概要
デイドラ(Daedra)とは、Bethesda Softworks社開発の3DオープンワールドRPG、The_Elder_Scrollsシリーズに登場する別次元の生命体である。
不老不死の存在であり、たとえ肉体を失っても数十年数百年かけて復活する上、それは彼らの感覚では大した時間ではない。Nirnの住民を「定命の者」と呼び、程度の差はあるが基本的に見下している。
本来デイドラとはオブリビオンの次元に住む住民を指すが作中でデイドラと言われる場合、大抵は統治者階級で実質的な神である16柱の「デイドラ・プリンス(Daedric Prince)」または「デイドラ・ロード(Daedra Lord)」のみを指すことが多い。(ちなみにDaedraは複数形で単数形はDaedroth)
デイドラは、異次元Oblivionに住んでいるが、そもそも定命の者が棲む世界を構成する次元ムンダスは、オブリビオンよりさらなる異次元(エセリウス)に住むエイドラの神々によってオブリビオンの次元の「内部」に作られたという。デイドラからすれば、エイドラに奪われた次元に住む定命の者たちに干渉し支配するのは当然だという感覚があるわけだ。
デイドラはそれぞれの趣味と実益のためにタムリエル大陸の存在するムンダスの次元に干渉し、気に入った者や信者には祝福を授けることもある。しかし、人類とは倫理観が全く異なるためにその内容は善から悪までピンキリ、規模も子供のイタズラからタムリエル全土への全面戦争までエラく差がある。大半は定命の者(タムリエルの住人)にとって有害であり悪魔や邪神の所業そのものである。
しかしエイドラ、特にアカトシュの結界によって、デイドラには直接的なニルンへの干渉は封じられている。そこでデイドラとしては封印を破るため、様々な手管で封印を回避し干渉を試みる。一番単純な方法は、定命の者に意図的に召喚させる方法だ。それ故、デイドラは定命の者を様々な方法で誘惑する。 (※1) (※2)
デイドラを利用しようとこちらから彼らを召喚し、逆に利用されて破滅するのはよくあるパターンである。 (※3)
以上から、ゲームプレイヤーのメタな観点では、「デイドラとは邪神である」でだいたい合っている。しかし、世界観としてはデイドラを邪神と要約するのは難しい。デイドラ・ロードはその殆どが程度の差はあれ人類に有益な側面も持ち、タムリエルに何度も侵攻を繰り返すメエルーンズ・デイゴンですら例外ではない。むしろ少なくないロードが個人的な信者を密かに、時には公然と多数獲得している。
更には盗賊におけるノクターナルのように現世利益を齎す職業の守護神として、あるいはオークにおけるマラキャスのように種族の守護神として世界的に広く信仰されるものすら存在する。
また個々のデイドラの中にも、
- (本人の趣味として)人間界で海賊として名を挙げたり
- 人類相手に商売をしたり
- 執事として仕えるものがいたり
- 定命の者と恋仲になったりする者がいたり
- デイドラ王の支配を嫌って中立領域で暮らしていたり
デイドラ・ロードと契約したり信仰した場合、死後の魂は通常の冥府(善神であるエイドラの領域)ではなく彼らの領域に送られることになる。そこが地獄か天国か、どちらでもないよくわからないナニカは送られた本人次第である。
ドレモラたちの身につけているデイドラ装備は、ニルンにおいては黒檀と同様の素材と手順で作られるが、特定のタイミングでドレモラの心臓を炉投げ入れることでこちらになる。
月齢が重要であり、満月が最適。逆(新月)にでは絶対にやってはいけないとか。(※4)
- アカトシュの障壁に加え、アズラによると「ソーサ・シルとの取引で結んだ古い協定により、力のあるデイドラ公の何柱かはニルンへの直接的な干渉を制限されている」ことが判明している。(ESO チャプター「Morrowind」)
- クエスト「大義」(Skyrim Anniversary Edition)
- 『ブラックでの悲劇』
