" CAST IN THE NAME OF GOD , YE NOT GUILTY "
――神の御名において是を鋳造す。汝ら罪なし。
" BIG-O!! SHOW TIME!! "
概要
さとうけいいちが企画し片山一良が監督を務めたオリジナルアニメーション。ファーストシーズンは1999年10月13日から2000年1月19日までWOWOWほかで放送された。
当初は全26話の予定であったが、諸事情でファーストシーズンは13話に短縮せざるをえなくなった。その後アメリカで人気沸騰し、それに後押しされる形でセカンドシーズンの制作が実現し、2003年1月2日から3月27日まで放送されて当初の予定通り全26話が無事放映された。
全編にわたってスタイリッシュでカッコイイ演出がなされており、メカニックデザインやクリーチャーデザインには『ウルトラマン』シリーズ等、昭和特撮の影響が見られ、新古入り交じった独特の世界観を醸し出している。キャラクターデザインもアメリカンカトゥーン『バットマン アニメイテッド』の影響を受けており、アメリカっぽい世界観にも拘らず登場人物の眼は一様に黒一色で書かれるなど、シンプルな線で構成された珍しいものである。
『月刊マガジンZ』(講談社)では放送開始に先駆けてありがひとしによるコミカライズが1999年7月から2003年9月まで連載された。
ストーリー
現代から100年後の世界。「記憶を失った街」パラダイムシティの住人達は40年前の記憶・メモリーを失いつつもそれなりの生活を営んでいた。
だがメモリーは唐突に現れ、巨大ロボット・メガデウスという形で市民に襲いかかる。
ネゴシエイターのロジャー・スミスはメガデウス「ビッグオー」に乗り込み、街を襲撃するメガデウスと対峙する。度重なる戦いの中で、ロジャーはこの街、そして世界の核心に迫る……。
主な登場人物
CV.宮本充
本作の主人公。辣腕ネゴシエイターだが、ビッグオーに乗って戦うことのほうが多い(かなりの確率で相手から実力行使をされているせいなのだが)ため、視聴者にはしばしば「ネゴシエイター(笑)」呼ばわりされる。交渉人としては非常に優秀。
性格はへそ曲がりで頭ごなしに命令されるのが大嫌い。“ 黒 ”を偏愛しており、ドロシーをして「あなたの服の趣味、最低ね」と言わしめる。
気障な男だが、欠点も多くどこか憎めない。
CV.矢島晶子
ヒロインにして本作屈指の人気者。華奢な見た目とは裏腹に凄まじいパワーをその体に秘めた少女型アンドロイド。毒舌家。依頼の報酬代わりにロジャーの家で使用人をやっている居候。
詳細はR・ドロシー・ウェインライトの項参照。
- エンジェル
CV:篠原恵美
神出鬼没・正体不明の美女。峰不二子ではない。パラダイム・シティ随一の大企業であるパラダイム社の社長秘書だが、スパイめいて様々な場所に現れる。ロジャーとは腐れ縁のような関係だったが、後に恋愛感情を抱くようになった。
この物語のもう一人の主人公でもある。
CV;清川元夢
ロジャーの身の回りの世話をつとめる老執事。ビッグオーの整備から家事全般までこなす万能執事である。落ち着いた雰囲気の好々爺だが、有事の際にはマシンガンをぶっ放すような荒っぽい一面も覗かせる。
たまに天然の気がある。
- ダン・ダストン
CV;玄田哲章
パラダイム・シティ軍警察に所属する軍人。ロジャーの元上司であり、年の離れた友人である。今でもロジャーを気にかけているが、ネゴシエイターという職業には難色を示している。
正義を愛する熱血警官だが、自身の立場に思い悩むこともしばしば。
CV:石塚運昇
パラダイムシティを牛耳る大企業パラダイム社の総帥。冷酷非道で自己中心的だが、同時に子供じみた一面を持った難物である。
第一部の段階では物語の陰で暗躍していたが、第二部からは表だって謀略を張り巡らすようになった。
ロジャーと同じようにザ・ビッグのドミュナス(搭乗者)となることを切望しており、自身のメガデウスであるビッグファウに入れ込んでいる。
