解説
タムリエル大陸西南部にある森林地帯Valenwood(ヴァレンウッド)出身の種族で、文明を嫌い、森に住んだと言われる小柄なエルフ。ウッドエルフとも呼ばれる。
ゲーム開始時にプレイヤーキャラクターの種族として選択することも可能。
英語表記は『Bosmer』(Wood Elf)。
作中でもネタに事欠かない種族の一つであり、某たまねぎを始め、やたら濃いキャラクターが多い。
種族
俊敏かつ機転が利き、優れた斥候や盗賊になる事ができるほか、タムリエルにおいて最も優れた弓の使い手になり得るポテンシャルを持つ。また、野生動物に命令を下す事ができる能力は、広く知れ渡っている。
基本的には総じて明るくフレンドリーでロマンチスト、好奇心旺盛でいたずら好きな性格。
しかし偏執的な一面や活発すぎて落ち着きが無い部分があり、ボズマー特有の倫理観も相俟って、妄想にとり憑かれたり、奇行に走ってしまったりするマジキチもいる。
文化
【グリーンパクト】
類い稀なる狩りの才能およびボズマーの生活サポートは、ボズマーの有り様を定めて導いてくれた森の神イフレとの契約によるもの。
ヴァレンウッドの自然は意思をもって生きており、森をいたわるために一切の草食および伐採、その他植物に関する利用を基本的に禁じられている。そのかわり、ボズマーが自然を傷つけず敬意を欠かさない限りは、自然の力により住居の提供や外敵が現れた時の助力など様々なサポートをしてくれる。この契約を「グリーンパクト」と称する。
このパクトを破ったボズマーに対しては自然(およびイフレ)はガチで容赦がなく、精霊を処刑執行者として送り込んでくる事もあれば、個人がやった事であってもパクトが破られた怒りを示すためにまるまる一つの村に獣を放つことような事もしてくる。
上記の理由から、ボズマーがValenwoodの植物を口にすることは決してない。野菜や植物を食生活に入れられない関係上、彼らは完全な肉食であり、食料が無い時には人間種を食べるのはもちろん、エルフ同士の共食いすら辞さない。
ボズマーの誰もが先祖が契約したこの伝統をよく思っているわけではなく、現代的で文明的になりたいとして農業を独自に始めた結果、同胞に見つかってしまい洞窟に追放されて命を落としたボズマーもいる。 (※1)
また、第二紀の同盟戦争に参加しているボズマー兵士にはグリーンパクトを気にせず破っている者もいる(敵にグリーンパクトに関する事を知られた場合、自然を利用した対策をとられてしまうため → シロディールを奪われ戦争に負けてしまうため) (※2)
なお、グリーンパクトには例外があり、「Valenwood以外の土地」に暮らすボズマー、Valenwoodに暮らす他種族が植物を取り扱う事についてはさほど問題がないとされる。
なのでヴァレンウッドにいる他種族たちにとっては、自分たちが採取した自然系のものをボズマーに売りつけられるので、良いビジネスになっている。ただ、ボズマーに配慮してグリーンパクトに則った採取物でのビジネスを行う者たちもちゃんといる。
- 『なぜ耕したか』
- グルーレデル (ESO)
【工芸】
ボズマーはグリーンパクトにより植物や自然関連に大きな制限がつくため、生物の皮・骨・肉などを生活に使うのが中心である。そのため、生物由来の素材の加工技術、特に革細工については最も得意としている。 (※1)
- メンドレヴァル (ESO)
【園芸】
ボズマーは自然派であるため、自然が自由に伸びていくことを容認するタイプである。そのため、石で整備や舗装を行ったり剪定や鉢植えなどで形を整え「自然との調和がとれている」とするアルトマーの意識に対しては「自然を支配しているだけ」「不自然でおかしい」として嫌っている。
【食文化】
食生活については、豚乳酒や発酵させた肉汁とスパイス入りの飲み物「ロトメス」など、奇抜な食べ物が多く登場している。(※1)
他にはボズマーの言葉で「アンスラッパ」という料理が登場する(タムリエルの共通語では「贖罪」の意味が近いとされる)。これは、契約締結に際して相手から人質をとり、万が一契約不履行となった場合には、人質を殺害しその肉を料理として出し契約者に食わせるというもの。
アンスラッパを契約者に食べさせることによって「約束を守らなかった自分の罪を食べろ」「自身の過ちを吸収しろ」という懲罰の意味合いがある。