- セブン・トゥ・ハンマーズ著『重装鎧の鍛造』
Daedric Prince(デイドラ・プリンス)
Daedra Lordとも。Prince = 王子と訳される作品もあるが、Princeには「大公」「(大国に属する小国の)王」という意味もあるためこちらの意味で使うほうが正しい。日本語版のOblivonやSkyrimでは「デイドラの王子」、ESOでは「デイドラ公」と訳されている。
デイドラの中でも特に強大な力を持ち、オブリビオンに独自の支配領域を持つデイドラの王。先述の通り邪神と言いかえてもよい強大な存在であり、職業や種族などによっては神と呼べる存在でもある。Oblivionではデイゴンの全面侵攻に伴い、物語に大きく関わる。skyrimでは比較的大人しいが、クエストをこなすとトロフィー取得に関わるアーティファクトと呼ばれるアイテムをくれる。
力を持つデイドラ公たちは基本的に並び立つが、別段仲が良いわけではなく、むしろ険悪な間柄もいる(扱いやすいバカとしてほとんど嫌われていないメエルーンズ・デイゴンは例外)。眷属を使って相手の支配領域に侵入して破壊を行っていく事もあれば、ニルン側にいる定命の者の信者や祠・聖域などを狙って潰していく事もある。ニルンの神々であるエイドラは「八大神」等と呼ばれる多神教を一般に構成して役割を分担して定命の者を守護しているが、デイドラ信仰は先述の理由から原則として一神教であり、信ずるデイドラ以外のデイドラはしばしば敵である。ダンマーはアズラ・ボエシア・メファーラの三柱を「善きデイドラ」と呼んで種族の多数が並べて信仰しているが、これはむしろ例外である。
デイドラ公は、特定の姿に固定しているわけではなく、作品によっては異なる姿で出てくることもある。ボエシアやモラグ・バルの様に性別の違う姿で現れることもあれば、ノクターナルやアズラのように違う種族で出てきたり、デイゴンやハーシーンのように異なるサイズで登場する事もあるため、彼ら/彼女らにとっては姿も性別も大きさというのもまったく大した問題ではないのかもしれない。 (※1)
デイドラ公それぞれが自らのチャンピオン(直属の決闘用の戦士)を従えている。チャンピオンに任命されるのは、デイドラである場合もあるが、強さや実績を示したニルン側の定命の者がチャンピオンとしてスカウトされる場合もある。(※2)
デイドラ公のしもべであるチャンピオンやデイドラ公にその実力を認められた定命の者の中には、後にデイドラ公のパートナー(夫・妻・恋人)になっている者やデイドラ公から寵愛を受けた者もいる。デイドラと定命の者との間で交配は可能であり、デイドラの王と定命の者との間に生まれた子孫は「デイドラの半公」(Half Prince)と呼ばれる。 (※3) (※4) (※5)
- アズラはダンマーの姿で現れることもあるが定命の者に憑依して話すこともあり、ノクターナルはSkyrimでは色白の女で現れるがESOではレッドガードの女の姿で登場している。また、ボエシアはDaggerfallでは男神であり、モラグ・バルはMorrowindに女性として記述されている書籍が登場している。
- 『フローミルの歌』
- 『狂気の十六の協約 第十二巻』
- ロアマスターの記録 :メイルストローム・アリーナ 第1部 - TESO / ESO
- 『フローミルの歌』
◆Azura(アズラ)
宵と暁を司るとされる美しい女性の姿をしたDaedra。別名は「月影」、「薔薇の母君」など。作中の書物ではノクターナルの妹とされている。
管理する領域は夜明けとも夕暮れともつかない空の下、花が咲き乱れ、あまりの美しさに失明するほどとまで言われる壮麗な庭園「ムーンシャドウ(Moonshadow)」。
本質が善神寄りであり、分かりやすい現世利益(予言や託宣など)をもたらしてくれることからDaedra信仰の中では特に人気があり、たとえ人前で声高にその名を叫んでも白眼視されることは少ない。バイアズーラバイアズーラバイアズーラァァ!
