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クメン王国

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くめんおうこく

クメン王国とは「装甲騎兵ボトムズ」に登場する架空の国。第2部の舞台でもある。熱帯性密林の広がる国土、泥沼の内戦や登場人物の名称など、第二次大戦後に紛争が相次いだインドシナ半島諸国がモデルになっている。

概要

ギルガメス連合の主星であるメルキア星ローラシル大陸の南端・バラミル半島にある王制の小国。首都はザイデン。百年戦争の被災や工業化により環境破壊が発生しているメルキアにおいては豊かな自然環境が残っており、農耕文化が盛んでそれを主産業にしている。古くからの王族が統治しており、国民の多くは農耕の神であるバン・ヌー神を信仰の対象としている。

メルキア内部の国だが珍しく親バララント派である為にメルキア連邦政府とは対立関係にあり、分離独立を目論む。

熱帯雨林が広大で、湿度も非常に高い。また生態系も豊富で単眼トカゲのキモブト、雑食性のリスであるアセカや蛭や毒虫、ワニなども存在するが、未踏の地域も多く伝染病を運ぶ生物も少なくない。

またの名を緑の地獄

またバランシングと言う独特な武術も存在しており、それは先端が三日月状になった槍で戦うと言うもの。

百年戦争終戦辺りから国家発展と生活水準向上の為に工業化や近代化が始まっていたが、そんな変化に付いていけずに反発する有力農民も多く、彼らはバン・ヌー神を御旗に掲げビーラーゲリラとして抵抗運動を開始、やがてクメン内の反政府勢力と結託した。更にはクメン王国の第三皇子であるヒロラム・カンジェルマンが近代化に反発するように、そんな反政府勢力を束ねて反攻組織神聖クメン王国を樹立し、クメン王国に牙を向く。そして内乱へと発展した。

クメン内乱

こうして始まったクメン王国と神聖クメン王国の戦いであるクメン内乱。

当初はビーラーゲリラの神出鬼没な戦いは正規軍を苦しめており、これに対して王国側はゴン・ヌー将軍率いるアッセンブルEX-10を始めとする傭兵部隊によって戦果を挙げていた。ウドから逃げた後のキリコもこのアッセンブルEX-10の一員として参加している。

しかし神聖クメン王国の陰には秘密結社が存在していた。彼らはこの内乱で二人のパーフェクトソルジャーの実験を行っていたのである。

また政府軍に協力するスタブロス(実は「ブランバンドール・スキャンダル」での容疑者の一人スヌーク少佐)と言う貴族は付近の住民から過剰な取り立てを行い、更には「狩り」と称してビーラーゲリラを血祭りに上げていると言う始末であった。

後にビーラーゲリラに悩まされていた王国政府は100年戦争終結によりクメン対策に余裕が出来たメルキア政府に恐れをなして彼らと結託し、王国側が優勢となっていき、ビーラーゲリラを含む神聖クメン王国は劣勢に追い込まれていった。

そして戦局不利となったビーラーゲリラは、根城であるカンジェルマン宮殿ムラハに立て籠もり、ここでの最終決戦において途中で介入してきたメルキア軍の部隊の無差別攻撃により壊滅した。またこの無差別攻撃によりゴンらアッセンブルEX-10も壊滅させられた。これは内戦終結によりクメン政府にとって用済みとなり、さらにメルキア軍との裏取引で機密情報を知る傭兵部隊を排除し、戦後処理を容易にするための処置であった。

だが神聖クメン王国の壊滅は指導者カンジェルマンの真の目的でもあった。近代化を望んでいたものの王族による改革が限界と断じた彼は自分が反対派を全て集めた上で自分ごと排除する事でクメンの早期近代化を図ったのであった。

クメン共和国

内乱の後にクメンは再びメルキアの傘下となり、後に共和制に移行、元EX-10の隊員だったポル・ポタリアも政界に進出して近代化を推進した。

だがそれでも平和が訪れておらず、近代化に反対する勢力も存在したままで、何度もクーデターや政権交代が繰り返されており、政情は安定していなかった。

どうやらこれはメルキア援助の下で行われるはずの近代化と言う当初のプランが第4次銀河大戦の勃発(100年戦争の再開)により頓挫してしまった事と、王室を廃止したことで民衆が心の拠り所を失った事が原因と思われる。

そして内乱から32年後の7247年ではポタリアは大統領にまで上り詰めて近代化に尽力していたがそれが結果的にクメン軍カンナム将軍のクーデターを引き起こしてしまい、それにより失脚してしまう。

地名・施設名

  • ザイデン

クメンの首都。幻影編では市街戦が行われていた。

  • ニイタン

ムナメラ河沿いの小都市。この郊外にはアッセンブルEX-10の基地があり、同部隊の後方補給基地としての役割を担っていたが、そのためにビーラーゲリラに狙われて壊滅した。

  • ファンタムクラブ

ニイタンにあるバニラ・バートラーブールーズ・ゴウトココナが経営する飲み屋。

店名はバニラたちがいつかキリコが来た時にピンと来るようにとファンタムレディーにちなんで付けられた。

傭兵たちの憩いの場だったが後にゲリラにより壊滅する。

幻影篇ではバニラとココナの為にゴウトが当時のままに再建し、1夜限りで営業し、逃亡中もポタリアもやってきた。だがキリコを探すネクスタントの攻撃で壊滅する羽目に。

  • ムナメラ河

クメン王国を流れる大河。この河の蛇行によって無数の三日月湖が生じている。

  • ゾンム村

ニイタン市より上流80kmにある小村。ゲリラの根拠地だった為、アッセンブルEX-10の傭兵部隊により焼き払われた。

  • ラモー寺院

ムナメラ河沿いにある大きな寺院。特殊任務を遂行中にカン・ユー大尉の独断より破壊された。

  • カンジェルマン宮殿

神聖クメン王国の本拠地。内乱の最終決戦地となった。メルキア軍の無差別攻撃により壊滅した。

  • リーニングタワー

クメンの近くに落下したケルビン級宇宙戦艦で地上に突き刺さったまま傾いた塔のようになっているからこの名前が付いた。

そこにはブランバンドール・スキャンダルの容疑者の一人のゴルフィ軍曹も潜んでいた。

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