もしかして→タウリエル
TESシリーズの設定について
そのほとんどは発言者の思想全開のセリフや、著者の主観の入った書籍で解説されるため、我々の現実サイドによる発表以外は新作の度にいくらでも覆せる形となっている。
なので、可能なら、どの作品のどんなシーンやアイテムに書かれていたか出典を添えていただきたい。
ほとんどの設定に「著者がデタラメを書いていた」「むしろ作中の世間一般で信じられている情報こそ嘘」といった疑念がいくらでも付き纏うのである。
さらには世界レベルで人の記憶を改鋳できる存在がいたり、ESOでは時空を超えて未来の書物を引き寄せる書庫まで登場したため、本の出版の日時から推測した時系列すら信用ならないのだ。
概要
呼称 |
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面積 | 1,200万平方km (※1) |
言語 |
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歴史 |
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The_Elder_Scrollsシリーズの舞台であり、現世ムンダスに存在する惑星ニルン最大の大陸。
タムリエルとはエルフ語で "Dawn's Beauty" (暁の美)という美しい意味がある。(※3) しかし実際には、この巨大な大陸では多数の種族による戦乱が絶えない。
種族の多くは4000年以上前に他の大陸から渡ってきた入植者の末裔である。特にレマン朝第二帝国崩壊後の諸勢力群雄割拠下で数百年に渡り繰り返された凄まじい殺し合いにより、いつしか大陸は深い悲しみを込めてArena (アリーナ、闘技場)と呼ばれるようになった。(※3)
- 『TES1:Arena』の取り扱い説明書より。ただし、面積については「最大」であり、縦横の距離には変動の余地が残されている(縦2k~3k、横3k~4kと表記されているため)。
- 資料や書籍でも表記が違うため、統一言語の正確な名称は不明。地球での英語に相当する言語と表記がタムリエル内での共通語として用いられている。
- 『TES1:Arena』Main Quest: Introduction Scene.
種族
The Elder Scrollsシリーズでは主に10の種族が存在する。もちろんここに挙げていないだけで、実際にはもっと多くの個性豊かな種族が登場する。
ここに挙げた種族は基本的に殆どの作品で主人公として選択可能なものである。
人間
いわゆる普通の人間。特別な能力こそ少ないものの、得意スキルのバランスが良くなんでもこなせる安定性がある。
古代ノルドが二番目にタムリエルに渡り、古代エルフ族を追い落としていったという歴史を持つ種族。
個別記事がある人種についてはそちらで詳細を参照。
Imperial
作中で最も多く見かける人間の種族の一つで、元々は古代エルフの奴隷階級であったシロディール地方(Cyrodiil)の人々である。
彼らは圧政を敷いた古代エルフに対し反乱を起こして勝利したのち、現在タムリエル大陸を支配している人間の帝国(Imperial)の支配層となった。
武術や商売などの才能に秀でた者も多いほか、教養が高く外交官や学者といった知的な職に就く者も多い、最もバランスタイプな民族。
現実世界のラテン系民族、特にローマ帝国の人々がモデルとなっている。
彼らの帝国がタムリエル大陸の中心部に位置するという地理的な的事情から人間以外の他種族とも関わりが深く、特に同盟に積極的で歴史的に様々な民族の文化・長所を柔軟に受け入れ、繁栄させてきた。
一方で過去に戦ったアイレイド(古代エルフ)、東のアカヴィリなどの軍隊から兵装や戦略の知識を学び、時にデイドラやドワーフの秘宝(ヌミディウム)をも用いて幾度もの戦争を勝ち抜いてきた。
Nord
タムリエル大陸に現在住んでいる、ほぼ全ての人類の起源につながる種族。
遥か遠い昔、北の海の果てのアトモーラ大陸と呼ばれる極寒の大陸から現れたとされ、先住していたスノーエルフとの間に血みどろの戦争を繰り返して最終的に北方のスカイリム地方(Skyrim)へと定住するに至った。
長らく寒い地方に暮らし続けた民族のため寒さに並外れて強く、大柄で屈強な人々が多い。
現代でこそ魔法よりも物理戦闘が大の得意な生粋の脳筋……狂戦士タイプだが、学問のヘッポコ具合はさておいて意外にも実用的な航海術や識字率などはそこそこ高く交易も盛ん。
山を隔てた南方のインペリアル(帝国人)とは人間の種族同士で同盟関係にあり、歴史的にも関係が特に深い。
"ノルド"の名前通り北欧系(特にゲルマン人やデーン人)がモチーフで、肉食中心の食文化や服装等にも共通点が多い。
Breton
北西の山岳地帯、ハイロック地方(HighRock)に起源を持つ人々。元々は古代のノルドとエルフたちの血統を継いだ種族であるためか、非戦闘系の魔法に大きな適性を持つ。
魔術師、魔法戦士向きで現実世界のケルト人がモデルとなっており、デフォルトでは男女共にキャラメイクで比較的美人がつくりやすい。
高い山脈が連なる地域の特性のためか多数の都市国家に分かれての暗闘を繰り返すきらいがあり、長らく一致団結して侵略に出ることは少なかった(三旗戦争は例外の一つ)。その代わり外部に対しては人間、エルフを問わず比較的友好的で、人間とエルフを折衷した独自の文化的伝統を守ってきた。
Skyrimのリーチ地方にも元々はブレトンが多く住んでいたが、他地域の侵略に絶えず晒されてハイロックのブレトンより閉鎖的傾向が強い。現在では彼らの"特に"過激な一派がフォースウォーンと自らを呼称し、蛮族にしてテロリスト集団として暗躍している。
Redguard
古代に西の果ての海に存在した幻の大陸ヨクーダ(Yokuda)から海を渡って移住してきたとされる人種で、現在は大陸西部にある灼熱の砂漠地帯ハンマーフェル地方(Hammerfell)に多く住む。