特にDunmerには一族の守護神として篤く崇拝されている。これは彼らの前身であるチャイマーの頃から同様だが、彼らがダンマーに変じた理由が他ならぬアズラによる天罰である(ある人物らが禁を犯し神の力を得ようとしたため)。
このように裏切り者には容赦のない苛烈な裁きを下すことがままあり、プレイヤーの間では怒らせるとデイドラ一怖いとも言われる。
所有するアーティファクトは「アズラの星」。端的に換言すると壊れない極大魂石。デイドラアーティファクトの中ではかなり有名な方で、持ち歩いていると衛兵が専用の台詞で驚いてくれる。
そしてスカイリムではこの星を黒魂石化させてキレたらデイドラ一怖いアズラ様に中指おっ立てることができる。怒られるどころか一切のコメントがないのが逆に怖い。
更にいうとアズラの星に入った魂は使用すると後述のアイディール・マスターではなくアズラのもとに送られる。つまり、その辺のカニとか腐肉のこびり着いたゾンビ狼をアズラ様に大量に送りつける嫌がらせもできる。ドヴァキンの将来が心配である。
◆Boethiah(ボエシア)
謀略・隠された殺人・暗殺・反逆を司る。ダンマーの守護神の一柱。
支配領域は、塔や巨大な迷宮・庭園が広がり裏切りや反逆が絶えず起こっている「Attribution's Share(アトリュビューションズ・シェア)」(以前はスネークマウント(Snake Mount)と呼ばれていた)。
権能からして邪神にしか思えないが、skyrimで語ったところによると「いかなる謀略や裏切りを用いてでも目的を完遂しようとする…漆黒の意思サイコー!(意訳」ということらしい。マニュアル人間や安定志向人間が大嫌いで、自分の信者であっても容赦しない厳しい性格。
自身も反抗的な態度を取る者を見ると喜ぶ反骨野郎で、選択肢で否定的な態度を取ると喜ぶ。だからかは不明だが、スカイリムではクエスト達成に仲間を裏切って一人殺害しなければならないがゲームシステムに反逆することができる。
…などといいつつ作中の書物によれば99人の愛人がいる上、性別可変なふしだら疑惑あり。また、暇つぶしに"どの人種が一番強いか"といった武闘会を開催したりもしている。
所有するアーティファクトは強力な隠匿能力を持つが、持ち主に似て気まぐれに所有者を変えるという「黒檀の鎖帷子」、第四紀の大戦にて皇帝タイタス・ミード2世が携え、戦に用いたと言われている刀「ゴールドブランド」などがある。
◆Clavicus Vile(クラヴィカス・ヴァイル)
Barbasという犬と本体の子鬼で二人一組。契約や取引を司る。「虚偽と約束の王子」とも。
支配領域腐敗した風が吹く田園風景が広がっているという「悔恨の草原(Fields of Regret)」。
欲しいものはなんでも手に入れようとするタイプ。司るものの通り、契約を結ぶことで利益を得ることができるが、彼の行動は結果として碌な事にならない事が多く、大抵の場合は歪んだ形で願いが叶えられることとなり、取引をした者はその後絶望する事が多い。
それはプレイヤーすら例外ではなく、スカイリムでは彼の言いなりになるとトロコンに失敗する。
