モックタウン
もっくたうん
2年前に麦わらの一味が空島(スカイピア)の情報を集めるために立ち寄った島、ジャヤの西部にある町。
黒ひげの一味が初登場し、ベラミーがルフィにワンパンされたのもここである。
一見すると活気があって賑やかな町だが、実態はならず者の溜まり場であり、海賊が堂々と船を停泊し平然と往来する治安の悪い町。そのため「嘲(あざけ)りの町」という異名がついており、海賊同士の喧嘩も殺しも日常茶飯事というくらい荒んだ無法地帯と化している。
海軍も取り締まりを諦めているのか完全に捨て置かれており、ある意味でウイスキーピークの再来みたいな町(ただしあちらの住人は賞金稼ぎで、島にやって来た海賊を歓迎し、油断させたところを殺すという形)であるが、迂闊に騒ぎを起こせば接待してもらう相手がいなくなって困る上に海軍が重い腰を上げて来る事態にも成り得る為、地元の住民には滅多に手を出さないという最低限の秩序はある。
ベラミー海賊団を始め、此処に燻ぶっている海賊達の大半は、現実主義を気取りながら他人が真剣に語る夢や理想等を笑って馬鹿にする事しか出来ず自堕落な日々を送っている等、結局は「現実」から逃げている所謂「負け犬達」ばかりとなっている。その為、空島について真面目に知ろうとしてやって来たルフィ達の事も「夢を見ている奴等」と笑って馬鹿にしているだけであった。
つまり「嘲りの町」とは「他の海賊を馬鹿にしながら現実主義を気取って、堅気に戻る真面目さも更なる先の海に挑む度胸も無く惰性で海賊を続けて燻り続ける腰抜け共への嘲り」というダブルミーニングである。
しかし、マリンフォード頂上戦争で、エドワード・ニューゲートが死に際に「"ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)"は実在する」と発した時は、モックタウンと思われる町にいた海賊達が"ひとつなぎの大秘宝"を手に入れるべく沸き立っていた。
2年後となる新世界編では、ルフィ達がエッグヘッドでベガパンクと接触し、亡き彼の遺言が世界中に流された際に様子が描かれている。
相変わらず他人を嘲笑っているだけの様子が描かれ、映像越しでベガパンクが真面目に900年前に関する重大な話をしているのを世界中の人々が真剣に聞いている中、一人を除き此処の連中だけは何一つ信じようとせず、嘲笑って馬鹿にしている様だった。
おまけに、ベガパンクが死んだことに対しては、世界中が信じられないといった様子なのに対し、こちらは「死んだのをいい事に」とあっさり肯定した上でウソつきと嘲笑っている等、自分達に都合の良い事は信じ、どうでも良い事や都合の悪い事は信じないというダブルスタンダードっぷりを露呈させる始末である。
モックタウンで幅を利かせる海賊で賞金4200万ベリー。ベラミーにカードゲームで勝利した際、イカサマしたと因縁をつけられて手をナイフで刺され、数発撃たれた挙げ句酒瓶で殴られ、火をつけられて窓から蹴落とされた(アニメ版では修正され、数発撃った直後に蹴落とされている)。
そして、"スプリングホッパー"を受けてそのまま死んだと思われたが、エッグヘッド編で生存が確認され、ベガパンクの発表の時は唯一笑わずに静観したまま放送を聞いていた。
モックタウンで幅を利かせる海賊その2。当時5500万ベリーの大型ルーキーで、町一番のホテルを丸ごと貸し切って拠点にしていた。
この時点では"夢"を否定し、新時代の海賊と粋がるチンピラだったが、クリケットの金塊を盗んだことでルフィの怒りに触れワンパンされることとなった上に、ドフラミンゴのシンボルにドロを塗ったことで制裁を受ける。
だが、皮肉にもこの出来事が切っ掛けで自身が抱いていた価値観が大きく変化する。
- “黒ひげ”
酒屋でチェリーパイを食べている際に遭遇。好みがルフィと正反対であるためになぜか張り合うことになる。
ちなみにこの当時のメンバーはバージェス、ラフィット、オーガー、ドクQだが、一味と直接対面したのは黒ひげとドクQだけ(バージェスはルフィ達が遠くから目撃するだけ)。またモックタウン時点では黒ひげの仲間だと明かされていなかった。
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「ねえ、メリーさん」「ざまあみろメリーさん」
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_ロンタの手記_ 用心棒生活にもだいぶ慣れた。ミンクの電撃は割と一撃必殺になるようだ。荒事は嫌いだが、鍛錬だと思えばいける。マリアにスーロンの鍛錬をするのもいいかもしれないと言ったが、ぶんぶんと首を振られてしまった。あそこまで必死な顔のマリアは久しぶりだった。 「死人が出るわよ」 と真顔で言われてしまった。そういえば彼女にスーロン化を止めてもらったことがある。その時彼女は無傷で俺を止めてくれていたが、そうなる前に死にかけていたのかもしれない。危機一髪状態だったのかもしれない。 マリアは俺が守らなくても十分強い。というか俺と違って殴り合いになる前に先手必勝一撃か、情報戦で丸め込んでいる。無駄な争いというか体力消耗を嫌がってる感じだ。俺が寝てる間中喧嘩していた人が何をいまさら。 そういえば今日マリアにエノタの頼みをあっさり聞いた理由を尋ねた。そういえば彼女お金を取ってないのだ。 「お金なかったからタダで屋根のある部屋と食事がもらえるのは願ったりかなったりじゃない」 とあっけらかんと言われた。一瞬本気かと思って呆れたがマリアはごめんと笑って首を振った。 マリアによるとエノタさんには息子がいるらしい。海兵だそうだ。数年前にこの島を出たっきり戻ってこない。手紙は数か月に一度来るらしく、そこには必ず手柄を土産に帰るという趣旨のことが書いてあるという。エノタさんはそれを何度も読み返し、いつか息子が元気に帰ってくるのを心待ちにして、店を続けているという。この町では海賊と商売で渡り合えなければ金も得られず、逃げるしかない。エノタさんの周りの店がそうだ。心優しい、悪く言えば気の弱いやつらが細々とやっていたところに奴らだ。エノタさんは若い頃海賊と殴り合いで勝てるほど強く、そこら一体の用心棒をしていたらしい。しかし年を取って身体に無茶が効かなくなってきた。周りの店の人たちを守り切れなかったことを後悔していた。 だから用心棒を頼んだ。マリアはそれを全て思い出して、現状を見て決めらたしい。自分から悩みを引き受けることは彼女はしない。身が保たないからだと思う。いや、保たないのは心か。依頼をさせるのは彼女の決まり事なのかもしれない。百聞は一見に如かずってのもきっとそうだ。彼女が自分を守るための、守るために必要なことなんだ。14,880文字pixiv小説作品