ノルドとは別の起源でタムリエル大陸に移住したという異なる経緯があるものの友好的で、他の人間種とは持ちつ持たれつな同盟関係を維持している。
一方で南方の島々に暮らす傲慢なエルフとは歴史的に争いが絶えることはなく、犬猿の仲。
アラビアや北アフリカの人々がモデルとなっており、黒い瞳に色黒で堅牢な体を持つ民族。
遠近両用の戦闘スキルに適性がある他、軍隊では優秀な指揮官や斥候になっている人も多い。
エルフ
今でこそ日本のサブカル界隈ではエルフ、ダークエルフといえば美少女が定番であるが、USAのベセスダ社が贈るThe Elder Scrollsシリーズではエルフで美少女など存在しない。
冷酷な表情を貼り付けたような吊り上がった目や尖った風貌が種族の特徴で、特にSkyrimより以前のエルフ種はニタリと笑ったチベットスナギツネ顔や百物語に出てきそうな妖怪じみた風貌のエルフが10割を占めていた。
エルフの種族全体の傾向としてはやはりイメージ通りに魔法関連が大の得意で、また隠密・弓スキルなどの主に一つの分野に特化している場合が多い。
古代エルフ族(アルドマー)は、アイレイド、スノーエルフ、ディレンニ族などの同族に分かれて、歴史上最初にタムリエル大陸の各地を支配した種族だった。しかし、その傲慢な振る舞いが災いしてかその後に大陸に渡来した人間たちによって反乱を起こされてしまい、最終的に大陸各地で内部分裂を起こして瓦解してしまった。
各人が何百年と生きる長い寿命を持つ為か非常に保守的で、現在でも古代エルフの正当な後継者を名乗っている南方のハイエルフ族(Altmer)は戦争から数千年経った現在でも人間種、中でもとりわけインペリアルやノルドたちとの相性が悪い傾向にある。
High Elf(Altmer)
大陸南部に位置する温暖なサマーセット諸島(Summerset Isles)を故郷とするエルフ種。
名前通りすらりと伸びた高い身長が特徴で、美しい黄金色の肌を持ち、長命かつ非常に頭が良い。
自らを古代エルフの後継者と自負するだけあってその魔法の卓越した技術は天下一品で、そして歴史的にも彼らの生み出してきた魔法関連の道具はとても強力。
文化的にも進んでいる誇り高き種族だが自惚れがいささか強い傾向もあり、傲慢な性格だったり、野望ゆえに邪悪な魔道士になったりして大変な事をやらかす者もいる。
一方でアンカノやマニマルコのせいで何かと高慢なイメージのぬぐえない種族ではあるものの種族全員が京都人気質全開ということではなく、むしろその逆をいく心優しきエルフもいる。
帝国の内で人とも獣人とも仲良く平和に暮らしている人物も数多く存在する。
Wood Elf(Bosmer)
大陸南西部の温暖な密林・草原地帯、ヴァレンウッド地方(Valenwood)が故郷のエルフ種。
ひときわ小柄で耳が長く、都市的な文明の発達よりも森の中で生活することを選んだエルフを先祖に持つ。
伝統的に植物こそが神聖なものであるとして自然を崇拝しており、草花は口に入れず動物由来の肉のみを食べる習慣が根強い。
特に弓矢の扱いは超一級品の猟師が多く、隣国との戦いでも数多くの戦功を重ねてきた一方で、彼らの「周囲の木々の声を聞くことができる」という種族の特性が災いしてか、故郷の森から離れたウッドエルフたちは精神的な不調に陥ってしまうことも。
本編に登場するウッドエルフの多くが頭のネジが1ダースほど飛んでいたり、オタク気質を拗らせすぎた超マニアの存在がやたらネタにされる。
Dark Elf(Dunmer)
大陸東北部の火山地帯、モロウィンド地方(Morrowind)を故郷に持つ黒い肌、赤目のエルフたちのこと。
元々はチャイマー(Chimer)と呼ばれた、美しい黄金の肌のエルフの一族だった。
しかし古代チャイマーの王インドリル・ネレヴァルが謀殺され、ロルカーンの心臓を奪取した王の側近:トリビューナルのヴィヴェクたちが不死の現人神の力を得てしまう。
彼らのその思い上がった行動が、それまで彼らを数百年以上に渡って守護していたデイドラの女神アズラの激怒を買ってしまい、ダークエルフは種族そのものに呪いをかけられて現在のような姿になってしまったという。
第四紀では狂気のデイドラ王シェオゴラスが引き起こした隕石の衝突で、彼らの故郷であったヴァーデンフェル島(Vvardenfell)が壊滅しており、ダークエルフの一部がスカイリム地方に近いソルスセイム島に落ち延びている。
歴史的背景から彼らはやや排他的な性格で一見すると付き合いが悪いものの、仁義や友情を重じており家族や祖先を非常に大事にする傾向が強く、たとえ傭兵であっても仲間思いの者が多い。
エルフ種としては珍しく人間との交友関係を重視しており、お隣の帝国やスカイリム地方のノルドたちと同盟を結んだことも一度や二度ではない。
祖先の霊の力を借りる魔法を使うことができ、隠密活動や魔術師が得意。中には魔法剣士タイプも。
Orc(Orsimer)
要はオーク。筋骨隆々で醜い外見だが事情ありな民族で、タムリエル大陸ではエルフ種に分類される。
その外見から歴史上常に苛烈な迫害を受け続けており、古代オーシマーの故郷であったオルシニウム(Orcinium)が滅びた現在では故郷と呼べる土地さえ持ち合わせていない亡国の民である。
元々はトリニマックという戦神を崇拝する美しいエルフの一族だったが、彼が裏切りを司るデイドラのボエシアに喰われてしまう。
そして敗北したトリニマックが復讐を司る醜い姿のデイドラマラキャスとなった際に、その信徒であるオーシマーの外見も呪いで醜く変貌してしまった悲しき歴史が存在する。
エルフでありながら本編屈指の近接戦特化型であり、たとえデイドラが相手だろうと挑む強い勇気・忍耐力・忠誠心などが評価されて帝国内では社会的に地位の高いオークも数多い。
エルフ種族らしく、料理や芸術に関係する面で天性の才能を持った多くのオークも存在する。
(また、外見なども最近のゲーム中ではようやくマシ(3作目以降は敵からプレイアブルへと昇格し、最新作では頑張ればなんとイケメンのオーク男性も作れる)となっている。)
獣種
いわゆる獣人種のこと。