所有するアーティファクトは不細工な造形ながら一度被れば自身の容貌に関係なく人間的な魅力を得ることができる「クラヴィカス・ヴァイルの仮面」、斬りつけた相手の魂を奪い、持ち主をも縛る意思持つ魔剣「ウンブラ」など。ただしウンブラの方は不意を突いてヴァイルの力の大半を奪い、そのまま逃げてしまったので今も所有しているかは不明。
◆Hermaeus Mora(ハルメアス・モラ)
詳細は個別記事参照。
知識と記憶を司るDaedra。人間性が薄く力は強い。極めて強大且つ危険なロード。
…のはずなのだが、愛嬌を感じられずには居られない知識ヲタク。
◆Hircine(ハーシーン)
鹿の頭を持つ狩猟を司るDaedra。「人獣の父」、「グレート・ハントの主」とも呼ばれる。
狩人にとっての守護神。獲物を仕留める直前、彼の名を呟けば獲物に宿り、現世に現れるという。
ゲーム中で実際に会える数少ないDaedraの一柱。とにかく狩りが大好きで、デイドラ全体のスポーツとしての「狩猟」を奨励している。領域は狩るものと狩られるものが永遠に鬩ぎ合う「ハンティング・グラウンド(Hunting Ground)」。ハーシーン信者は死後ハンティンググラウンドに行き、そこでハーシーンと共に永久の狩りに興じている。
ウェアウルフ、ウェアベアなど獣人化する病気を生み出した祖でもあり、これについては恩恵として受け入れている者たちもいるが、呪いとして忌み嫌っている者たちもいる。シリーズ通してクエストをこなせば然り実力を認めてくれるかなりまともな神様。
フェアプレイを好むため力をセーブして獲物を追うが、そのせいでしばしば獲物から返り討ちにされるお茶目なところも。ただし、好んでいるのは「狩り」全般なので、狩っても狩られてもどちらでも些事であるようだ。
更にはSkyrimではバグが重なったせいで二者択一のアーティファクトを騙し討ちで両取りしても潔くドヴァキンの知略を褒め称えるネタキャラ兼器のデカすぎるお方と化した。しかも、このパグはヴァイルに騙されてトロコンを逃したプレイヤーへの救済措置にまでなっている。
体育会系でもあり、自身を信仰する定命の部族が聖地と祠を敵にまるまる乗っ取られた時にはいつまでも取り返せない部族を「力がない」と突き放す一方で、難なく取り返したプレイヤーにはハーシーン自身からラブコールを送るなど、自身への愛を示すだけの実力と結果を捧げることも求めてくる。
所有するアーティファクトは自身の生皮を元に作り上げた紛れない狩りの証「救世主の皮鎧」やウェアウルフとしての能力をより高みへと至らしめ、さらに不老不死の体質となる「ハーシーンの指輪」などがある。
◆Malacath(マラキャス)
"嫌われる者"の神で、オークの守護神にして拒絶されし者、追放されし者の後見人。「呪いの製造人」、「怒れる者」などの呼び名がある。
領域は大地は愚か大気に至るまで灰と塵で構成された「アッシュピット(Ashpit)」。浮遊魔法と呼吸魔法を使わなければ生きていることすら困難な場所。
特にオーガやオークの父を称して彼らに力を貸し、彼らからも熱烈に崇拝されている。
他のDaedraと仲が悪くDaedra殺しの武器を作ったりしているので、他の様々なDaedraを祖神と崇めるダンマーからは"邪悪なDaedra"とされる。オークだけでなく人類にとっては邪神退治に協力してくれるので"味方"になるかもしれない?
