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ハルメアス・モラ

はるめあすもら

ハルメアス・モラとは、ベセスダ・ソフトワークスが開発したコンピュータRPGシリーズ「The Elder Scrolls」に登場するキャラクターである。
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「知識の代償は、知識だ」

「これは何百年もの間、世界から遠ざけられてきた。」

「今はお前の手の中だ。共に奇跡をもたらそう…」


※日本語版ではテンプレ平安貴族のような声なせいで原語版よりも遥かに親しみやすくなっている。


概要編集

ハルメアス・モラ(Hermaeus Mora)とは、The Elder Scrollsシリーズに登場するDaedra (デイドラ)の一柱である。


二つ名は「知識の王」

その名の通り司る権能は知識と記憶だが、その知識によって星辰から過去や未来の運命の流れをも読み解く力を持つデイドラ・ロードでも最強クラスの一柱。


ダークエルフからは、「最も位の高いデイドラ」の一柱として挙げられており、ノルドの神話では、北方のアトモーラ大陸の同胞団やイスグラモルをはじめとしたノルドの祖先達

をその知識を見返りに誘惑する悪魔としてたびたび登場する。

ハイエルフの祖先であるアイレイドが彼を信奉していた古代の遺跡も発見されている。


「知識」を司るだけあってタムリエル大陸全土で非常に強い影響力を持っているが、一方でその姿への無頓着さはデイドラ王の中でも随一。

TES3では祠にてしばしば4つのハサミと数多の触手を持つ異形の姿(ハサミの生えた大きな偶像のような姿)で表されていたが、「Skyrim」や「ESO」では大きな無数の目と無数の触手現世の空間を侵食しながら深淵から声を響かせてくるというどこかラヴクラフティアンじみた姿で現れる。

…その異形も超越者らしい人間性の薄さを表している。……と言いたいところだが、たまに見せるお茶目さもあって寝食を忘れ研究に没頭する学者らしい面を時折見せることもある。詳細は後述。


ともかく利害が対立した際の脅威度は間違いなくデイゴンモラグ・バルを(智謀で攻めてくるという点でも)遥かに超える恐ろしい存在である。

同時にその人物像や「知識」と言う膨大かつ普遍的な権能を有することから、あらゆる時代にハルメアス・モラの信者は居るとされている。

研究者や学者がグループを作れば一人は彼の信者であると揶揄されるほど。


プレイヤーの中にも、そのデイドラらしからぬ律儀さのせいで彼の危険性をうっかりを忘れそうになってしまったものは少なくない。


その他の呼び名編集

「知識の王」の他にも非常に多数の呼び名をもち、

  • ノルド及びその分派スコール族から「ハルマ・モラ」「知識の悪魔」「ウッドランドの男」「試練の神々」「不可避の全知」
  • カジートの歴史の最初期では「ハーモラ」「潮流の王」「他者の知識の保持者」
  • ウッドエルフからは「ヘルマ・モーラ」などとと呼ばれている。

人物像編集

その評価の高さに比例して性格も他のデイドラ王らとは一線を画しており、定命の者らを見下さずそれ故に驕ることもない。

感情も全く読めず、まさしく高次元の『神』らしい超然たる振舞いを見せる。

故に他のデイドラ王のように自身の信者が裏切られたり、他のデイドラ王に揶揄われるような隙も殆ど見せない。

また、自身のチャンピオン(※家臣や従者、お気に入りの英雄など)を迎えることにあまり興味がない。


一方で「自らの知らない事象が許せない」という強大な渇望を持ち、知識を得るためならば一切手段を選ばなずどこまでも執着する

知識を掌中に収めるべく定命の者を己の駒として用い、その命を奪うことになんの痛痒も覚えない。

その知識がモラの権能を考えれば不要としか言いようがないものであっても、そんなもののために世代を超えて文字通り末代までつけ回し続けるのである。

スカイリムDLC「ドラゴンボーン」のメインクエストでは、そんなモラの危険性が明らかになる。


… は ず な の だ が 。


…この偉大なるお方、「自分の知らない知識があることが我慢ならない」という重度のコレクター気質であり、これがこの危険なはずのデイドラをある意味でユニークなお方にしている。

