解説
法律が通用せず無秩序状態となっている場所。立ち入った人間が多人数から理不尽に危害を加えられる様な、極めて治安の悪い危険なエリア。
法律を守らせる機関(警察、軍、そのほかの行政組織)が機能しておらず、咎められるべき犯罪も放置されてしまう。
官憲が仕事をしない・できないためギャング・マフィア・自警団・民兵らが地域を支配し、それなりの慣習や掟(つまりは法)が生まれることもある。しかしそれは結局のところ犯罪組織による不公平・不公正な「恐怖による支配」であり、無法地帯であることに変わりはない。
また、比喩表現として、個人や団体がその場のルールや周囲との調和を無視してやりたい放題に振舞っている様を表現する言葉でもある。
アナーキズムについての誤解
ラディカル政治思想であるアナーキズムは「無政府主義」と邦訳されており、実際に英語圏でも日本語圏でも「暴力的な反国家運動」と認識されることが多い。
しかし、アナーキズムはギリシャ語の「アナルキア」に由来する言葉で、意味合いとしては政府だけではなく「支配」が完全に存在しないことを意味している。
つまり、権力の究極形態である政府だけではなく、資本主義的労働形態、つまり賃金奴隷制度も、軍事的階級制度も、地方豪族も、教会も、あらゆる権威的支配に反対し、搾取が存在しない状態を目指している。
アナーキズムはカオス、無秩序とは正反対の、公正で平等なユートピアを目指しており、共産主義的理想状態とほぼ重なる。弱肉強食な暴力専横世界はむしろアナーキストの理想の対極にある。というか、未だ貧困と搾取と隷属がなくならない現在社会の方が暴力専制社会そのものである。
アナーキズムについてのまともな本を一冊でも読めば、その思想の中身が世間の印象と大きく異なる事は理解できるはずであり、人々は歴史や思想についての散文的な事実について無知であり、知らないことを知っていると自己過信しやすい。
コラムを書いたり評論家っぽい仕事をしている人でも世界の歴史を学んでいないせいでアナーキズムについて間違った認識を持ったまま語っていることが少なくなく、無知が無知を再生産している。
インターネット上の「無法地帯」
管理が行き届いておらず、横暴または悪意のあるユーザーやサイバー攻撃で埋め尽くされてしまったインターネットサイトなどを「無法地帯」と称することもある。
CMSなどの脆弱性が放置された結果攻撃者によって内容が書き換えられたり、過疎になった個人ブログのコメント欄が大量のスパムによって埋め尽くされたり、場合によっては訪問者にコンピュータウイルスを撒き散らすサイトになってしまったりということもある。
TwitterなどのSNSでも、トレンドの上位に上がったワード(ハッシュタグ)に内容とは無関係のK-POP動画やわいせつな画像を大量に張り付ける荒らしが出没したり、未成年者に裸の自撮り画像を送らせたり、テロや組織的犯罪への参加を募るなどの犯罪者が出没したりする。
こうした問題が深刻化し続け、ユーザー間による自治も覚束なくなると、もはや「普通に使う」事すら出来なくなり、結果殆ど人が寄り付かなくなって荒廃してしまったサイトや掲示板も数多い。
古くは「2ちゃんねる」辺りが代表だが、近年ならば「X(Twitter)」や、本サイト「ピクシブ百科事典」などがその兆候として有力。
誹謗中傷、無断転載、虚偽の情報の記載、個人情報の暴露、削除荒らしに白紙化、マウンティングや私物化、等々の乱暴な編集が多く見られるが、運営による管理が非常に緩慢であるためにこのような問題が放置されがち。
これを見るに見かねた一部のユーザーは、問題ユーザーの通報・晒し、差し戻し、記事の書き直しや白紙化などの自治行為を行なっているが、このような状況が一向に改善されないどころか悪化する一方の現状に、愛想を尽かして退会、もしくは活動休止する者も後をたたない。
このような有様には、以前他サイトで荒らし行為などを働いて追放された者たちが本サイトに流入し、各々の関連記事を「新たな縄張り(支配先)」として仕切る様になった事も大きい。