シュバルツ「40年前…! 何かが起こって、我々は記憶を失った!! それまでどれ程の力を人が持っていたかも!!」
ロジャー「これが力だと言うのか!」
シュバルツ「メガデウスは特別なモノじゃなかったんだよ、ネゴシエイター。 この私だって、メモリーさえ取り戻せれば、この力を手に入れる事が出来るんだ」
ロジャー「これはまだ動くのか?」
シュバルツ「ここに埋められていたんだ。 私はそのロックを解除した! おかげでこんな姿になってしまったよ…」
概要
『THEビッグオー』ACT.04等に登場。
パラダイムシティより30フィート(※換算して約10m)以上潜った地下・『ネクロマンディオ』の一角に埋まっていたメガデウスであり、ビッグオーら『ザ・ビッグ』の素体に相当する機体。
身体フレームは人体骨格を模していて、外部装甲が無い分ビッグオーよりも一回り位小さい体躯の一方、両腕両足が長めで人型と言うより猿に近いフォルムを持つ。顔部分には歯へ当たる箇所へ発光するパーツが埋め込まれ、感情表現なのか時折不気味に明滅する。
なお、本機がザ・ビッグのアーキタイプ(原型)だと見て理解したのは、日頃よりビッグオーの整備光景を見慣れていたロジャーであり、更にACT.04に登場した個体は頭部に“ビッグオーの頭部内パーツ”を付けていた様子。また、ザ・ビッグはそれぞれ四肢のパーツ、特に両腕が大きく異なるが、ACT.04の個体はオードソックスな五本指と簡易装甲を持った四肢パーツを付けられており、左腕にはマジックハンドの様な装備を確認出来る。
ネクロマンディオの一角に在った広い空間(※都市開発のエキスポ会場だったらしく、人の数倍位のサイズで造られたビル模型等が立ち並ぶ)、そこの壁に半身が土砂で埋まった状態で放置されていたが、『真実』の一つとしてこれを見付けたマイクル・ゼーバッハが発掘。全身に大火傷を負いシュバルツ・バルトと化す代償を払った彼に機能停止を解かれ、あとは起動に必要なメモリーを手に入れれば復活する筈だった。
ところが、シュバルツと彼を追って来たロジャーとの会話中、ロジャーに付いて来ていたドロシーの存在を察知し、彼女の意識に割り込んで滅茶苦茶に喋らせつつ起動・復活。肩に乗っていたシュバルツを振り落としつつドロシーを、いや彼女の中枢部たるコアメモリーを手に入れようと暴れ始め、ロジャーの呼び出したビッグオーと交戦に突入する。
自我を侵食され、それの宿るコアメモリーを奪われそうになったドロシーは、「違う…違うわ! あれは私の…私の『仲間』なんかじゃない! どこから来たのかもわからない…! あれは…あれはいてはいけないものよ!!」と恐怖に怯え、それを聞いたロジャーは「ビッグオーの仲間ですら無い『亡霊』」と断じ、アーキタイプを討つ事を決めた。
その猿に似た外見に違わない前屈姿勢から、獣の如き動きで飛び掛かる驚異的な跳躍力と敏捷性を発揮して、機動力の低いビッグオーを翻弄する。逆を言うなら、あれだけの装甲と重武装を搭載して人型の動きが難無くこなせるザ・ビッグの挙動は、この素体の持つ異常なまでに圧倒的な基礎性能に支えられている。
この他に足先を敵に引っ掛けて転倒させる小技も扱う他、頭部から電撃をスパークさせ組み付いた相手へ浴びせる攻撃手段を持つ(クロム・バスターの発火装置を利用した物だろうか)。
しかし、相手は完成されたザ・ビッグの一体。翻弄は出来ても攻撃が一切通じず、むしろ内部に保護されたドロシーへ固執し無闇に密着してしまったのが仇になり、押し倒していた所でミサイル・パーティを胴体に撃ち込まれて天井に押し付けられる。
そしてそこでミサイルの時限信管が作動、天井諸共爆破されて敗れ去った。