そう、モラ様にとって知識とは「自分が知っているか、知らないか」のみが重要で知識の重要性は問題ではないのである。

必要ならば定命の者の命を奪うことになんの痛痒も覚えないと書いたが、自身が知らないのであれば不要を通り越して下らない冗談にしか思えない知識であっても手にすることに全力を尽くす。

要するに既に知っているのなら「世界征服の方法」には興味を持たないが、まだ知らない「おばあちゃんの秘伝の料理レシピ」を知るためならば全力を出す…御仁なのである。


一方で「知識の代償は知識」という価値観を持っており、自分の知らない知識を持ってきた者には対価として自身の保有する知識を授けるといったデイドラにしては結構公平な面もある。

こと知識に関しては契約を司るデイドラのクラヴィカス・ヴァイルよりもよほど公平かもしれない。

(極端な例では、利害一致という要素があったとはいえドヴァキンにスコールの伝承と引き換えに数千年以上前に失われた竜の言葉を授け、ミラークの野望を打ち砕くことに成功している。)(※1)


なお、知識や記憶を大事にするだけあって、それが失われたり意図的に無にする行為については嫌う。ハイロックのある地域においてはそれが行われていたため、自らを信奉する学者の一団を送り込んでいる。 (※2) (※3)


  1. Skyrim DLC『Dragonborn』
  2. ESO クエスト「湖の女主人」
  3. 使者キザシ(ESO)

人間関係編集

■ヴァーミルナ

夢や悪夢を司るデイドラ王。

主に敵対的な関係にあるとされる。


■アズラ

宵と暁を司るデイドラ王。

状況によっては時に協力的な関係になったことも。


■メファーラ

裏切りや不和を司るデイドラ王。

神話等では彼の妹、または弟であるとされる。


ミラーク

原初のドラゴンボーンで、同時にソルスセイム島の竜教団のドラゴンプリーストでもあった。

基本的にハルメアス・モラは定命の従者を迎えることにはさほど関心が無いものの、ヴァーロックとの激しい戦闘で深傷を負った彼との契約に応じ、彼の存在を自らの領域「アポクリファ」へと匿った。

アポクリファの領域へ来る以前より特別な刀剣や竜の言葉を与えていたようでもあり、人ではないなりに愛情深く可愛がっていたことが判明した。

しかし、ミラークが彼の元で得た力を利用して現世へ帰還しようと反逆を試み、同時に最後のドラゴンボーンの到来が重なったことで、最終的にはモラが彼の領域でミラークを始末することとなった。

この際の高笑いを上げるモラの様子はデイドラ公の本質を垣間見せる様な恐ろしさに満ちている。


ドヴァーキン

最後のドラゴンボーンであり、Skyrimの主人公その人。

メインクエストにて星霜の書を地の底のブラックリーチより回収する道すがらに、吹雪吹き荒ぶ北の果てのセプティマス・シグナスという魔術師の隠れ家で受注できる彼専用のデイドラクエスト「霊魂の確認」の中で遭遇することとなる。


以前は優秀な自らの駒であったセプティマスをもはや時代遅れになりつつあると評し、彼を一瞬で灰の山に変えた後でドワーフの宝物庫の中のオグマ・インフィニウムという古代の知識が込められた本を報酬として渡してくれる。

(クエストの始まるずっと以前より深淵から主人公を監視していたらしく、悪魔のような所業の直後に家臣への勧誘を試みてくるなどここぞとばかりにデイドラ王ジョーク全開な面を披露してくれている。)


支配領域「アポクリファ(Apocrypha)」編集

見渡す限りの巨大な書庫に埋め尽くされた「無限の知識の貯蔵庫」。

モラ自身が集めた知識を集めておく秘密の図書館で、一般的な教養から禁断とされた秘法までありとあらゆる知識が揃う。

知識を追い求める者はいずれアポクリファにたどり着き、その知識欲に囚われてアポクリファから永遠に出られなくなる、と言われている。


無限の知識それそのものが最大の危険にして誘惑であり、アポクリファへのポータルとなる後述の「黒の書」の読破に挑戦して未帰還あるいは狂死した者、そしてそれを知りながら書を求める者が後を絶たない。