元々は善神エイドラの英雄Trinimac(トリマニック)であり、ボエシアに食い殺されてその大便から蘇生した結果、デイドラに堕ちてしまった。
オークを手厚く庇護するのも、自身とともにオークもまたエルフから堕ちてしまったためである。
一方でオークの神らしく甘やかすだけではなく、へたれたオークを一族ごと呪ったりもしている。
所有するアーティファクトはハンマーフェルの由来にもなったドゥーマーのある一族が作り出した巨大な戦鎚「ヴォレンドラング」、いかなるデイドラをも一撃でオブリビオンに送り返す「デイドラの災厄」など。
◆Mehrunes Dagon(メエルーンズ・デイゴン)
詳細は個別記事へ。腕を2対持つ大男でTES4OBLIVIONのラスボス。
ネタキャラとしての側面と、全く笑えない恐るべき大災厄の側面を併せ持つ名悪役。
◆Mephala(メファーラ)
偽り・姦淫・殺人を司る両性具有のDaedra。「ウェブスピナー」、「囁きの女公」とも呼ばれる。
生き延びるための手段としての「暗殺」を教えた、ということでダンマーの守護神に数えられる。
支配領域は恐怖や裏切りなど複数のエリアで構成される「スパイラルスケイン(Spiral Skein)」
Morrowindの暗殺ギルドの一つであるMorag Tong創設に関わっているとされ、その後継組織である「闇の一党」にも影響を及ぼしているとされる。
定命の者で遊んで面白がっている気質があり、特に親しい友人同士の殺し合いを見るのが大好き。
...とはいえど、やはり信者がおおっぴらに信仰を公表するようなタイプの神格ではないため、現世に干渉しにくい身ながら今日も不安の種をせっせとばら撒いている。
そんなわけでスカイリムにてこの御方がくれる「黒檀の剣(Ebony Blade)」は最大強化のために親しいNPCを10人も殺害しなければならない悪夢のような武器だが、それに見合うバランスブレイカーかつ最序盤から手に入る。それもバグで通常の強化が不可能なので、これでもまだ自重しているというおまけ付き。
しかも日本刀型両手剣という唯一無二のカッコよさがある。
◆Meridia(メリディア)
女性の姿をした光明と生命力を司るDaedra。「陽光」、「光の淑女」などの呼び名がある。
支配領域は「色彩の間(Colored Room)」。
エルフの祖先とされるアイレイド(Ayleid)のラロリアラン王などが絶対の忠誠を誓っていた存在で、やや厳しめながらも定命の者には寛容なデイドラとされる。
不死者や穢れたアンデッド、生命を冒涜する死靈術が何よりも大嫌いなアンデッド絶対殺すウーマン。なので、人類にとっては完全な善神。そこ、「自分も不死の存在のくせに」とか言わない。
光と生命力を司り、アンデッド退治を守護するという特徴から、実はこいつAedraなんじゃね?という説すらあったりする。
ただ、アズラなどと同様に彼女も恐ろしい神の一面を持っており、自身の祠を冒涜したアイレイドの古代遺跡開拓団を洪水と落盤で遺跡もろとも皆殺しにした過去がある。
...最近は信者不足に悩まされているのか、スカイリムでは自身の祠とアーティファクトをよりにもよって死霊術師に悪用される始末。これを解決すると対アンデッド用の柄に擬似太陽を収めた聖剣「ドーンブレイカー」を授けてくれる。性能はともかくめちゃくちゃかっこいい上にバグで2本もらえる。
所変わってESOでのメインストーリーでは冒涜を司るデイドラのモラグ・バルの前に立ち上がった主人公たちに味方する存在として登場し、最終的に見事彼の野望を打ち砕くことに成功する。
(クリア後の彼女はどことなく満足気であり、ただモラグ・バルをボコリたかっただけに見えなくもない……)
彼女のアーティファクトは上記の「ドーンブレイカー」の他に、カジートの盗賊ラジンが愛用したことで名を馳せ、最終的に彼を見限る形で引導を渡すこととなった指に嵌めたものの姿を隠す「カジートの指輪」がある。
