「私の名はロジャー・スミス。この記憶喪失の街には必要な仕事をしている。」
概要
cv:宮本充
黒のスーツに身を包み漆黒のセダン「グリフォン」を駆る青年紳士で、ネゴシエーター(交渉人)
少女アンドロイドと共に記憶を失った街「パラダイムシティ」の難事件に挑む。
紳士的だが、意外と頭に血が昇りやすく、親しくなった人間相手にはほとんど遠慮しない。他人からの束縛や支配されることを激しく嫌い、「屋敷に無条件で入れるのは女性だけ」など独自のルールをもつ。
交渉人としてはクライアント(雇い主)が死亡してもイーブン以上に有利な交渉を成立させるほどプロ意識が高いが、解決できない困難や身の危険が立ちはだかると、謎多き巨大ロボットのドミュナス(操縦者)として障害を取り除く。
趣味は砂時計の作成・収集。
異常なまでに黒を好み、彼と暮らす人間は黒い服を着なければならないというルールがある。
元軍警察出身で、体重130㎏もあるドロシーを支える位には身体能力も非常に高い。
苦手なものは謎の多い出自にも関わるバーコードとトマト。
ちなみにドロシーに起こされなければ昼過ぎまで寝ているほど出不精。
「雨の中、傘をささずに踊る人間がいてもいい…自由とはそういうことだ!」
これは、第13話(ファーストシーズン最終話)ラストの台詞。躊躇無く人を殺し、与えられた命令に従うことを「雨の中傘をさすくらいに当たり前な行動」に喩えたアンドロイド『R・D』に対する返答。
愛すべき『自由』の人、最高のネゴシエーター
実はトップクラスに謎が多い青年紳士。
一見キザでカッコよく見えて隙のあるこのキャラクター造形は、ナイーブな当時のロボットアニメのアンチテーゼであり、自分のルールや拘りを信じつつ協調しようとするロジャーは、自分も周りも等しく認め、人間関係で縛られ難く『自由』な人物とも言える。
言動に頭を抱えるドロシーと夫婦漫才じみた温かさのあるやり取りできるのは、ロジャーが悪い意味のナイーブさを持たず、やはりお互いがお互いを認め合い心を開いているからだろう。
ただ、ロボットが登場・活躍しなければ成立しないロボットアニメの宿命ゆえかすぐにビッグオーで問題解決してしまうので、「交渉しない交渉人」だとか「交渉人(笑)」とか「エセ紳士」だとか呼ばれていた。外部出演で「およそ交渉と呼べるものではないな」「ここではネゴシエイターとしての私は不要なようだ」と発言したことをプレイヤーに「交渉(物理)」と弄られるのはもはやお約束である。
なお、作中ではネゴシエーターとしての仕事は全うしているので、短絡的な思考でビッグオーで問題をぶっ飛ばしてはいない。
視点を変えると、“依頼者を代行して双方が納得できる結果を導く”役割すら取り止めて、ビッグオーで対峙する相手は、身勝手を『自由』と履き違えて通そうとし、周りとの協調を考えない者達であり、思想の大本から反目し合う存在だと取れる。
最終話、世界のリセットを開始する“世界の演出者”との『史上最大のネゴシエイション』を成功させたロジャーは、未来へと向かい出したパラダイムシティーに第1話冒頭と同じモノローグ(当記事冒頭の台詞)を呟きながら愛車を運転して消えていく。
このモノローグは当初、ネゴシエーターとしてのロジャーの簡単な自己紹介だったが、彼が物語を駆け抜けた先でその肩書すら超えて世界を救った『最高のネゴシエーター』となった事で、自分の存在自体を端的に表す言葉に昇華したようだ。
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余談
外部出演時は、ネゴシエイターらしくキャラ特性として「ネゴシエイター」が付加されている。
が、問題はその性能。これはロジャーが交戦すると交戦相手の気力を下げるという効果があり、精神コマンド「脱力」程ではないが、戦闘時においては地味に効果的なスキルとなっている(しかし、第2次スーパーロボット大戦Zと第3次スーパーロボット大戦Zでは自軍の中で1人だけシステム上気力を下げられてしまうキャラがいるので注意)。
あと、ステージクリア時に「撃墜された味方ユニットの修理費をゼロにする」という効果も。修理業者相手に踏み倒すのは紳士の振る舞いとは言えないので、交渉相手は保険会社の類なのだろうか?
なお、このスキルのせいで自軍最強クラスの資金稼ぎ役と名高いジュドーやアンジュと組めないのではないかと言われている(Dではネゴシエイター技能が無かった)。