「狂気を呪いだと思うな、定命の者よ。狂気が最も良き祝福となる者もいるのだ。それはほろ苦い慈悲かもしれんが、それでも慈悲なのだ。」
「ワバジャック!どうだ?どうだ、こいつは予想不能だったよな?」
「一期一会のトゥルットゥー!」
CV:白熊寛嗣
ああ!それと概要!概要のためなら死んでもいい。
The_Elder_Scrollsに登場するデイドラの王の一柱。
デイドラ王の中でも最上位クラスに強大な存在であり、(その狂気を司る性質のため)とりわけ注意を払わねばならない悪しきデイドラとされる。
二つ名は自他ともに認める「狂気の王」。権能は文字通り狂気を司る。
他の呼び名は「マッドゴッド」、「不在の主」などとして知られている。
そして特にカジートたちの故郷エルスウェーア地方では、彼は「スクゥーマ・キャット」という猫の姿の神として堂々と神殿で崇拝されており、理性でコントロールできない猫の本能を司る神として恐れられている。
現世には一貫して好々爺の姿で登場するが、作中書籍では"狂気"を司るという事の本質や彼の恐ろしい神性を垣間見ることができ、実際もっとも悪しきデイドラの名に違わぬ所業も行っている。
そしてその本質は「狂気という呪いそのもの」……
言うなれば生きとし生けるものの潜在意識に居座る影であり、壊れやすい心に付いた染みそのもの。
シェオ爺本人によるとただそこに居ることに気づいていないだけで、誰しもがシェオゴラスのことを知っているのだという。
シェオゴラスとはある特定の人物の事ではなく、その狂気の呪いを受けたどこかの誰かがシェオゴラスに変貌するものという説もある。
わしがどんなやつかだって?もっと知りたければハスキルと話せ。
狂気の権能の通りキチg…とてもテンションの起伏が激しい。
一言喋ったその次には全く真反対の言葉が飛び出ることなど日常茶飯事であるため、彼との意思疎通は一筋縄ではいかない。
しかし時に真理を突いたシニカルな発言をすることもある。
本当にごくわずかだがね!
所業(暇つぶし)
幸いにもというべきか、その強大な力を用いて真面目にニルンや他デイドラの領域を侵略したりはしない。
彼の動機はあくまで、暇つぶし、せいぜい気まぐれである。
だが、その結果はしばしば冗談で済まない大被害をもたらす。
一般的に彼の思いつきで行われた行動はあまり良い結果にならないことが多いのだが、
それ以前に何考えてんだかわからないという傾向のほうが強い。
性質が邪悪云々以前にぶっトびすぎている。
主な所業を挙げるなら
- Morrowindの現人神のいる大都市に巨大隕石をぶち込んだり
- 腸でなわとびしたがったり
- 暇つぶしのために旅人にフォークを与えて魔物退治をさせる試練を与えたり
- 退屈だからという理由で平和なカジートたちの村に、燃える犬の死体を空から降らせることで大混乱に陥れたり
- 脳みそパイを提案したり
……といった、スケールの大きなえげつないことを暇つぶしでしでかしている。
特に巨大隕石の件に関しては、ダンマー(通称:ダークエルフ)の故郷モロウィンド地方一帯が壊滅の危機に瀕するまでの一連の騒乱の元凶なこともあり、彼らからは名指しで最も悪しきデイドラの一柱に数えられている。
隕石の落下がレッドマウンテンの大噴火を引き起こしたことでダンマーの大都市が軒並み壊滅し、その後にかつて奴隷にしていたアルゴニアンの大軍がダンマーへの積年の恨みを晴らす絶好の機会とばかりに彼らの首都を攻め落とした事でタムリエル北東部の国境は激変してしまう。
…さらにはそこから避難したダンマーの難民がスカイリム地方のウィンドヘルムにまで押し寄せてしまった結果、TES5の時代にはダンマー達はノルド達の顰蹙を買ってスラムに押し込められてしまう厄介者扱いとなり、ソルスセイム島に逃げ延びた彼らの一部も火山灰にまみれながらモグラのように暮らす羽目になったりと散々な目に遭っている。
これらはすべて暇つぶしの結果なのだから、定命の者から見ればもっとも悪しきデイドラ扱いもうなずける。
おやおや、迷子の支配領域ちゃんかな?