作中世界において様々なオブリビオンの各領域を渡り歩き貴重な調査報告を残した優秀な魔術師も、最終的にこの領域を訪れたことで読んでも読んでも読み尽くせない知識に魅了されて消息を絶っている。

弟子が時折彼との連絡を試みることもあるが、解読不能の言語で呟くばかりだという。


また、無限の知識の貯蔵庫の内部は、全く片付いていn…見るものの正気を削るような混沌とした風景が広がっている。

何かの巨大生物の外郭を思わせるような建物、濃緑色のインクで出来た広大な海から天に這い向かう無数の触手の列。大量の本が積み上がっては壁や柱などを形成し、あらゆる場所に禍々しい遺跡や古代の偶像が転がっている。


そして領域内にはシーカー(Seeker)とルーカー(Lurker)と呼ばれる深海魚のような姿の高位のデイドラが巡回しており、インクの海の底から時折侵入者の様子を窺っている。

そしてやはり禁断の知識どころか「読むと正気を失う」「開いてはいけない本」といった人間が読むことを想定していない、またしてもクトゥルフ神話めいた本も多数存在している。


アーティファクト編集

■オグマ・インフィニウム(Ogma Infinium)

神々の書記ザルクセスがかつて書き上げたと言われるアーティファクトで、あらゆる動物の皮革(人皮含む)を魔術的に繋ぎ合わせて装丁されたと思しき太古の書籍。

本の中の本とも呼ばれ、ザルクセス自身の妻(Ogma)の名前を冠しており、分厚い本の内容は『力の道』『影の道』『魔法の道』の三章とで構成され、各章に応じて読者に対応した知識を与えてその力を至高の領域へと高めるとされる。


……研究者からすれば感激必至の凄まじい大秘宝だが、プレイヤー目線ではその内容よりもまず作中屈指の分厚い本のため、家に置いて鍋敷きにするドラゴンボーンもいるとか。


■黒の書(Black Books)

読むことで本がそのままアポクリファの領域への入り口となる書物。

黒の書内部の領域の最奥部にまで辿り着くことができれば、喉から手が出るほど貴重な知識を得られるが大抵の場合はそこまで行く前に正気を失う。

内容は古い過去の事象や失われた知識が書かれているほか、時の流れさえもを超越して遠い未来の出来事さえもが含まれるとされる。

スカイリム作中では最強の武器防具薬品の作成に必要になるもの、いつでもデイドラの商人を呼び出しできるスキル…など、禁じられた書の名に恥じない強力なスキル群を会得できる。


■ミラークの剣(Miraak's Sword)

ハルメアス・モラが自身の忠実なる家臣のために作り出した、黒い触手を纏った刀剣。

文献によってはFirstbladeなどの呼称も存在する。

竜戦争の時代から最初のドラゴンボーンミラークが使っていた奇妙な剣で、触手を通じアポクリファの異界と繋がっているという。

性能面では攻撃と同時に敵のスタミナを吸い続ける片手剣なこともあり、戦闘中は強攻撃が連打可能。作中のユニーク刀剣の中でも結構使い勝手の良い優秀な武器である。

また振り回すと気持ち悪い音を立てながら剣から触手が伸びるという専用エフェクトもあり、一部キルムーブでは絵面が凄まじい事に…


余談編集

日本語版の声優はTES5時点での帝国皇帝タイタス・ミード2世と同じと各所で推測されている。

帝国の現状に反して出番の最初から最後まで威風堂々とした陛下であり、色々と邪推が出来てしまう配役である。


関連動画編集

DLC『Dragonborn』のトレイラー。

動画内に映っているグリーンの空が広がるエリアがモラ様の支配領域「アポクリファ」である。


こちらは謎の多いモラ様の周辺が掘り下げられる珍しいESOのDLC、「Necrom」のトレイラー。


関連タグ編集

The_Elder_Scrolls

Oblivion Skyrim エルダー・スクロールズ・オンライン

デイドラ ノルド カジート ダンマー



クトゥルフ神話 ・・・ 世界の雰囲気やアイテムなどに類似するものが多い。

ヨグ=ソトース ・・・ 特に、外見的な特徴や性質など類似点が多い神性。

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