サルモールとはTESシリーズの歴史上に登場する組織勢力である。
現在最も有名なのは、第四紀200年ごろの『Skyrim』に出てくる組織だと思われるが、時代によって(および日本語訳の問題から)複数の項目が存在する。
この記事においては第二紀~第四紀の活動や歴史を幅広く記述する。
サルモールの関わる国家同盟(Aldmeri Dominion)については各記事を参照。
- サマーセット諸島の組織。(当記事)
- 第二紀にアイレン女王主導により結成された国家同盟 → アルドメリ・ドミニオン
- 第四紀にサルモール主導により結成された国家同盟 → アルドメリ自治領
概要
アルトマー(ハイエルフ)だけで構成されたハイエルフ至上主義組織。シロディールのはるか南西、サマーセット群島に存在する。
かつてはアルトマーの一勢力に過ぎなかったが、第三紀のオブリビオン動乱(TES4)を経て権力を増していきサマーセット諸島の全権を掌握、第四紀200年代(TES5)では帝国と同等かそれ以上に至り、大陸を二分した冷戦状態にある。
Skyrimにおいてはアルドメリ自治領の名前とセットで出てくることが多いため混同される(あるいは用語が多すぎて意味不明な)場合があるが、「サルモール」はアルトマーだけの組織の名前、「アルドメリ自治領」はサマーセット諸島・ヴァレンウッド・エルスウェーアの三国が合体した国家同盟の名前である。
歴史
【第二紀】
第二紀580年代の出来事である「三旗戦役」「ソウルバースト」のころにも、サルモールおよび「アルドメリ・ドミニオン」(Aldmeri Dominion / アルドメリ自治領)が登場している。
当時は準軍事組織扱いであり外交用の部隊・組織とされている。本来は「サルモールの鉄拳」という名称だったが、略されて「サルモール」になっていたという。(※1)
この頃は、ボズマーとカジートに関して、「我らの新たな同志カジートやウッドエルフに差別用語を使ってはいけない」「カジートやウッドエルフの文化を尊重しろ」といった、同盟種族に配慮することを指示する布告も出されており、加えて各地のサルモール兵士に実際ボズマーやカジートが採用されているなど、(第四紀の組織に比べれば)比較的まともな部類だった事が示されている。(※2)
ESOのチャプター『サマーセット』におけるサルモールは、サマーセット本島に下部組織「神聖執行局」が存在し、犯罪の捜査をしたり訴訟に判決を出したりできる警察と裁判所を兼ねたような活動を行っている。
しかし実際には、島内全域で世俗法と宗教法を執行することで「"アルトマーの"正義や道徳を維持する」ための活動が行われていて、アルトマー以外の種族は迫害や排除されやすい環境に置かれており、アイレン女王が目指した理想とアルトマーのプライドが優先される現実が乖離している状況が描かれている。 (※3) (※4)
- キャノンリーブ・ファルデュイル作「〈サルモールの鉄拳〉に関して」
- 教化サピアルチ、シマーリーンのアイカンター著「サルモールのチラシ」
- 筆頭司法高官キャラウェン (ESO)
- 司法高官タノリアン (ESO)
【第三紀】(TES4)
タムリエルを統一したシロディールの帝国皇帝タイバー・セプティムにより第三紀の開始が宣言される。帝国軍との戦いに敗れたアルドメリ・ドミニオン(アルドメリ自治領)は解体されて帝国の傘下に入り、帝国領土「サマーセット諸島」として過ごしてきた。
第三紀のころのサルモールは高い実力はあるものの人数は少ない少数派だったとされる。
しかし第三期末にメエルーンズ・デイゴン率いるデイドラの軍勢によるタムリエル侵攻、通称「オブリビオン動乱」が発生。サマーセット諸島にもデイドラが侵攻してきた際、様々な権限をサルモールに移譲するよう上層部に強制していたことが明らかとなっている。(※1)
戦いのさなか突如デイドラが消えた時には「デイドラを撃退したのは自分たちである」との主張を流し、サルモールたちは一躍英雄として扱われるようになった。デイドラが急に消えたのがあまりに不自然であったため異議を唱えたアルトマーたちもいたが、逆に工作やサルモールを支持する民衆などを煽動して反対者たちを社会的に抹殺し(その後はさらに物理的にも暗殺している)、サマーセット内での地位を急速に確立していく。(※2)
- ユスティニアヌス・クインティウス特使著『大戦』
