逸れてしまった中華統一の道を戻すため、王賁・蒙恬と共に大将軍の手前の地位に格上げされる。
託されたもの
上記の通り王騎を始め、作中で何かしらを託される機会が多く、それによって救われた戦いがいくつもある。
- 漂:宝剣と死からの救出、「李」の姓
漂から貰った宝剣は、矛を使い出した後も常に背中に備えており、上記の通り岳白戦で使用された。
ちなみに嬴政も同様の剣を使用していることからも窺える通り、王族の印字も彫られていることが漫画のあとがきで言及された。
朱海平原の龐煖戦にも登場した他、龐煖を討った後に羌瘣を手助けし、信を死の淵から救った。
また、将軍になるため信が姓を考える際、漂は王宮仕えでかつ影武者の大任に就くため、姓を与えられていた事が発覚。だが、全く何も思い浮かばずに困っていた所、政が「李(すもも)」を食べているのを見て「李」の姓に決めた。これで彼の名前は「李漂」となり、後にその経緯を知った信は漂との約束である「二人の名を将来歴史に刻む」ために自分は「李信」を名乗る事になる。
- 王騎:「飛信隊」と矛
特に王騎から託されたものは大きく、前者は将軍になっても引き続き継承され、後者も鄴編以降は多用している。
朱海平原の龐煖戦でも登場している。
- 麃公:楯と「本能型の武将」
楯は受け取ったものの、68巻時点で作中で使われたことはない。
本能型の武将と断定されたのは大きく、同じく本能型の武将である尭雲戦では貂に替わって飛信隊の指揮を執る論拠に用いられた。
朱海平原の龐煖戦でも登場している。
- 輪虎:廉頗から託された剣
元は廉頗が所持していた剣を輪虎か使い続けていたが、信が討った際に実質的に奪取し、廉頗との対面時に輪虎を討った証拠として廉頗に投げた。
しかし蒙驁との話が成立した後に廉頗は信に投げ返し、託している。
とはいえ68巻時点で信は未使用である。
輪虎自身は朱海平原の龐煖戦でも登場しているが、この時は双剣使いであるはずなのに1本しか持っていなかった。
『キングダム公式問題集』の作者のコメントによると「信が輪虎の剣を、輪虎が尊敬してやまなかった廉頗に形見として渡そうとしたんじゃないかなという思いを込めて、あの世には持って行かせませんでした」と語っている。
元は下僕出身ながらも千人将まで上り詰めた立場にあるため、信にも親近感があった。
しかし輪虎に暗殺されたため、結果的に信が千人将になる契機になったとともに、編入時に楚水が加入することとなった。
ちなみに信が将軍になった時点で楚水も千人将になり、郭備と同格になっている。
- 万極:長平の戦いの恨みへの回答
託されたものとは厳密には異なるが、戦争孤児である信と万極の違いは考え方であるのと、その回答は嬴政が持っていると万極に突き付け、最終的に討たれた。
朱海平原の龐煖戦でも登場しており、信は万極の想いも背負っていることが分かる。
- 成蟜:嬴政への助力
自身の死際に、信に嬴政のことを託した。
朱海平原の龐煖戦でも登場している。
- 蒙驁:千人将になる契機と遺言
前者は上記の通り。
後者は蒙驁の死際に、蒙恬・王賁とともに将軍になれというもの。
- 桓騎:「桓騎は悪か」の回答
黒羊戦から肥下の戦いまで長い付き合いだったことで信にとっては、桓騎を明確な悪とは考えなくなった。
韓非子との問答の際、録嗚未は明確に桓騎を悪と断じたが、信は「立場が変われば見方も変わる」と主張している。
また、韓攻略では本格的に飛信隊が敵国を奪う立場となる(つまり散々批難していた桓騎軍のやり方に近づいた)ため、この考え方の変化も気になるだろう。
- 那貴:大将軍の夢に対する激励
那貴が飛信隊を離れる際の台詞。
桓騎以外に自分を惚れさせた信に対しての最大級の賛辞であった。