それも日本のアニメによくあるスゴイカワイイな獣耳しっぽ程度ではなく、ガチの獣。
それはそれでその手の方々は歓喜するとかなんとか。
当然というか何というか、ケモ性癖におおらかな海外ではファンアートがやけに充実している。
種族としては本当に多種多様で、なんと中には生まれた月の満ち欠けで姿が変わるというユニークな特性を持っている不思議な獣人の種族も。
また、どこか憎めない愛嬌を持つ獣人も多いとムアイクは聞いた。
人間や古代エルフたちが現れるよりずっと以前の昔からタムリエル大陸に住んでいたとされるが、彼らの住む地域が文献が残りにくい過酷な地域だったりする上に、時代が古すぎるあまり文献は少ない。
カジートとアルゴニアンたちの歴史には多くの暗闇と未知が眠っている。
Argonian
トカゲがモチーフの冷静沈着な人型の爬虫類。
南東部のブラックマーシュ地方(Black Marsh)という有毒生物や病原菌が蔓延る熱帯雨林に住み着いている種族で、あらゆる薬草を用いた錬金術、回復魔法や隠密技能に長ける。
感情をほとんど表に出さず腹の底が読めない者が多いと言われるが、敬意や忠義には厚く友と認めた相手のためには文字通り死ぬことさえ厭わない。
一方で、成長の途中で性転換したり、卵から生まれたり……と数ある種族の中でも根本的に何かが違う気がする。
虚無の神シシス(Sithis)を信仰するものも多く、他の地域とも全く異なる独自の文化を発展させてきた。
個人ではともかく種族としては近隣のダークエルフと深い因縁があり、隣接する地域ではいつ戦争の火種が起きても不思議ではないほど険悪な関係にある。
これにはアルゴニアンがダークエルフ貴族階級の労働奴隷であった時期もあれば、一転して破局噴火で故郷に壊滅的被害を受けたダークエルフの窮地を見計らってここぞとばかりに侵攻したなどの血みどろの歴史に関係している。
また、何故か作中でエロ本があったり、四作目のオブリビオンではヒロイン枠がこの種族だったりする。
Khajiit
カジートは猫たちがモチーフの温厚な獣人であり、エルスウェア地方(Elsweyr)という南方の山岳・砂漠・密林にまたがった広大な地域が故郷。
月の満ち欠けに強く影響される種で、生まれた時の月齢によって兄弟姉妹でもまるで異なるネコ科動物のように全く違った姿に変化する。
ライオンのように巨大で戦い慣れたカジート種から、小さなイエネコのようなカワイイ...魔法に秀でたカジート種まで、姿の異なる亜種が20種近く存在するのだ。
ただし故郷エルスウェア以外で見かける最も一般的なカジートは、ほぼ人間のような体格で二足歩行する猫という姿である。この亜種は正式には「シュセイ・ラート」と呼び、隠密やスリ等を得意とし盗賊や軽戦士向きの種族となる。
歴史的にエルフとも人間とも商売相手として非常に仲が良いようでいて、時に片方を出し抜いたり裏切ったり、時に勝利を収めた方と何食わぬ顔で同盟を締結する……という、本当に独特としか言いようがない不思議なカジート外交を披露する。
また、カジートたちにはムーンシュガー(Moon Sugar)やスクゥーマ(Skooma)といった他種族にとっての麻薬となる薬物に強い耐性があるためそれらをスナック感覚で持ち歩く猫たちも多く、うっかりそれらを悪気なしに人間に売ってしまうことで以後カジートが街を出入り禁止になったり……といった文化理解関係のトラブルが発生することも稀によくある。社会からの風当たりはまだまだ強い。
カジートの一人一人は人間的にとても付き合いやすい者も多く、陽気で会話・ジョークを好み、表裏のない気分屋な性格の者が多い。
一方で、たまにポケットに手が滑ってしまうこともまたご愛嬌。社会からの風当たりはまだまだ強い。
古代の種族
Nede/Nedic
北方の海の果てのアトモーラ大陸から移住してきたノルドたちを指す古い呼び名で、五作目SKYRIMでは古代ノルドと呼ばれている人々。
ネディック人、ニード人、ネード人とも。
西の海から現れたレッドガードたち以外のタムリエル大陸の人間たちの共通の祖先で、特に現在のノルドはこのネディックたちの直系の子孫とも言える。
Aldmer
南方のアルドメリス(Aldmeris)からサマーセット島に移住して魔法文明を築いたエルフ族。
タムリエル全てのエルフ族の先祖であり、中でもハイエルフが彼らの直系の子孫に当たる。
その他の種族
シロディールを中心に生息していたアルドマーの派生種族。「ワイルドエルフ」、「ハートランドのエルフ」とも。
現在から見ても凄まじい魔法文明を築き上げて、人間たちを奴隷として繁栄していたが、竜神アカトシュの加護を受けた人間たちの反乱によってほぼ絶滅しているとされる。
(この反乱は、反乱を率いた女性の名からアレッシアの乱と呼ばれている。)
タムリエル各地にアイレイド特有の白い石造りの遺跡と、凄まじい魔力を秘めた古代遺物の数々を残している。
生きていた頃はプライドの高さ、傲慢さはアルトマーをさらに上回っていたという。
ドワーフとは、ドゥーマー(Dwemer)の呼び名の方が有名なエルフの一種族。ディープエルフとも。というわけで、The_Elder_Scrolls世界のドワーフはエルフの一種。
魔法とは一風変わった独自の鋳造・機械技術による科学文明を築き、大陸北部の火山や山岳地域の遥か地下に機械仕掛けの地底都市を築いていた。
皆ともに男女の違いなく髭を伸ばし、背は子供のようであり、そして陰険で残忍な性格であったとのこと。
彼らの作った創造物の中でも"真鍮の塔"と呼ばれる、山のようなサイズの巨大な機械仕掛けの戦士「ヌミディウム」は後に帝国の皇帝「タイバー・セプティム」がハイエルフたちとの戦争時に貸し出され、攻城兵器として使用されることになる。
しかし、ドワーフたちの常軌を逸した機械信仰・知識の探究熱はとどまるところを知らず、遂に「ロルカーンの心臓」という決して触れてはならない現世の禁忌に触れてしまった。
今では、彼らの残した数々の機械文明の痕跡とオートマトン(機械人形)たちが主人無き今も地下で動き続けるのみである。
一瞬で忽然と消滅してしまった彼らに何が起きたのか?