◆Molag Bal(モラグ・バル)
角のある魔物のような外見でESOの戦乱の元凶。他の呼び名は「支配の主」、「陵辱の神」など。
元々は下級のデイドラであったが、そこから今のロードの位にまで成り上がった。
領土はどこかニルンに似ているが、大地は凍えるような冷水に覆われ、空には黒い巨岩が浮遊した荒廃した大地「コールドハーバー(Coldharbour)」
支配や隷属、凌辱を司るDaedra。定命の者を堕落させたり破滅させたり陥れたりするのが喜びという、数あるデイドラの中でも特に性格が悪いことから彼も邪悪なDaedraとされる。
ゴッドオブレ○プというのはだてではなく、生命の輪廻を司るエイドラのアーケイを侮辱するためだけに少女を凌辱し、世界で最初の吸血鬼に仕立て上げた他、見た目金銀ムキムキマッチョのキカイダーな現人神Vivecを手篭めにしたことがあるなどとにかく心と体を堕落させ隷属させることなら手段を選ばない。
所有するアーティファクトは攻撃した相手の活力と魔力を奪い、服従を強いる「モラグ・バルのメイス」がある。
◆Namira(ナミラ)
暗黒を司るデイドラロード。「廃滅の女公」とも。
支配領域は亡霊が泣き叫ぶ砂の島「スキャトリング・ヴォイド(Scuttling Void)」。
「見た目で忌み嫌われ、罵られることは喜ばしい」とまで宣う不幸や嫌われている状況、ムカデやクモ、昆虫、ナメクジなどの不快生物、不浄なる者が大好きな喪女。神性自体は不幸な者、疎まれし者を救う慈悲深い女神様なのだが、疫病を用いたり死者冒涜を推奨したり手段がかなりヤバイ。しかも悪い意味でその慈悲に分け隔てはなく、カニバリズム嗜好のような排斥されるべきものすら救済する、残念ながら邪神寄りの存在。
排斥されるものの庇護者、ということでマラキャスと似ている部分があるかもしれないが、あちらは試練を与え鍛え上げる超スパルタ思考なのに対し、こちらはただ寄り添い不幸を分かち合うダメ人間製造機とでも言おうか。
それだけに生と死を司るアーケイ、および不浄を嫌うメリディアとは敵対関係にあり、リア充(Arkay信者)が自分の神殿に入ってきた時にはブチ切れた。
所有するアーティファクトは人喰いに際してより高い効能と加護をもたらす「ナミラの指輪」。
◆Nocturnal(ノクターナル)
詳細は個別記事へ。
夜と闇を司る美しい女神。
さらにはもう一つの権能から秘密裏に盗賊の美しい職業神も務めている。
支配領域は永遠の黄昏が続き、深い影に包まれた「エバーグローム(Evergloam)」。
所有するアーティファクトはあらゆる錠を開け、さらには所有者の潜在能力や能力や可能性といったものさえ「開けて」しまうことのできる「不壊のピック」、着用者の隠密能力を大幅に高める代償に世界から着用者の「あるもの」を失わせてしまう「ノクターナルの灰色頭巾」など。
◆Peryite(ペライト)
疾病を司る竜の姿をしたDaedraで、オブリビオンの最下層の秩序を司る。「親方」、「疾病の主」とも。
支配領域は「ピッツ(Pits)」と呼ばれ、奈落の次元であるとされる。
しばしば悪疫を世に広め、祝福と称して感染した信者を解き放つ。
どっからどう見ても邪神にしか見えないが、信者曰く「傷口に溜まる膿であり、穢れた体液を吸い取るのは膿」「世界は病でしか救えない時もある」。ドヴァキンに対する愛想も良く、何らかの現世利益はあるのだろう。
別名『親方(Taskmaster)』。信者が自分を召喚しようとして失敗した際、その尻拭いを主人公に依頼する。見捨てないあたりは面倒見が良いといえるが、Daedra Lordの中でも最弱の部類らしく、そのせいか少々影が薄い。