支配領域は狂気を司る「Shivering Isles(シヴァリング・アイルズ/戦慄の島)」。
マッドハウスとも呼ばれるユーザー間の通称はガクブル島。
領域内の王国の宮殿には慇懃無礼すぎる執事ハスキルを伴ってシェオゴラスが王として君臨しており、王国には主にマニア(躁狂)とディメンシャ(陰鬱)という島内の二つの地域と、それを治める二人の公爵が存在する。
前者の地域はその名の通り極彩色の草木が咲き乱れる領域で、後者は黒く朽ち果てた木々や沼地が連なる領域とで構成されている。スカイリムのクエストに登場するデルヴェニンは、オブリビオン当時の仕事でいえばマニア側の司祭である。
島の中央部にはニューシェオスと呼ばれる壮麗な都市が存在し、シェオゴラスの壮麗な王宮とともにここを訪れた者の目を釘付けにすることだろう。
…一方で信者や彼の領域の住民のほとんどは狂人で、
などなどと非常に濃いメンツが揃っている。
また、町の門では枷を付けた巨人のようなデイドラが門を守っており、街の中では強大な人型デイドラであるゴールデンセイントやダークセデューサー達が警邏の番兵を務めている。
一方で島の住民達の寿命は外の世界と比べて極めて長い……というかほぼ不死であり、中には数百年どころか千年前の出来事を知っているという住民さえ存在する。
島の各所には灰色の水晶で形作られたオベリスクが遺跡のように点在しているが、これはかつてこの島を支配していた古代のデイドラロードの力の根源となっている。
謎でテッカテカの作品一覧!ああ楽しいことになるぞ!
【TES2 : Daggerfall】
初登場。この頃から杖を持った紳士姿をした狂気の王という設定は固まっている。
クエストをクリアするとお馴染みのアーティファクト「ワバジャック」をくれる。
【TES3: Morrowind】
舞台がモロウィンドのため、ヴィヴェク・シティに隕石を落とそうとした悪神扱い。
信仰が禁じられており、信者は火山灰の降り積もった荒野や見捨てられたような遺跡などでひっそりと崇拝している。
【TES4 : Oblivion】
本編では某平和な村に退屈だから、という理由で大混乱をもたらすクエストを提案してくる。
本作の公式拡張、その名もズバリ「Shivering Isles」では彼の領域であるシヴァリングアイルズに遊びに行くことができる。
最初に訪れた際には毒舌な執事のハスキルが出迎えてくれる。
特に、暗い部屋の壁が様々な色彩の無数の蝶となって消えていく演出は一見の価値あり。
シェオゴラスに頼まれて島内のいろいろなお使いをすることになり、その報酬の中には執事ハスキルを呼び出す召喚の呪文も含まれている。
(なおハスキルは基本的に何もせずに帰る上、呼ばれる度にかなり嫌そうな顔をする)。
なお、この時に玉座に居るシェオゴラスを攻撃することができる…が、当然不死属性のため倒すことができないどころか攻撃したが最後、即座にその報いを受けることになる。
その内容は「問答無用で麻痺状態にさせられた上でシヴァリングアイルズ上空に魔法でワープ。その後身動き一つできないまま落下し、地面に叩きつけられて即死」というとんでもないもの。
こうなったプレイヤーは文字通り何もできずに迫りくる地面と死を眺めることしかできないのである。
くれぐれも彼に歯向かおうとは思わないこと。
Shivering Islesをインストールするとシロディールのシェオゴラス神像の声優が変わり、またメインクエストを最後までクリアしてから神像に行くと彼に変わって執事ハスキルが話しかけてくるなどの変化が発生する。
……と今回も平常運転と思いきや、デイドラ王たちの歴史に激震が走るレベルの大事件が起きる。
【TES5 : Skyrim】
「ペラギウスは多くのものを憎み恐れた。暗殺者、野犬、アンデッド…黒パン。」
あれだけの大騒動があったのに紅茶を嗜みながら全くの平常運転で登場。
…元クヴァッチの英雄のドヴァキンは、まるで彼との再会にスウィートロールを誰かに隠されたような気分になるとかならないとか。
主人公の前に現れたシェオゴラスは、死してなお疑心暗鬼に苦しむ狂王ペラギウス三世の悩みを取り除く事を彼に依頼する。
彼にしては珍しい人助けの依頼なのだが不思議の国のアリスを始めとして様々な小ネタが散りばめられており、今回もやっぱりまるで意味がわからんぞ!
そして、TES4経験者には看過できぬ言動がある。
マーティン・セプティムの最期を見たと語り、高く評価しているのだ。
しかし前作でマーティン・セプティムの最期を看取った人物は非常に限られている上、
彼は皇帝として通常業務を全く行えていない…つまり即位前のマーティンを知らない者はそもそも評価しようがない。
この2点と「Shivering Isles」のエンディング、そして「狂気の呪いこそが本体」という説の総合から考えられるTES5での彼の正体は……!?