- サンホールドのレサニル著『高まる脅威、第3巻』
【第四紀】
帝国の中で皇帝が空位となった後のまとめ役だった元老院議長オカートが暗殺される。これを行ったのはサルモールだと言われている。(※1)
- ユスティニアヌス・クインティウス特使著『大戦』
29年(ヴァレンウッド掌握)
サルモールにより支援されてきたヴァレンウッドの派閥が国家を転覆させる。新たに傀儡として誕生したヴァレンウッド政府と合体し、アルドメリ自治領(Aldmeri Dominion)が数百年ぶりに復活することとなった。
なお、今回のものはサルモール主導により結成されたものであるため、第二紀のものとは別である。
空白期間
さらに帝国との接触を絶ち70年間の沈黙があったとされる。帝国側では「内乱や支配を固めるための派閥争いがあったのではないか」と見ているが、出身者によるとアルトマーの正当な王と女王を失脚させていたとしている。
サルモールはさらに、サマーセット島内の反対勢力および"アルドメールの血"ではない者を1人残らず始末するという、大虐殺を起こしたとされる。
115年(エルスウェーア掌握)
政変によりエルスウェーアの同盟が解体される。エルスウェーア内にかつて存在した、アネクイナ古代王国とペレタインの二つの国家が再建され、アルドメリ自治領の属国として傘下に入る事となった。
171年(大戦勃発~帝都陥落)
アルドメリ自治領がタロス崇拝の禁止を始めとする様々な要求を帝国に行い、これを帝国が拒否したことから「大戦」が始まった。(※1)
しかし序盤の攻撃が成功を収めたことで当初想定されていたよりも帝国が弱体化していることに気づいたアルドメリ自治領側は帝国軍を次々と打ち破って帝都インペリアルシティまで到達。全軍を送っての帝都侵攻により皇帝は撤退し、自治領側はインペリアルシティを一時占拠するに至った。
- ユスティニアヌス・クインティウス特使著『大戦』
175年(逆襲~休戦)
帝国は降伏交渉と見せかけた時間稼ぎの末、スカイリムとハンマーフェルからの支援を受け猛反撃を開始。自治領側はインペリアルシティを奪還され、主力本隊も帝国軍により包囲され壊滅。
あわやというところに至るも幸運にも帝国がここで力尽きた結果、大戦は痛み分けの休戦で集結する。
…軍事的には。
休戦条約「白金協定」
いかなる暗躍があったのか、サルモールは政治的に勝利する。
休戦条約「白金協定」において、自治領側は当初要求した内容を帝国にほぼ鵜呑みにさせることに成功する。
多くの犠牲を払ったにもかかわらず、タロス崇拝禁止の受け入れという恩を仇で返す行為にノルド人は激怒、201年のスカイリム内戦に繋がる。人類種同士を内輪もめさせ、数を減らすサルモールの計略通りであった。
一方、ハンマーフェルの割譲に関しては彼らが帝国を無視して占領軍を撃退したために失敗する。
201年(TES5開始直前)
タムリエル大陸の各地にサルモール大使館を設置、ボズマーやカジートたちを密偵として放つことで自分たちエルフ勢力に敵対する者たちへの監視と示威を行っている。
特にスカイリムに至ってはサルモールの実行部隊「司法高官」を各地に派遣しており、協定に従ってタロス崇拝の禁止が履行されているかを監視し続けている。
スカイリムにおける本部はソリチュード(なお、いつ行っても誰もいない)。現在の全権大使はエレンウェン。
帝国側は戦後復興を進めて反撃の機会をうかがっているが、ハンマーフェルの離脱やスカイリムの内戦に悩まされ、サルモールの跳梁を阻止できていないのが現況である。
一方でサルモールもまだ軍事的には立ち直りきれておらず、スカイリムで人員派遣を要請した司法高官に「無駄な人員を割く余力がない」として却下する手紙が登場している(※2)。
- サンホールドのレサニル著『高まる脅威、第4巻』
- エレンウェン「サルモールの命令」
余談・その他
- 第二紀の手紙においては、「サルモールの鉄拳という名前では重装備の悪党と間違われるのでは」との懸念から、部隊の名前を「司法高官」にすべきではとの話が上がっている。ちなみにそれが、後のスカイリム中を散策している部隊「サルモールの司法高官」である。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
関連タグ
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