「あなたって最低だわ」
CV:矢島晶子
概要
ティモシー・ウェインライト博士によって作られた少女型アンドロイド。博士の娘に似せて作られている。
作中で「芸術品」とすら称されるほどの精巧な美しさを持つ(作中に登場する他のアンドロイドはロボット然とした無機質なデザインのものが多く、ドロシーのみが人間の姿を忠実に真似て造られているため)が、クマが出来たような暗い瞳と仏頂面、何より平坦な口調で遠慮なくモノを言う性格ゆえ、可憐とは言いがたい奇妙な威圧感を放っている。
メガデウスのコアメモリーの役割を果たす存在として設計されており、第1・2話ではそれ絡みの事件でロジャーの元へ自身の護衛を依頼しに訪れた。解決後は報酬として住み込みでスミス邸の使用人として働くこととなり、同時にロジャーの助手のようなポジションに収まることとなる。この機能ゆえ、メガデウスの利用を企む者から狙われることも多い。
シリーズ中、主人公であるロジャー・スミスと共にほぼ全ての回に登場している。
人物
前述の通り色んな意味で遠慮のない性格。アンドロイドらしく、微妙にカタコトかつ平坦に話す。無表情であるが無感情ではなく、言動・行動の端々に機嫌の良し悪しが見て取れる。アンドロイドでありながら「そういう気分」と称して(無表情のまま)おかしな振る舞いをしたり、(無表情のまま)全身で喜びを表現するなんてことも。ロジャーの黒への偏愛を「最低」と言い切ったり、猫を拾って可愛がったり、乙女心が傷つくような場面では機嫌を損ねたりと、見た目どおりの少女らしい部分も多く見られる。
ロジャーとは当初は憎まれ口を叩き合う仲であり、ロジャーの方もアンドロイドである彼女を機械に過ぎないといった風に述べていた。しかし共に死地を乗り越え世界の謎に迫っていくうち、お互いにかけがえのない存在となってゆく。ロジャーの危機を救ったことも一度や二度ではなく、ロジャーと共にビッグオーに乗り込み戦うこともある。先ほど述べた憎まれ口の叩き合いも、終盤では傍目にはイチャついているようにしか見えなくなっていた。
特技
ピアノの演奏が巧い・・・・・・のだが、ロジャーの好みではない激しい曲調のものを目覚まし代わりに毎朝弾くため、ロジャーはノイローゼ気味になっている。その後同じアンドロイドでありピアノ奏者であるR・インストルの元で指導を受けるのだが・・・・・・。まあ、午後1時まで惰眠を貪っていたロジャーが悪い。
歌も得意であり、父親であるティモシー博士の下にいたときはジャズクラブでゲストシンガーとして歌声を披露していた(この世界ではロボットも音楽のような芸術活動をしている)。その際は普段の仏頂面が嘘のような笑顔を披露しているので、案外コチラの方が素のドロシーなのかもしれない。
アンドロイドであるため身体能力・膂力ともに人間の域をはるかに超えている。機銃掃射からダッシュで逃げ切る、壁やガラスをパンチ一発で打ち砕く、自転車を自動車を超える速度で漕ぐといった芸当を披露している。挙句の果てには自動車のボンネットに飛び乗ってフロントガラスを蹴破り、ハンドルにつま先を引っ掛けて車を操作するという離れ業もやってのけている。
蛇足
- ロジャーは機嫌によって彼女の呼び名を変える。
普段は「ドロシー」と呼び捨て。
かしこまった時などに「R・ドロシー」と呼ぶ場合がある。
怒っている時は「R・ドロシー・ウェインライト!」とフルネームで怒鳴る。
- メイドとして活動している描写はたまにあるが、掃除、買い物などが担当。
- 料理、ビッグオーの整備などはノーマンが担当している様子。
- ロジャーが彼女をモデルに絵画を描いているが、モディリアーニを彷彿とさせる画風はご不満だった様子。
- Act.1のエンディングで砂時計に座っているのはロジャーだけ。
- Act.2からドロシーが背中合わせに座る。
- ビッグオーのキャラクターデザイン・さとうけいいち氏が監督を手がけるアニメ『TIGER&BUNNY』において、少女型アンドロイド「シス」が登場する。
- 外見や設定、声優からドロシーがモデルとなったと思われる。
- スーパーロボット大戦Zにおいて、父親になることが判明したホランドに「父ちゃん」と呟いた。言うまでも無く中の人ネタである。
- ありがひとし版でも毒舌ぶりや頓珍漢な言動は健在。ただし目が少し大きめに描かれ、ずけずけと毒を吐く場面も少なめなので、どちらかと言えば“ダウナーな不思議ちゃん系美少女”といった感じに仕上がっている。
- また最終回前後では、メモリーが奪われて起動停止に追い込まれている。外伝『LOST MEMORIES』では、ロジャーが漫画5巻で負ったトラウマの払拭に大きく貢献している。