この戦闘により、地上の建造物が断層に巻き込まれる被害が発生した為、アーキタイプの埋まっていた地下区画の位置がパラダイム社に発覚。後に地下トンネルを繋げられてメガデウス・ハンガーへ直結される事になるが、どうやら残骸を回収されてビッグデュオの修復に使われた様子。
その後のACT.13では、整備中のビッグオーが顔面パーツを外されてあの不気味な顔を晒しており、ACT.04でのロジャーの発言が正しかった事を証明した他、修復作業を受けるビッグデュオが装甲の無い頭部を披露して内部パーツが全く違う事を明らかにしている。
ACT.22・26ではロジャーの脳裏に浮かぶメモリー内で、複数個体が大量のビッグオー軍団相手に消耗戦を繰り広げていた。
関連人物
- シュバルツ・バルト(マイクル・ゼーバッハ)
この機体に関わった事で運命を狂わされた男であり、『真実』を知り得た者。発掘場所まで自分を追って来たロジャーの周りにガソリンを浸み込ませた包帯を撒き、着火して火達磨にしようとした所で突如アーキタイプが起動。「何が起きた、何故これが動き出した!?」と狼狽し火種を投げ捨てて逃げようとするが間に合わず業火の中に転落、大火傷の身で更に火達磨になる悲劇に見舞われた。
『ゼーバッハへ退職金を取材成果と引き換えに渡す』ネゴシエーション依頼を受け、紆余曲折の末ネクロマンディオへ潜る事に。パラダイムシティの住民が根源的な恐怖を覚える地下へ潜った事で凄まじい恐怖の感情に苛まれ、意志の力で抑えようとしても抗えず、恐怖の末に母親のイメージに逃げる幼児退行を起こし掛けた。
ところがこっそり付いて来ていたドロシーに膝枕をされたのを知るや、恥ずかしさの余り我に返った事で恐怖を振り切った。
自分を動かしているコアテクノロジーに付いて知るべく、密かにロジャーの後を付け共にネクロマンディオへ辿り着く。恐怖に潰されそうになったロジャーを助けたすぐ後、アーキタイプに自我を奪われそうになり恐怖へ怯えたのをロジャーに助けられた。
この件でお互いの弱さを知り、かつ支え合った経験をした2人の相手に対する認識は大きく変わり、その関係は親密な物へシフトして行く事に。結果的だがあの亡霊はザ・ビッグにはなれなかったが、代わりに縁結びの精へなったのかもしれない。
- エンジェル
ゼーバッハの上司だったパラダイムプレス社の幹部、フィル・ガズエの秘書『パトリシア・ラブジョイ』と言う肩書と偽名でパラダイムグループに潜り込んでおり、上司のネゴシエーション依頼を取り次ぐ形でロジャーと再会する。
この時の上司であるフィルもワンカットだけだが登場している。
- ダン・ダストン
三ヶ月前より行方を晦ましたゼーバッハの手掛かりを求めて、軍警察オフィスに顔を出したロジャーに嫌味を言いながら、アウト・オブ・ドームにあるゼーバッハの拠点を記したメモを渡す。そしてロジャーが去った後、窓脇に伏せていた軍警察時代の彼が収まった写真立てを起こした。
パラダイム本社内に赴いたロジャーの前を、専用のトロリーバスに乗って通り過ぎた。その後本社上層よりアーキタイプの撃破により発生した断層に巻き込まれた区画を双眼鏡で観察、「確かに、優秀なネゴシエイターらしい…」と呟く。その後断層の起こった区画地下へ密かに土木作業班を送り込み、地下トンネルを開通させた様である。
余談
アーキタイプ等が潜むパラダイムシティの地下、『ネクロマンディオ』の名は古代ギリシャで冥府の神々を祭ったネクロマンサーが築いた地下神殿から取られている。ここに眠っていたアーキタイプは冥府の住人≒亡霊と言う事なのだろう。
『スーパーロボット大戦Z』ではボナパルトと共にアーキタイプ自体が複製され、(ボナパルト一機+アーキタイプ二機の小隊で)複数出現する。