彼らが禁忌に触れ、「種族ごと跡形も残らず消えた」際、一体何がその場で起きてしまったのかは誰にも分からない。
日本語版では「ドゥーマー」と表記されるが、英語の発音では「ドウェマー」の方が近い。
ファルマー(Falmer)
現在は地下深くに住む盲目の残忍な怪物だが、かつてはスカイリムの地を支配した誇り高いエルフ種スノーエルフたちの成れの果て。
当時アトモーラの大地から入植してきた人間の新勢力に危機感を抱き「タムリエルを脅かす害虫」として彼らの抹殺を企てたものの、虐殺を生き延びた人間の英雄イスグラモルがアトモーラ大陸から500人の同胞団という戦士団を連れて帰還し、ここから人とエルフの戦争の歴史が始まることとなる。数々の大戦の果てに敗れたスノーエルフの王国は雪の王子の死をきっかけに終焉を迎え、スカイリム地方は人間の手に落ちた。
しかしスノーエルフの一部は戦争を生き延び、反撃を狙うべく地底へと潜伏した。ノルドへの復讐を誓う彼らたちの残存勢力は、「同族であるエルフを受け入れよう」と申し出たドワーフたちと同盟したのだ。
しかし、安全に匿われたはずの彼らを待っていたのは地下での凄惨極まりない拷問の日々であり、毒の菌類を食事に混ぜられて盲目にされた彼らは奴隷となり、奴隷として数千年を地下で過ごしたスノーエルフは知性を失い、獰猛なファルマーとなってしまった。
知性に加えて魂までも劣化しているのか、TES5では人の魂が入らないはずの黒くない魂石でも魂縛できてしまう。
また、本来は他のエルフ同様「ファルマー」であるものの、日本語版では誤訳によりファルメルと呼ばれている。
ヒストの木(Tree of Hist)
ブラックマーシュ地方の各地に生えている霊魂の樹木と呼ばれる巨大な樹木で、このヒストの木は見えない根を通じ、精神的に一つにまとまっているとされる。
会話する力はないものの樹そのものにもアルゴニアンと深いつながりがあり、時に強い意思を持ち、遠い地方に住む仲間にも意思を伝えることがある。
アルゴニアン文化の方でも伝統的にヒストの樹を大事なものとして扱っており、その樹液は儀式に使われる。
大陸の外の種族
タムリエル大陸の遥か東の彼方、海を隔てた先にあるとされるアカヴィル大陸の民。
特に不老不死の半人半蛇の民「ツァエシ」の代名詞にもなっているが、一応この名称は彼ら以外にも東の大陸に居るらしい猫と龍神の「カ・ポ・ツン」、そして猿人の「タング・モ」、北方の魔族の「カマル」など……それぞれを大雑把に括った総称とのこと。
半人半蛇の民族である不死のツァエシが長らく有力な勢力であり、どこか日本にも似た某極東の島国風の鎧甲冑が特徴的。
この大陸にエルフはおらず、遥か以前に人間が居たらしいものの詳しいところは不明。
定期的にタムリエル大陸に侵攻してくる何とも不思議な東洋の異民族であるが、タムリエル同様に大陸内で熾烈な内戦が続いているらしい。
アカトシュやドラゴンボーン発生にも一枚噛んでいるらしく、歴史的には帝国の成り立ちと切っても切れない関係である。
マオマー(Maormer)
マオマーと主に呼ばれるタムリエル以南のピアンドネア諸島(Pyandonea)に住む海の生活に適応したエルフたちで、青白い肌色や蛇の鱗状の肌が特徴的。
シーエルフ、もしくはトロピカルエルフとも呼ばれる。
同じエルフでありながら、近辺のサマーセット諸島に暮らす魔法文化に特化したハイエルフ達とは性格も文化も何もかもが全く折が合わず、何百年にもわたって幾度となく激しい戦いを繰り広げている。
スロード(Sload)
スラス群島、コーラル王国(もしくはサンゴ王国)の種族。
ナメクジやカエルのような姿で魔法能力が高い。特に死霊術などが得意。
法律と忠誠などを尊重しているが、その真意は利益目的。最大の利益に繋がるのであれば、誘拐や冒涜、殺人や虐殺など、非道徳的行為にも躊躇がない。挙句にデイドラと協力することすらあり、別名は"神を信じない種族"。
彼らの伝承や神話に登場する英雄たち成功までに長い計画や熟考を重ねており、逆に悪役は素早い思考と勇敢な行動で失敗している。このため慎重さや熟考を好み、逆に無謀さや速さを嫌う風習がある。故に「Adventure」を彼らの言葉に訳すと「悲劇的な災害」となる。第一紀にタムリエルに侵攻し、「スラシアン疫」と呼ばれる疫病をばら撒いてタムリエル中の種族を滅ぼしかけた。
結果、当時のアンヴィル王によって生息地ごと滅ぼされたはずだったが後に復活している。
ドラゴン(Dragons/Dov)
九大神の主神たるアカトシュによって生み出されたとされる地上最強の生物。
本能レベルで支配者としての性質を刷り込まれており、最も古き時代にタムリエルの空を支配し、ひいては現世そのものを世界征服しようとすらしていた。
凶暴で強大、残酷な本能を持つ一方で、支配者として生み出されただけあって戦いにおいても礼儀を重んじ、現世における絶対的な強者として名乗りは欠かすことはない
人・エルフを遥かに凌駕する知的生命体のため善悪色々な者がおり、多くの竜が強者を頂点とした絶対的な階級社会を構成するその一方で、竜として生まれ持つ自身の本能を、慈悲に満ちた哲学と瞑想で抑えることで人との共生の道を選択した心優しきドラゴンもいる。
竜は完全に不老不死の霊魂を持ち、長い年月埋められ白骨化してもそれは眠ってるような物にすぎず、蘇ればまたたく間に血肉を取り戻す。完全に滅ぼすには定命の体に竜の魂を宿す者、人の形をしたドラゴンである**ドラゴンボーン**が対象となる竜の魂を食らう以外にない。
そして彼らの発する言葉の一つ一つは極めて強大な魔力を秘めた竜言語魔法「シャウト」であり、叫んだ竜語は具現化し、天気さえ単語一つで変化させ、大地を焼き尽くす。
ドラゴン同士の戦いは文字通り声こそが力。次元の違うレスb…論争にほかならない。
地理
勢力の区分けはTES5(第4紀201年)でのもの。
帝国領
第一紀に古代エルフであるアイレイドの奴隷であった人間たちが女王アレッシアに率いられ反乱を起こし、アイレイドを滅ぼし、ここに大陸最初の人間の帝国を樹立した。
アレッシアは竜神アカトシュに祝福を受けて「王者のアミュレット」を授けられ、以降アレッシアの血族に竜神の加護が宿り現世を守護してきた。帝国はアカトシュを主神とする八柱のエイドラの神々からなる八大神の教えを保護し、その見返りにエイドラの加護と、異界に住む魔族デイドラによる現世の侵略を防ぐ結界が与えられるという契約を正当性の根拠とする。
王朝は何千年かの間に幾度かの興亡を繰り返しながらも、第四紀のミード朝の皇帝までアレッシアの血族「ドラゴンボーン」であるとされている。
特に第三紀のタイバー・セプティム皇帝時代に帝国は全盛期を迎え、タムリエルの大陸のほぼ全土を支配するまで勢力を広げたが、そのセプティム朝の血筋が絶えて久しい現在の帝国は権威的も軍事的にも目に見えて勢いを失い、領土がかつての半分以下にまで衰えてしまっている。
Cyrodiil
シリーズ第三作目のTES4:Oblivionの主な舞台となる、タムリエル中央部の地方。