所有するアーティファクトはドゥーマーによって作り出された受けた魔法を反射し、呪いを跳ね除ける魔術師殺しの盾「スペルブレイカー」。タムリエル史において最古のアーティファクトとされる一品であり、元の持ち主を今もなお探し、一人の元に長く留まることはないとされる。
◆Sanguine(サングイン)
放蕩と快楽を司るDaedra。「歓喜の主」との呼び名を持つ。
見た目はかなり普通のデイドラで、定命の者に呼び出されても分け隔てなく笑顔で対応する。
支配領域は「無数の宴の領域(The Myriad Realms of Revelry)」。その名の通り様々な宴会が常に催されている小さな領域が泡のように連なってできている。TES5でそのうちの1つに踏み入れることになる。
とにかく乱痴気騒ぎと酒が大好き。司るものの都合上、娼館などでは彼の名にあやかることも多いという。
宴会好きで情熱的な性格をしており、実際に会話してみると気さくで陽気な飲兵衛のおっさんそのもの。ただし、彼が司る”快楽”には"堕落の快楽"や"殺人によって生じる快楽"といった熱情の行き着く先の暴力等も含まれているため、実は割と危険。
Oblivionに登場する王位継承者Martin Septimは僧侶になる前にSanguineを信仰していた(彼にとっての黒歴史)。しばしば現世に人の姿で遊びに来て呑み歩いており、Skyrimではドヴァキン相手に愉快ないたずらを仕掛ける。
所有するアーティファクトは一振りすれば貴族階級相当のドレモラを(少しばかり制御の効かない情熱的な状態で)喚び出すことができる「サングインのバラ」などがある。
◆Sheogorath(シェオゴラス)
もっとも邪悪で最強クラスのDaedra。なぜならあたまがおかしいから。
躁鬱激しくおふざけ感覚というはオフザケそのもので国を滅ぼす人。
詳細は個別記事へ。
◆Vaermina(ヴェールミナ)
夢や悪夢を司るDaedra。「授けし者」、「悪夢の女主人」とも呼ばれる。Skyrimでは「ヴァーミルナ」、書籍では「ヴァエルニマ」、ESOでは「ヴァルミーナ」と、日本語訳がコロコロ変わるお方。
夢は夢でも悪夢を好んでおり、人々を悪夢の中へ閉じ込めたりして魂や精気を吸収している。
支配領域「クアグマイヤ(Quagmire)」は数分ごとに姿を変え、常に悪夢のような光景が現れ続ける。
魔術神Magnus (マグナス)の妹と言われており、人間のトラウマや記憶の蒐集が趣味。
所有するアーティファクトは周囲の人間の夢や記憶を奪い、一振りすれば対象の幻影を作り出す「堕落のドクロ」。
「夜の恐怖のガルシス」と呼ばれるデイドラを夫/恋人にもつ。ガルシスは元はヴァルミーナのチャンピオンであったと云われる。
◆Jyggalag(ジャガラグ)
秩序を司る強大な古代のDaedra。
現代はとある理由からその名は殆ど知られておらず、領域も持ち合わせていない。
かつてはデイドラロードの中でも異常に抜きん出た力を持ったオブリビオン最強格の実力者であり、他のデイドラを自身の「秩序」で統制しようと積極的に干渉しては他の領域にまで進撃し続けていたため、三度の飯よりも混沌が大好きな他のデイドラたちにとってはまさに天敵とも呼べる存在だった。
最終的に、危機感を覚えて結託した他のデイドラロードたちが結託したことで強力な呪いを掛けられ、オブリビオン内のどこかに封じられたはずだった。
しかし・・・
Lesser Daedra (下級デイドラ)
所謂ザコモンスター。
Sheogorath配下のGolden Saintsのような人型から精霊のような見た目のAtronach(アトロナク)や、でっかい蜘蛛のようなモンスターまで様々。
ルイナクと呼ばれる4本腕のデイドラは、自分たちの事をメエルーンズ・デイゴンの直接的な子孫であると信じているものの、ドレモラたちからは戯言扱いされている。(※1)