- ゴードン・ローズウォーター
CV:納谷悟朗
アレックス・ローズウォーターの父親に当たる人物であり、パラダイム社前総帥。大災害後のドームと外周の街の建設、インフラの復旧を成し遂げた人物でもある。物語登場には高齢との事もあり、一線を退いて農場で余生を過ごしている。
認知症を発症し始めており、息子の事も少し分からなくなり始めている一方で、ロジャー達にこの閉鎖された世界に関わる重要なヒントを度々託していた。メモリーを消す前のロジャーには『重大な何か』との交渉を昔に依頼している。息子のアレックスよりは人間が出来ており、体の動く間に世界を救うための準備を出来得る限りしていた。
CV:大塚芳忠
黄色いスーツに身を包んだチンピラ。パラダイムシティで大小様々な悪事を犯してきた犯罪者だったが、ロジャーによって逮捕されてしまった。そのことを逆恨みし、何度も脱走してロジャーに挑むがことごとく返り討ちに遭うなど、お笑いキャラのような扱いになった。
CV:堀勝之祐
狂気のジャーナリスト。元新聞記者であり、パラダイムシティが失った40年前のメモリーを探求する内に世界の”真実”に触れてしまい、正気を失ってしまった。それ以来マイクル・ゼーバッハという本名を捨てシュバルツバルト(黒い森)と名乗るようになり、人々に真実を知らしめるべくパラダイムシティに混沌と恐怖を撒き散らすようになった。
メカニック
ロジャーが召喚し操るメガデウス。全身に武器を満載した戦闘用ロボットで、ロジャー以外の人間には基本的に扱えない。失われたメモリーに属するもののひとつで、未知の部分も数多く存在する。
主題歌
オープニングテーマ
「BIG-O!」(ファーストシーズン)
歌・編曲:永井ルイ / 作詞・作曲:Brian May・永井ルイ
映画『フラッシュ・ゴードン』のテーマ曲であるQueenの「フラッシュのテーマ」に酷似していることで有名だが、これは「フラッシュのテーマをイメージして曲を作ってほしい」との発注があったため。その後、ブライアン・メイとの協議の上、Queen側に楽曲の権利が移行した。
「RESPECT」(セカンドシーズン)
作曲・編曲:佐橋俊彦
『謎の円盤UFO』のオープニングテーマに酷似している。
「Big-O! Show Must Go On」
歌・作詞・作曲・編曲:永井ルイ
キンクスの「オール・オブ・ザ・ナイト」のオマージュ。再放送やDVD-BOX、動画配信では全話のオープニングがこれに差し替えられた。
エンディングテーマ
「and FOREVER…」(全話)
歌:ROBBIE DANZIE with 高尾直樹 / 作詞:Chie / 作曲・編曲:島健
スパロボでは
初参戦は『D』。当時はまだ1stシーズンしか放送されていなかったため、パラダイムシティの謎は明かされないまま終わり、原作では死んでいないベックはあっけなく戦死する。1stシーズンの最大の敵であったシュバルツバルトに至っては、ほとんどバンプレストオリジナル敵組織「メリオルエッセ」の一員であり、原作未視聴であればオリジナルキャラと間違える事であろう。
その後、本編完結に伴い『スーパーロボット大戦Z』で2ndシーズンも参戦。原作終盤の超展開も『第3次Z時獄篇』を持って再現された。
前掲の事情から『D』では「BIG-O!」が戦闘BGMに使用されているが、『Z』以降はTV版の主題歌は一切使われない。
その他
- タイトルは、さとうけいいちが小学生時代に学級新聞に載せていた4コマ漫画に登場したロボットの名前に由来。一時期『クロムガンナー』に決まりかけたが、さとうの提案により『クロムガンナービッグ・オー』となった。
- セカンドシーズンは99年製作の前作から3年という月日が挟まった事もあり、デジタル彩色による製作に移行した。
- 後にさとうが監督を務めたアニメ『TIGER&BUNNY』では、ロジャーとドロシーをパロディした敵キャラが登場(ロトワングとシス)しており、声優も同一である。