大陸全土から見てほぼ中心に位置し、帝都インペリアル・シティ(Imperial city)を有する帝国の軍事・政治的中枢。
ここは緑豊かな草原が広がる肥沃な土地でもあり、この豊かな地で幾度となく人間・エルフの国々が栄えてきた。
最も中央に位置するハートランド島が特徴的で、ここに存在する巨大な建造物「白金の塔」を含め、各所にかつて栄華を極めたアイレイドの遺跡やその他様々な文明の遺物が今なお点在する。
そしてシロディールの中でもとりわけインペリアルシティ(帝都)には様々な人種が暮らしており、タムリエル内でも有数の国際色溢れる都市となっている。
帝都の外側には六個の強固な城砦都市+無数の砦という信じがたいほど強固な防衛網が存在するほか、最西端のアンヴィル&クヴァッチ砦や最南部の城砦都市レヤウィンなども幾度となく大激戦を勝ち抜いてきた。
……TES4本編だと緊急事態のためか、あまりにもボロボロ……大目に見てあげてほしい。
High Rock
ハイロックとは、大陸北西のブレトン領・及びオーク領の山岳地帯、全体として巨大な半島になっている。広大な森林が広がり、一部は荒野や雪山となる。いくつかの大都市も存在し、主に貿易の拠点になっている。
西端の大洋に面しているのがグレナンブラ地方、深い森と広大な湿原が広がる。
主な都市はイリアック湾から大洋に出る貿易港のダガーフォールで、北部の丘陵にカムローンがある。
半島中央の南部がストームヘヴン地方、森が比較的開発されて農地が多く、狩猟、漁業、貿易も合わせて経済的に栄えており、ここの主要都市は中央部海岸にある貿易港のウェイレスト、西北部のアルカイア。
半島中央の北部は リベンスパイアー地方、岩山が多く荒野が広がる。吸血鬼が現れるという噂もある。主要都市は南にあるショーンヘルムと北の海に面したノースポイント。半島のつけね東端の南部はバンコライ地方。北バンコライは森林が広がりブレトンが居住するハイロックの一部だが、南バンコライはアリクル砂漠の一部であるレッドガード領でハンマーフェルに含まれる。リーチの民が度々急襲する。北バンコライの中心地はエバーモアという都市。
ハイロック東端には雪深いロスガー山脈が位置し、山を隔てた先にスカイリム地方が位置する。
ここは鉱業や牧畜などが主産業で、オークやリーチの民、ノルドが多く住む国境地帯となっている。(※オーク族の悲願の王国:オルシニウムはこの地域で滅亡と再建が繰り返されている。)
長年いくつもの都市国家による戦乱続きの危険地帯であり、イリアック湾を挟んだハンマーフェル北部も含めて無数の都市国家に分かれて戦争と政争に明け暮れていた。しかしTES2『ダガーフォール』にて「西の歪み」事件が起きた結果、西部グレナンブラ地方の中心都市ダガーフォール、中部ストームヘヴン地方の港町ウェイレスト、オーク族の都オルシニウム、イリアック湾を挟んでハンマーフェル北部のセンチネルの4都市国家のみとなった。しかもこれら都市は親帝国の立場を取るという共通性もあり、以後「奇跡の平和」(Miracle of Peace)と呼ばれる比較的平穏な情勢が続いている。
Aldmeri Dominion
第2紀に「アルドメリ・ドミニオン」、第4紀に「アルドメリ自治領」と同じ名前の国が登場するが全く別の国家。詳細はそれぞれの記事参照。
TES5ではアルドメリ自治領と訳す(Aldmeriは「アルドマーの」という意味なので、アルドマー自治領、もしくはアルドメリ・ドミニオンとすべきかもしれない)エルフ至上主義組織サルモールとその傀儡国家。「帝国が自治権を与えた半独立国」と言った帝国側から見た位置づけで自治領(Dominion)と呼ぶのだろう。だが今やその領土の広さ、国力とも帝国を上回り、帝国の存亡を脅かす存在となっている。
Summerset Isles
大陸南西の離島でハイエルフ領。最大の島サマーセット島は、古代の水晶の塔が聳える魔法文明の発祥地である。穏やかな気候と豊かな自然の中に優美な白亜の建築が建つ美しい土地。第四期ではエルフ至上主義者の組織「サルモール(Thalmor)」が支配するAldmeri Dominionの中核。アルトマーの王家を始め、サルモールに反対する勢力は激しい粛正で壊滅した。
二番目に大きな島はオーリドン島(Auridon)である。サマーセット島と大陸との間に位置する地勢を反映し、アルトマーとしては他種族に融和的な人々が多いとされる。
三番目に大きな島、アルテウム島にはタムリエル最古にして最強ともいう魔術結社、サイジック会がある。サイジック会からは魔術師ギルド創設者ガレリオン、悪名高き死霊術師マニマルコといった歴史的な魔術師が輩出した。入会も修行も困難を極め、その魔術は島ごと現世から数百年も隠れたり、嵐を起こして艦隊を壊滅させたりなど魔術師ギルドの魔術師には手に負えない超高度な技術を誇る。第四期にはサルモールとの対立を避けて島ごと隠れてしまった。
Vallenwood
大陸南西部に位置する、ウッドエルフたちの暮らす古代の森。
どこを見渡しても木々や鬱蒼とした森林が広がっており、ここの樹々たちは彼ら曰く意思を持って生きているのだとか。
帝国から見てすぐ南に隣接する地域でもあり帝国とのいざこざも絶えなかったが、一方で彼らの聖木や森の伝統(ウッドエルフ基準)を理解しない海の向こうのハイエルフにも嫌悪感を持つという複雑な地域でもある。
ここは山がちで起伏に富んだ密林地域でもある一方、平坦な地域ではサバンナのような草原も各地に広がっており、美しい自然や豊かな生態系がこの地域の自慢である。
西に海峡を隔ててサマーセット諸島のオーリドン島、東側は山や砂漠を隔ててエルスウェーア地方と国境を隣接する。
第四紀では、サルモールがこの地には正当な政府がないと主張し、反発を押し切り強引に統治下に組み込んでしまっているという。
Elsweyr
大陸南部のカジート領。北部は砂漠地帯、南部には肥沃な森林地帯などが点在する。
数多くの貴重なスパイス・香木の産地でもある一方、帝都では主にスクゥーマなどが原因で悪名高い地域。
エルスウェア地方の多くのカジートたちはリンメンやいくつもの都市ごとに分かれて暮らしており、あまりエルスウェア全体が一つの国家に纏まるような事態は珍しい。……そこは、やはり猫なので大目に見てあげてほしい。
カジートたちは伝統的に二つの月を崇めているのだが、ある時一時的に月が空から消失する事件が発生し、カジート達は大パニックを起こした。
その後、月を戻したと主張するサルモールの喧伝にまんまと乗せられてしまい、太古に存在したアネクイナとペレタインという二つの国に分割弱体化された上で、サルモールの支配下に置かれてしまった。
独立地域
Hammerfell
大陸西部のレッドガード領。
砂漠地帯のうえ岩山まで広がるが、水場や緑はElsweyrよりは多い。
長年の間は帝国領だったが「大戦」の末にアルドメリ自治領との和平が難航し、これ以上の戦争を負うわけにはいかない帝国の妥協策としてレッドガード領が勝手に割譲された結果に現地民が反発。
