CV:広瀬正志
概要
傭兵部隊アッセンブルEX-10の部隊長。元はギルガメス軍の兵士であり、退役後に傭兵になったとみられる。
卑怯な小物で、部隊における人望は皆無。ゴウト曰く「蛭みたいにしつこい男」。とある一件から主人公キリコ・キュービィーを目の敵にし、単独で危険な偵察に当たらせるなどさまざまな嫌がらせを行う。
パイロットとしての技量はそこそこあり、キリコが見抜けなかったゲリラの村を見抜いたりと観察眼に優れた部分もあるので完全な無能というわけでもないのだが、指揮官としての能力は著しく欠落しており、致命的なミスを多々しでかしたため、上司のゴン・ヌー将軍からも信頼を失っていく。
クメン編の最終局面まで這々の体で生き延びてキリコに執着するが、その卑劣ぶりに堪忍袋の緒が切れたル・シャッコに「あんたは人間のクズだな!」と罵られながら、縦坑へ投げ落とされるという、呆気ない最期を遂げた。
弁護のしようが無いクズなのだが、一方で広瀬正志氏の熱演によって中間管理職の生々しい悲哀が滲み出ていたり、間抜けで見当違いなポカをやらかすなど、妙に憎めない味のあるキャラクターである。
文字通りのボトムズ(最低野郎)として、一部の最低野郎達から根強い支持を得ている。
後年のOVA作品「ペールゼン・ファイルズ」では、劇中には一切登場していないにも拘らず、彼の戦友ワップ上級曹長の部屋に写真が飾られてあって、交友があった事が仄めかされたり、ED映像の1カットに登場していたりする。
スーパーロボット大戦において
第2次スーパーロボット大戦Zでも前述の流れで死亡……と思いきやなんと生存しており、戦闘メカザブングルのティンプ・シャローン、THEビッグオーのジェイソン・ベックとトリオを組んで登場する。また、顔グラフィックが無駄に豊富、中断メッセージにも登場、立場上は指揮官なのに指揮官スキルを持っていない、エースボーナスが「自分より低いレベルの敵へのダメージが増加」など、スタッフからの愛されようが窺える。
そして、ティンプが煙草を吸おうとしたら、「俺の親友(ワップ曹長)はポリマーリンゲル液の調合ミスによる発火で死んだんだぞ!」と剣幕を見せるが、ベックに「此処はATのハンガーじゃないぞ」と突っ込まれた。
再世篇においては、カレンがバニースーツで戦闘に出るハメになったきっかけも作っている。この経歴がまさか次作にも引き継がれるとは……。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇でもしぶとく生き延び同じ声のラダァ・ニーバの元についていたが、彼が死亡するとPS専用機のはずのエクルビスを退職金代わりに持ち出し、新たな姫探しに暴れまわるFB隊員達に拾われ、ゲイツ・ベックの芳忠コンビを拾って度々ふもっふシナリオで襲い掛かって来る事になる。
地上での決戦でも死亡描写が無い為、ゲイツ・ベック共々続編の天獄篇にも出る気マンマンである。
……と思ったら本当に天獄篇にも参戦。
乗機は相変わらずエクルビス。ただし、ゲイツ、ベックとはほとんど別行動状態だった。
マーティアルの神殿を護衛していたが、Z-BLUEの猛攻にまたしても敗れることとなった。
「た、助けてくれぇぇぇぇっ!!」
このセリフは戦闘アニメ時、カン・ユーの機体が撃墜されたときの捨て台詞だが、珍しくマップ上で流れた(しかもキャプションなし)。
能力的には特筆すべき点はないのだが、「自分よりレベルの低い相手に対して与ダメージが増えるエースボーナス」「指揮官を自称しておきながら技能に指揮官がない」「悪運と姑息さとしぶとさは優れた精神コマンド」など、まさしくカン・ユーを再現した能力に仕上がっている。
余談
本放送当時、タカラ(現・タカラトミー)から発売された1/35ダイビングビートルに付属していたフィギュアがカン・ユーであった。
ボトムズTRPGにてNPCとしてデータが存在するが、指揮官を表すコマンダーというクラスでありながら味方を指揮して戦況を有利にする特殊能力を一切習得しておらず、すべて自分”だけ”が生き残る為のもので占められているあたり、どういう扱いか良く判ると言うものである。
関連タグ
憎めない悪役:特にスパロボ辺り。
無能生存体:ファンからの愛称(?)。最終的には死亡しているのだが、それまで何度も危機的状況に陥っても生命・立場双方の意味で生き残り続けてきたためにこう呼ばれる。
仁義なき戦い:カン・ユーを更に小物にしたようなラスボスに、主人公が絶対に勝てない、という現実のミもフタもなさを描いたヤクザ映画シリーズ。