ただ、これは立場や力関係が強い者に契約を履行させるための「平等な取引の保障措置」としてヴァレンウッドでは認められている。ボズマー側も人質や契約者と良い関係を続けたほうが大きい利益になる事も理解しているため、別に食人行為を喜んで行っているわけではない。 (※2)
なお、契約者が履行しないどころか害をもたらす裏切り行為を行っていた場合は、契約期間を待たずにこの懲罰が即執行される場合がある。(※3)
- ウォーヒン・ジャース著『火中に舞う 第7章』
- 樹の従士ラネス (ESO)
- ESO クエスト「疑わしい契約」
地理
ボズマーの故郷は、タムリエル大陸南西部にある自然に溢れた土地ヴァレンウッド(Valenwood)。タムリエルでも類を見ない巨大な木が多く生息しており、ボズマーは巨木の中に空いている空洞やボール状にできた木の空洞の中に住居を構えるのが普通。
ヴァレンウッドの首都は内陸部にある「エルデンルート」。ここにはタムリエル大陸でも最大の巨木があり、その内部の上部階層にヴァレンウッドを統括する王宮がある。
ちなみにここは第二紀(ESO)の同盟勢力アルドメリ・ドミニオンの首都でもある。
過去にシロディールから離れていったアイレイドの大半が移住した場所の一つがこのヴァレンウッドであると云われており、そのためか白い石造りの遺跡があちこちに残されている。
加えてアルトマーが入植してきた関係で、アルトマー文化の石造りの街が作られたりしているため、ボズマー的には自然が破壊されている・ボズマーの文化が荒らされているとして、ヴァレンウッド内でのアルトマーの台頭をよく思っていないボズマーもいる。
歴史
【第二紀】
第二紀580年代、サマーセットのアイレン女王の呼びかけに応じて、アルドメリ・ドミニオンの所属として同盟戦争に参加している。
【第四紀】
サルモールが支援してきた反政府側のボズマー勢力によってヴァレンウッドの国家が転覆される。
サマーセットと合体して国家同盟[[アルドメリ・ドミニオンが復活する。ただ、主導権はサルモールなため、実質的な傀儡国家となっている。
信仰
ボズマーはイフレおよびアーリエルを中心とした崇拝を行っており、アルトマーと同じく自分たちをエドラの直系の子孫であるという説を信じている。
なお、時代ごとで崇拝する神々が若干異なる。(※1) (※2)
ボズマーの神々 | 相当する他の神格 | 説明 |
---|---|---|
アーリエル | アカトシュ | アルドマーの王。大抵のアルトマーとボズマーがアーリエルの直接の子孫であると主張している。 |
イフレ | 森の神。グリーンパクトの契約者。最初のボズマーに教えたとされる教義から由来して「語り部」とも呼ばれる。定命の次元ムンダスができた直後は何もかもが混沌に陥っていたため、イフレが世界を構成する要素「アース・ボーンズ」に姿を変えて自然の掟を確立したとされる。 | |
ズェン | ゼニタール? | 労苦の神、報酬と報復の両方を含む、ボズマーの応報の神。 |
ザルクセス | 先祖と秘密の知識の神。始めはアーリエルの書記だったとされる。 | |
バーン・ダル | 山賊神、カジートから借りてきた盗賊と物乞いのいたずら好きな霊魂。 | |
マーラ | 愛の女神、万物の女神、豊穣の女神。アーリエルの妻としてボズマーに伝わっている。 | |
ステンダール | 慈愛の神、慈悲と公正な規範の神。 | |
ロルカーン | 「不在の神」。他の神をだまし定命の次元を作らせたとされていて、アルドマー(に連なるエルフたち)の敵とされている。 | |
ハルマ・モラ | 「ウッドランドの男」、「悪意のあるいたずら好きの霊魂」、ハルマ・モラ信者のボズマー達はデイドラのハルメアス・モラとは別物で混同しないようにとしているが、他種族からはこの主張を嘲笑されている。 | |
ジョネ | アルドマーの月の神で、幸運と悪運の両方の運の霊魂。 | |
ジョデ | アルドマーの月の神で、幸運と悪運の両方の運の霊魂。 | |
アーケイ | 輪廻の神、埋葬と弔いの儀式の神。 | |
ハーシーン | 「ハンツマン」「獣人の父」「全てのライカンスロープの王」。 |
- 帝国大学のミカエル・カルクソル修道士著『帝国内の様々な宗派』
- 帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士著『様々な宗派:ウッドエルフ』