帝国軍もアルドメリ軍も追い出して独立を宣言した。
Black Marsh
大陸南東に位置する熱帯雨林・湿地帯でアルゴニアンの故郷。
有毒生物が多く暮らし、人間やエルフにとって危険に溢れた湿地帯なため長らくブラック・マーシュという呼び名で呼ばれていた。
(ブラックマーシュはタムリエル中のゴミが流れつく「ゴミ溜め」という意味の蔑称である)
詳細はアルゴニアン記事を確認して欲しいが、アルゴニアン自身はヒストがあれば何処でも故郷と見做し、この故国地域全体を呼ぶ名称を持たない。他種族が蔑称を避けてこの地域を呼ぶにはエルフ語の「アルゴニア」という呼び名がある。
モロウィンド地域の火山が噴火し、ダークエルフが窮地に陥ったタイミングでアルゴニアン達はチャンスを見逃さず侵攻し、混乱に乗じて大陸側の領土を奪取した。
混乱中
Morrowind
モロウウィンドは大陸北東部のダークエルフ領として第一紀から第三紀まで栄えてきた。第三紀末の混乱で統治者のヴィヴェクが行方知れずとなり、Morrowindを守護していた三人の現人神の消滅によって宙に固定されていた隕石「The Ministry of Truth」が落下。その衝撃で巨大火山レッドマウンテンの噴火とそれに乗じたアルゴニアンの侵攻により崩壊も同然の状態となった。ダンマーは北西部のレドラン領に退却して抗戦しているが、収容しきれずにスカイリムなどに難民として流出している。
また、オブリビオンの動乱やそれに伴ってアルゴニアン侵攻に帝国の援軍が来なかった顛末により反帝国感情自体は他地域同様に根強いものがある。
Skyrim
大陸北部のノルド領で、雪の多い広大な寒冷地帯。南部には温泉も存在する。
地域の特色としてタムリエル大陸最高峰の山脈「世界のノド」を有するほか、ノルドの民族的な英雄であるタロス神の祠をはじめ、各時代の様々な神殿が各地に眠っている。
「大戦」終結に伴い、帝国がサルモールとの戦後の協定でうっかり英雄タロス神の崇拝を禁止したことにより多数のノルド人勢力が帝国に反旗を翻してしまい、帝国側と反乱軍のストームクローク勢力とが長らく内戦に陥ってしまっている。
組織
戦士ギルド(Fighters Guild)
傭兵を雇用し、依頼に応じて派遣するギルド。
ネズミ駆除からモンスター退治、要人の護衛など様々な依頼を請け負う便利屋のようなギルド。
第2紀320年にツァエシのヴェルシデュ・シャイエによって設立された。当初はツァエシ語で「兵士」を意味する「スィフィム」という名称で呼ばれてた。
タムリエル全土に支部がある。スカイリムでは第2紀(TESO)はデイドラの大陸全土の戦いに対処する為か支部が存在するが、第4紀(TES5)では「同胞団」という同様な目的で太古から存在する組織が役割を吸収しており支部が登場しない。
魔術師ギルド(Mages Guild)
魔法と錬金術を研究する組織。
民間に魔法関連のサービスを提供しており、呪文の販売や魔術の訓練、錬金術の材料や器具の販売、転移魔法による転送サービス等を行っていた。
第2紀初頭にヴァヌス・ガレリオンによって設立された。ガレリオンによるその目的は、サマーセット諸島のサイジック会等の俗世から孤立した秘密主義結社による魔法技術の独占、またそれによる社会的な魔法に対する不信感の増大に対処する為であったという。またギルドは、それまでの難解な魔法学を整理し学びやすくする事で、より広い人々が習得可能な現在の魔法体系を生み出した。本部はシロディールのアルケイン大学に置かれ、タムリエル各地にそれぞれ現地の事情に合わせた自治権のあるギルドが設立された。
しかし第4紀初頭に「オブリビオン・クライシス」に関わったという批判を受け解散。シロディールの本部はウィスパーズ大学とサイノッドという組織の二大勢力に分裂し抗争している。TES5では、ウィンターホールド大学がほぼ同様の役割を果たす組織となっている。
盗賊ギルド(Thieves Guild)
盗賊やスリ、密輸業者などの組織。
「殺すなかれ、犯すなかれ、貧しき者から盗むことなかれ」をモットーに盗賊業は勿論、盗品の販売や盗みの技術の訓練、情報ネットワークの構成や遺跡などから「盗み出す」という建前でトレジャーハントなどを行っている。
非合法の犯罪組織であるが賄賂や犯罪者の受け皿といった形である程度黙認されており、その技能を頼りにして何としても自分の欲しい物を得たい、一族の家宝といった重要な品を奪還してほしい、相手に醜聞をかかせて貶めたい…そう望むが公には出来ない願いを抱いた一般人から権力者まで幅広い層の元客がいるのもそれを後押ししているのが現状。
また基本的に殺しに関してはご法度とされているが地域ごとに差があり、自衛の為ですらNGという厳しい所もあれば明確に「敵」だと判断すればやむ無し、という所も。
ただし裏切り者や大きな障害となり得る組織といったギルド全体を脅かす存在に関しては話は別で、その場合は構成員の中でも選りすぐりの人員を派遣し秘密裏に抹殺や恫喝という手段が取られる。
各地に存在するが横のつながりはほとんどなく、縄張り内での仕事を主にしている。
暗殺ギルド
モラグ・トング(Morag Tong)
第1紀からモロウィンドを拠点に活動する政府公認暗殺ギルド。その活動は原則としてトリビュナル及び五大家評議会すなわちモロウィンド政府から必要悪として容認されている。設立にはデイドラのメファーラが関わったと言われる。
ギルドから発行された令状の元に行われる殺人は白昼堂々行われようとも罪にはならない。そのため暗殺というより死刑執行という側面が強い。モロウィンドの名家同士の抗争に介入することで、大きな戦争にまで発展させないという潤滑油的な役割もある。
第4紀のレッドマウンテンの大噴火で機能を失い、メンバーは散り散りになった。
闇の一党(Dark Brotherhood)
第2紀の時代に上記のモラグ・トングから分離し、派生した暗殺ギルド。
教義の違いや暗殺の流儀、その他諸々の理由から昔から組織間で激しい対立が続いている。
モラグ・トングとは違って非合法の犯罪組織ではあるが、政府要人からの暗殺も請け負うなどの持ちつ持たれつの関係で黙認されている。
政府公認の暗殺集団として厳正かつ慎重に仕事を選ぶモラグ・トングと違い、依頼さえあれば仕事をする。
しかしモラグ・トングと同様にこの世界の治安の悪さが暗殺以前に戦争や動乱、そして大噴火でもうめちゃくちゃになってしまっている関係上、闇の一党も第4紀200年の時点でスカイリムのファルクリースの聖域を除いて壊滅してしまっている。
かつては盗賊ギルドとも険悪な関係であったが、上述の悲惨な状況から今は互いの構成員間でやり取りをして助け合うなど細やかな交流がなされている。
ブレイズ(Blades)
皇帝直属の親衛隊。
皇帝の護衛からタムリエル各地の諜報活動までを行う帝国軍のエリート集団。
第1紀のレマン王朝を創ったレマン1世の私兵「ドラゴンガード」が前身。