基本的にPrinceと同じく不死で人間を下に見ているが、人間によって召喚術でNirnに呼び出されて使役されることもある。
「ドレモラ(Dremora)」
デイゴンに忠誠を誓う人型の下級デイドラ。
上司の出番の多さに比例して下級デイドラ≒ドレモラぐらいメジャー。特にskyrimでは登場する唯一の下級デイドラである。
彼らはロード同様不老不死だが苦痛は感じる為、恥や喪失といった精神的苦痛は文字通り死ぬほど耐えがたいものであり、彼らがデイゴン卿という絶対的な力と野望の化身を崇拝するのはそういった恐怖から逃れるためでもあるだろう。
男女の性別はあるがいずれもスキンヘッド(いわゆるハゲ)に黒い角が生えており、加えて戦化粧のような文様の刺青を漆黒の肌に入れていることが多い。
定命の者同様に実際には彼らの社会にはチュール(下層階級)やケイテフ(捨て駒の戦士階級)、マルキナズ(貴族議員)、そしてヴァルキナズ(王侯)といった階級制度が存在しており、日々苛烈極まりない権力闘争に明け暮れている。
残忍で冷酷な事といい、風貌も性格も彼らの君主であるデイゴン卿にとてもよく似ている。
定命の者を下位の生物として徹底的に見下す強大な魔族であるが、一方で武勇や名誉を非常に重んじており、自らが勇者と認めるに足る人物には礼儀正しい態度をとる。
特にSkyrimでは殴り合いの末にドヴァキンに恐喝されてしまい、命よりも遥かに大事なシビルストーン(儀式用の魔道具)をデイゴン様から盗み出さなくてはならなくなった可哀想なドレモラさんも登場した。
Daedric artifacts
Daedric Princeが持つ秘宝。強力な武具やアイテム。
Princeの依頼をこなした勇者に報酬として渡される。エイドラも所有しているが、干渉を好まず、信仰による加護を主体とするため、あまり表舞台には出てこない。
なお、このアーティファクトは自身が作り出したものも含まれるが、別の誰かが生み出したものを所有していることも多い(ヴォレンドラングやスペルブレイカーなど)。
大抵はひとところに留まることはなく、強盗や盗難、契約不履行による没収、物自身が意思を持って持ち主の元を離れる、など所有者は変転する。
スカイリムではAE配信に伴いオビリビオンに登場したアーティファクトの一部の流転状況が半ば公式化した。他、本来の所有者そのものもデイドラたちの情勢で変わることがある。具体例としてはマラキャス所有のヴォレンドラングがESO当時はシェオゴラスにパクられていた。
余談・その他
- 一般的にはデイドラは不老不死で、殺してもいずれは必ず復活する存在だとされている。しかし中には、「エセリウス(エドラのいる次元)で殺せば、デイドラの次元とのエネルギーの繋がりを断ち切り死んだままにさせておける可能性」、つまり、デイドラを蘇生させることなく殺せるのではないか?という仮説を立てている学者もいる。(※1)
- オブリビオンの次元はデイドラの王が支配し管理しているとされているが、「BattleSpire」や「Dawnguard」に登場した領域ソウル・ケルンを支配しているアイディール・マスターはデイドラであるかどうかすら不明など、例外的な存在もいる。また、闇の一党やブラックマーシュ等の地域で信仰される虚無の父シシスなどもその正体ははっきりとせず、デイドラらしいかと言われるとちょっと微妙なラインである。 (※2) (※3)
表記ゆれ
関連動画
下記動画の中にたびたび映っている、ものすごくでっかい存在が、デイドラたちの王、「デイドラ公」である。
見ての通り、空間そのものを支配する神当然の存在であるため、まず一般人ごときで勝てるようなレベルの相手ではない。もし勝てるとすれば、八大神(九大神)をはじめとするエドラの力を借りている者か、対立している他のデイドラ公の支援を受けた者ぐらいである。
関連タグ
The_Elder_Scrolls エイドラ エドラ [[]]