概要
馬を乗りこなしながら弓矢を扱う兵士のこと。スピードを重視して重く頑強な防具を身に付けることは少なく、突撃力を重要視した槍騎兵と比べ軽武装であることが多いが、重装備の弓騎兵も存在する(鎌倉時代頃までの武士など)。
東は日本、西は東ヨーロッパ・アラブ地域までの広い範囲に存在していたが、西ヨーロッパや南米大陸では、このようなタイプの騎兵は存在しなかった。前者の理由として騎兵(=貴族階級)は白兵戦突撃により敵軍を破砕し蹂躙するモノであり、弓矢は平民が扱う武器であって騎兵が戦場でこれを使うのはご法度という認識が強かったためである。
中南米に関してはそもそも馬がいなかったこともあり、乗馬という文化がなかなか育たなかった。一方北米の先住民の中には、白人が持ち込んだ馬の価値をすぐに理解し、自分たちの生活に取り入れた部族もあった。
中国では春秋・戦国時代まで戦闘馬車が主流で、直接馬に跨るのは野蛮なこととされていた。紀元前307年、趙の武霊王が遊牧民の服装と騎射術(胡服騎射)を採用し、中華世界でも騎兵が誕生した。