ドラゴンガードは元々アカヴィルでドラゴンボーンをリーダーにドラゴンを狩ることを生業としていた戦闘集団。シロディールとスカイリムの国境でレマン1世の声を聞き、彼こそドラゴンボーンであると認め従うことになったという伝説がある。
そのため装備一式はアカヴィル様式の物となっている。
ブレイズという名前になったのは第3紀のセプティム王朝の創始者タイバー・セプティムから。
第4紀に入るとミード朝の皇帝はドラゴンボーンでないとして付き従うことはやめ、独自に帝国のために活動を開始。しかし、アルドメリ・ドミニオンとの戦争で壊滅状態に追い詰められ、少数が身を潜めドラゴンボーンの再来を待ちわびている。
皇帝の護衛と諜報の任務は「ペニトゥス・オクラトゥス」という組織が引き継いでいる。
宗教
大きく分けてまっとうな神々であるエイドラ(もしくはエドラ)、邪神的存在であるデイドラに二分される。
ただしどこまで邪悪なデイドラでも絶対悪と言うことはおそらくない。9割9分邪悪でも残りの1%はポジティブな面をもっていたり、エイドラの善性に潜む矛盾に反骨していたりする。
エイドラもエイドラで一部には神託の素質のある子を親元から引き離して育てる風習がまかりとおっているなど、人類にとって有益であっても個人単位ではそうとは限らない面がある。
Daedra(デイドラ)
Oblivionと呼ばれる異界に住む不老不死の存在達。特に力の強いものはDaedra LordだとかDaedric Princeと呼ばれ神に等しい力を振るう。該当記事参照。
Aedra(エイドラ)
いわゆるタムリエルで信仰される神々のこと。種族によって信仰されるエイドラは異なり、あるいは名前が異なっても同じ神だと見なされる場合もある。各種族記事の信仰、および該当記事も参照。
暦
月
現実世界同様1年が12ヶ月になっており、各月の日の出に最も近い星座がタムリエルに影響を与える。大蛇座だけは例外で特定の月を持たない。
設定上は祝日があり、作品によっては酒が振る舞われたり、商品の割引きなどがあったりしたが最近の作品では反映されていない。下記の表の備考に記された祝祭日はTES2:Daggerfallのカレンダーに記載されていたものから抜粋。その他の祝日や詳細はこちらを参照。
月 | タムリエル | 日数 | 星座 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1月 | Morning Star(暁星の月) | 31 | 儀式座 | 1日に新年を祝う「New Life Festival(新しい命の祭典)」という祭日があり、エールが無料で配布される。 |
2月 | Sun's Dawn(薄明の月) | 28 | 恋人座 | 2日は「Mad Pelagius(マッド・ペラギウス)」という狂王ペラギウスの命日。愚行が推奨される日。 |
3月 | First Seed(蒔種の月) | 31 | 大公座 | 種まきの月というだけあって7日が「First Planting(最初の種まき)」という祝日がある |
4月 | Rain's Hand(恵雨の月) | 30 | 魔術師座 | TES5では「レインズハンド」と訳揺れもある。28日に「Jester's day(道化師の日)」というシェオゴラスが作ったと言われるどんちゃん騒ぎをする日がある。 |
5月 | Second Seed(栽培の月) | 31 | 影座 | 7日が「Second Planting(第二の種まき)」と呼ばれる祝日。 |
6月 | Mid Year(真央の月) | 30 | 駿馬座 | TES5では「年央」と訳揺れもある。24日はタイバー・セプティムの誕生日で中期タムリエル語で「Tibedetha(ティベサ、タイバーの日という意味)」と呼ばれる。 |
7月 | Sun's Height(南中の月) | 31 | 見習い座 | 20日は「Sun's Rest(太陽の休日)」という全ての商店が休業する祝日。この日に営業したら重い罰金が課される。 |
8月 | Last seed(収穫の月) | 31 | 戦士座 | 27日は「Harvest's End(収穫の終わり)」と呼ばれるいわゆる収穫祭。TES3~5はこの月から始まる。 |
9月 | Hearth Fire(薪木の月) | 30 | 淑女座 | 3日は「Tales and Tallows(物語と獣脂)」と呼ばれる霊が降りてくるとされる日。 |
10月 | Frost Fall(降霜の月) | 31 | 塔座 | 13日は「Witches' Festival(魔女祭り)」という、人々が奇抜なコスプレしたり、子供がお菓子をねだったり、カボチャのランタンが飾られたりと、いわゆるハロウィンみたいな祭の日。 |
11月 | Sun's Dusk(黄昏の月) | 30 | 精霊座 | 20日は「Warriors Festival(戦士の祭り)」という武器が半額になる日。 |
12月 | Evening Star(星霜の月) | 31 | 盗賊座 | 最終日は「Old Life Festival(古き命の祭典)」といういわゆる大晦日。 |
曜日
曜日はタムリエルも7日で1週間で各曜日の名前も現実世界のもじりである。
曜日 | タムリエル |
---|---|
日曜日 | Sundas(サンダス) |
月曜日 | Morndas(モーンダス) |
火曜日 | Tirdas(ティルダス) |
水曜日 | Middas(ミダス) |
木曜日 | Turdas(トゥルダス) |
金曜日 | Fredas(フレダス) |
土曜日 | Loredas(ロレダス) |
星霜の書
シリーズを通しての最重要キーアイテム。
「星霜の書」とは意訳で、原語でメインタイトル「The Elder Scrolls」そのもの。
要するにファイアーエムブレムとかドラゴンボールなどと同じくらいの大宝物(肩書の割に影が薄かったり扱いが雑なのもそれらと同じなのが玉に瑕)。
しかし、宝物としての格は上記のお仲間以上で、物理的には現在過去未来のすべてが記された全知の巻物という形状を取るものの、その本質は作中に登場する子供向けの伝記によると世界誕生の際の「創造の欠片」とされる。
また、聖蚕の僧侶のデキソンいわく書自体が意志を持っているとのこと。
聖蚕の僧侶
それほどの情報量に人の脳が耐えられるわけもなく、加えて解読は儀式的なものに近いため、常人なら読むだけで永遠に失明してしまう。そのため解読は「聖蚕の僧侶」と呼ばれる専門家が行うのだが、彼らでも解読に数ヶ月から数年かかり、後遺症から立ち直るのに数ヶ月かかる。
まともに読むには僧侶たちの中で最も回復力の高い者、または書が認めたものが伝統的な方法で行わなければならないが、そちらもそちらで特定の場所で「聖蚕」と呼ばれる特殊な虫を古代魔法の触媒としなければならず、挙句にこの方法で解読した内容はそれを正しく解釈するために数年の鍛錬を要するため、聖蚕を使って読む方法は僧侶の中で広く知られているにもかかわらず実行する者はほとんどいない。
書物として&弱点
