概要
『ザ・ビッグ』と呼ばれるメガデウスの一体にして、本作最後に登場した正真正銘のデウス・エクス・マキナ。ドミュナスはエンジェル。
"40年前のなにか"の元凶と思われるメガデウスであり、全身から放つ光は舞台のリセット=世界を無に帰す能力を持つ(一応、ビッグオーと同様の武装を装備しているらしく、ファイナルステージも使用可能)。
全体的な形状はビッグオーと似ているが、背中に翼型のユニットを装備していたと思しきソケットが存在し、フェイス部は髑髏の様な不気味なデザインをしている(カラーリングはネガ反転したビッグオーといった感じ)。また、他のザ・ビッグと異なり一機のみのワンオフ機と思われる。
メタ的な視点から見ると、当機の本質は『THEビッグオー』の“舞台”であるパラダイムシティーを構築・管理するシステムの操作インターフェースである様子。メガデウスとしての姿は便宜的な物に過ぎないらしく、操縦者のエンジェルはコクピットでは無く映像の調整室からビッグヴィヌスを操作していた。
名前の『ヴィヌス』(VENUS)とはビーナス=金星の事であり、"翼をもがれた鳥""鳥へと進化する以前の獣"と言う異名から金星と関連付けられる堕天使・ルシファーの事を指していると思われる。
また、同じく金星と関係がある女神・アフロディーテも掛けられていると考えられ、ドミュナスのエンジェルが女性である事に合致する。なお、アフロディーテは“母親”として愛の神・エロースを“翼をもった童”の姿で再誕させており、その外見は天使のポピュラーなイメージの一つとして親しまれている。更にこの母子が魚に変身したのを描いたのが十二星座の魚座であり、占星術等では想像性や創作力を司るとされる。
そして、ヴィヌス=アフロディーテとルシファーは『貝』と深い関わりがある。絵画にもある様に海の泡より生まれたアフロディーテは貝にその身を拾われて地上へ運ばれ誕生したが、一方で堕天したルシファーは貝の殻内部の如く暗く閉じた世界・クリフォト(ヘブライ語で『貝の世界』)に転落したとカバラに記されている。加えて、開いた二枚貝は“舞台”に例えられる事が多く、寧ろ逆に二枚貝を模した舞台等が数多く作られている程である。
作中を見る限り、“舞台”であるパラダイムシティーで何らかの物語を作ろうとしていたドミュナスのエンジェルは納得がいかない展開になるとビッグヴィヌスを起動、“舞台”をリセットしてやり直す事を何度も繰り返していた様子。今回もビッグファウを起動してしまったアレックス・ローズウォーターの暴走から始まった混乱に嫌気が差して出現、アレックスをビッグファウごと消去後そのままパラダイムシティーもリセットしようとしたがロジャー・スミスのネゴシエーションを受けて機能を停止。リセットを取り止めパラダイムシティーを元に戻した。
この結末は、ネゴシエイターの説得により、閉じた世界で物語の制作とリセットを繰り返していたヴィヌス(堕天使)が、自分が作った世界が未来へ進むのを見守るヴィヌス(女神)に成った事を示しているのだろうか。
関連項目
ブラック・ノワール:勇者特急マイトガインの黒幕にして、二次元世界を支配する三次元世界(現実)よりの侵略者(と言う設定を持たされたキャラクター)。こちらは単なる巨悪として制作側の予定通りに倒されたが、それにより最後のシーン以降作中世界が止まる(アニメから『絵』に代わる)衝撃の番組ラストを迎えた。
管理怪獣ベノラ:SSSS.GRIDMANに登場した、閉じた世界を管理・修復する13体の怪獣。しかし世界の創造主が適当に作った怪獣(に潜む破壊衝動)に惨殺され、全滅してしまった。
ゾヌーダロボ:『勇者王ガオガイガー』におけるラスボスでサンライズ製作のロボットアニメですべてを消し去るチートスペックを持つラスボスの女性と奇しくも同じ要素を持つ。その影響もあってか両作品が登場するスーパーロボット大戦シリーズで敵として、戦う場合、通常の機体は1回の戦闘で強制離脱させられるというとんでもない制約を強いられての戦いとなってしまう。