絶対的な物理耐久性をもち、絶対に改変できないし絶対に壊れない(ちなみに「じゃあ盾として使おう(意訳」というツッコミを入れることができるシーンもある)。もしもなにかの間違いで改変することができたら、それに合わせて現実の方が書き換わるらしい。
なお、改変された歴史を本来の形に改変し直すことは作中の描写を総合するとできる可能性はある。
あるいは巻数が勝手に増えたり減ったりするので、気づかない程度の歴史改変は日常茶飯事と言う可能性もあるかもしれない。
逆に、誰もが気づくレベルの歴史改変については星霜の書をもってしても解読できない。
TES2の「西の歪み」といった誰の目にも明らかな異常事態のほか、魔術的に複雑な要因が重なって起きる「ドラゴンの突破」などが該当し、全知である星霜の書の唯一と言っていい弱点である。
魔法
マグナスが太陽を生み出してニルンに魔力が降り注ぐようになって以来、様々な勢力と結社がそれぞれの流儀で魔法を研究するようになった。しかし第二紀、ガブリエル・ベネレの研究によって、一定の体系的な学習を行う事で効率的に魔法を修練できることが判明する。(※1)この体系化が後世に魔術師ギルドに広まって、以下のような魔法の分野となった。
- 変性:魔術師の意志により現実を改変する魔法。水中呼吸や麻痺付与などの魔法。
- 召喚:オブリビオンなど異界の魂を顕現し操る魔法。炎や氷の精霊の召喚、アンデッドの作成など。
- 破壊:直接的に物質の結合を裂く魔法。火炎や雷光などを敵にぶつける魔法など。
- 幻惑:他人の感覚などを操作する魔法。透明化や狂乱などを含む。
- 秘術:魔法そのものに働きかけ改変する魔法。念動力や呪文吸収などが該当する。
- 回復:打撃を受けた素材を改変して本来の状態に戻す魔法。体力治癒、魔法防御など。
- 精神:心の状態を操作する魔法。魅了や空中浮遊など。
- 錬金:物質の結合が生み出す効果に関する魔法。回復薬や毒薬などを調合できる。
- 付呪:装備に何らかの効果を付与する魔法。付与した装備はいわゆる魔法の武具となる。
魔術師ギルド、およびウィンターホールド大学などは概ねこれらの分野を専攻として魔法を教授している。ただし分類に時代変化等はある模様。TES3以降は精神魔法という系統は登場せず、TES5では秘術という系統も採用されず念動力は変性、魅了は幻惑魔法として登場している。また、サイジック会、デルヴァンニ家など、世界には必ずしもこれらの分野を採用せずかつ魔術師ギルド以上の魔法を扱う勢力が存在することも付言しておく。
- ガブリエル・ベネレ『提案: 魔法の流派』
物質(武具)
※執筆時点では主にTES5の情報を元にしています。 |
謎の鉱石その2。こちらの方も原語でまんま「Ebony」。重装。
しかし鉱山で採掘される金属であり、我々の現実の黒檀とは全くの別物。
断じて「ダークエルフ特産の金属並の硬度を持つ魔法の樹」ではない。
Skyrimではゲーム上設定上共に「普通の武具」として最強で最高級の素材。
これより上は加工困難だったり、素材がレアであったりと量産性に難が出てくる。
デイドラの心臓を用意し、決まった月齢に儀式的な精錬を行なった場合は
ドレモラ(デイドラ一般兵)達の武具へとグレードアップする。
こちらは「AE」以降で野良の山賊長が持ち出すことがある。
ノルド武具(水銀)
謎の金属その1。重装。化合物でなく単体で採掘できるし真っ赤な溶鉱炉に放り込める。
ただしこちらは原語だと「mercury」ではなく「Quicksilver」なので
本当は今更権利関係がややこしくなったあの魔法金属なのかもしれない。
DLCが出揃って以降、「AE」導入まで山賊長の定番装備だった。
「古代ノルド」の武具は鋼鉄製で全く別となる。
スタルリム
「鉄のように硬く死のように冷たい」とされる魔法の氷。重装軽装両方有。
ドラウグル(古代ノルドのミイラ)を保存するための魔法がソルスセイム島の環境と特殊な反応を起こし結晶化したもの。
性能は折り紙付きであるが加工はおろか採掘の段階で大変な困難が伴う。
古代ノルド製の特殊なつるはしでなければ掘り出すことさえおぼつかず、鉱石の生成経緯上、採掘場所は動くドラウグルをはじめとするモンスターの巣窟という危険地帯となる。
何よりもスタルリムの採掘は祖先の名誉を重んじるノルド達の墓を荒らすに等しい。
加工は余程困難なのか、主要部分以外は材質の凹凸をそのまま西高のような無骨なデザインが多い。
が、「AE」以降はソルスセイム地域の野良山賊長(略奪団の長)がしばしば着ている。
エルフ武具(月長石)
アルトマー兵士達の制式装備。軽装。塩水で焼入れした月長石を磨き上げたもの。
その焼入れの製法は裏切り者が流出させるまでエルフの機密だった。
ゲーム上では下から数えたほうが圧倒的に早い、まさしく一般兵の装備。
碧水晶武具(孔雀石)
孔雀石を加工した素材で作られた軽装武具。
Oblivionでは全体的に丸みを帯びた緑色で亀みたいなデザインだったが、
skyrimでは紺碧の優美なデザインとなった。高レベルのアルトマー一般兵が装備する。
オーク武具(オリハルコン)
上記のあの魔法金属同様ファンタジーの定番。重装。
TES世界ではオリハルコン武具はオークの特産品となっている。
ただし、skyrimではあまり強くない。
ゲーム上の都合であるのか、鉄との合金であるせいかは不明。
ドゥーマー武具
かつてドワーフたちが使っていたこと以外は詳細不明の真鍮色の金属。重装。
彼らの遺跡に遺棄されている鉄屑(?)類を鋳潰して武具に鋳造し直し作られる。
性能はさほど高くなく鉄屑類も非常に重いが、ゲーム上では大量に手に入るため
持ち帰れさえすれば鍛冶スキル育成に大量に使い潰せる。
エセリウム
遥か古代にその力を巡ってドワーフ同士の大戦が引き起こされた強大な魔法の鉱石。
skyrimの時代ではある例外を除き、文字通り欠片も見当たらない失われた物質。
ダンマー武具(ネッチレザー・キチン・骨削)
モロウウィンドの原生生物の甲殻や皮革を加工たもの。
主にレドラン家の衛兵たちが骨削、賊や暗殺者がキチンを使用する。
我々の現実のボーキサイトのようで確実に違う謎の鉱石。
原語でも「Corundum」=酸化アルミニウムとなっているが、
単独で精錬するとスチール武具に、鉄鉱石との合金が鋼鉄武具になる。
ルビーもサファイアは別に存在し、鋼玉から生成することは出来ない。
我々の世界にない要素、つまり魔術的な何かが関係しているのかもしれない。
skyrimでスチール装備はDLCが出揃うまで人間系野良ボス(山賊長)の定番装備だった。
用途が多く、重装軽装は様々。
その他
- この世界の住人はわりと頻繁に日記や書物、メモなどを書いており筆まめである(学者や魔術師ならまだしも、書く習慣のなさそうな山賊までもが日記やメモなどをまめに書き残していることがある)。書物によると「定命の者の神聖なる責務だから」という事で、人もエルフも学生の頃からみんな色々書かされているようである。(※1)
- エリンヒルのファラスタス著『オグマの責任』