ただし、この正体の部分については現在に至るまでベセスダからは特に明示されていない。よって、公式的には彼の正体は不明のままとされている。
【TES : Online】
魔術師ギルド
Skyrimから約1000年前の姿なのにSkyrimの時と同じ姿で登場する。高名なノルドの魔術師であるアークメイジのシャリドール(幽霊)をおちょくるのが大好きだが、魔術師たちの魔法研究の場としてシャリドールが用意していた島をシェオゴラスによって盗まれてしまった事で、シャリドールからは大層恨まれている。
呪文書を手に入れるため魔術師ギルドから送り込まれた主人公に対して、試練を与えてクリアする事に一冊ずつ本を渡すことを約束してくるが……
シロディール地方
シロディール地方では同盟戦争(ESO内のPvP)を面白がって各同盟の陣地内にちゃっかり紛れ込んで立っており、デイドラの秘宝「ヴォレンドラング」をマラキャスから無許可でパクってプレイヤーたちに使わせている。
…ついでにそれを使用したプレイヤーたちが力を得られる代償に必死に戦ってくれるよう細工したおまけ付き。
マラキャスから盗んだのか?との問いには本人曰く「返却期限未定で借りただけだ」とのこと。 (※1) (※2)
- ESO 同盟戦争 (PvP)
- シロディールに来たるアーティファクト武器と混沌 - TESO/ESO
エルスウェーア地方
エルスウェーア地域においては、カジートの神話に伝わる猫の神スクゥーマ・キャット、「シェッゴロス」の姿で顕現し、双子月の神殿を狂乱と幻覚で大混乱に陥れた。
小さな猫の姿であるアルフィク(カジートの中で最も猫本来の形に近い種)の姿で顕現した影響か、本人の意志では抗えないほど猫としての性質に引っ張られてしまうらしい。(※1)
ついでにリアルの猫派も抗えないほどのつぶらな瞳。最悪のデイドラの姿か?これが…
彼はカジートの創世神話によるとかつてオーナールとファドマイが原初の時代に産み出した猫達の神の一匹であり、月と星々が生み出されるより遥か遠い昔の時代に生まれたとされる。
自らを「オレサマ」と呼び、かぎ曲がった尻尾と薄灰色の毛並み、そしてもふもふの耳が特徴的である。(※2)
神経を狂わせる魔力を宿したムーンシュガーを蒸留することでスクゥーマと呼ばれる薬物を精製するカジートの叡智に密接に関与する猫神であり、その存在の強大さゆえに普段は月のラティスと呼ばれる"しきり"の存在により現世で出会すことは滅多に無い。(※幻覚を除く)
そして何よりもムーンシュガーの齎す狂気を司ると同時に、猫それぞれが心の内に秘めている抗いがたい欲求や本能を司る神でもあり、カジート文化圏でのその影響力は絶大なものがある。(※3)
- ESO エルスウェア
- ESO エルスウェア:デイドラクエスト「双子月の狂乱」
- 様々な宗派:カジート - TESO/ESO
デイドラ・アーティファクト
「ワバジャック」 (Wabbajack)
最も有名なシェオゴラスのアーティファクトで、三つの老人の顔が先端にくり抜かれた黒檀の魔道杖。
珍妙な赤い色の光弾を放ったかと思えば相手をウサギに変えてみたり、周囲にチーズを降らせてみたり、摩訶不思議な光と共に相手を即死させたり…と使用者がマッドゴッドになってしまいそうな杖。
杖の名は童話「鏡の国のアリス」に登場する魔物"ジャバウォック"が由来と考えられている。
「鳥肌の立つフォーク」 (Fork of horripilation)
純度の低い鉄か何かの卑金属で作られたように見える、二股のフォーク。
何気ないフォークに見えるものの呪いがかけられており、定命の者がただ触れただけで総毛立ち、戦慄するほどの濃厚なオブリビオン由来の臭いを放っている。
本人(本神?)も「フォーキーちゃん」とよんで大事にしているが、その割には時々どっかに置き忘れている。
「スタッフオブシェオゴラス」 (Staff of Sheogorath)
シヴァリングアイルズに君臨していたシェオゴラスがその権能のシンボルとしていた魔道杖で、先端部に目玉をあしらった悪趣味な見た目をしている。
使用した場合、周囲の広範囲にシェオゴラスの声が響き渡ると同時に敵の時間を停止させてしまう。
こちらはワバジャック等のおもちゃと違い、一品限りの正真正銘のアーティファクトである。
「フォリウム・ディスコニタム」 (Folium Discognitum)
狂人の収集された洞察を含むアーティファクト。
シェオゴラス自らが直々に書き記した本で、読んだ者に計り知れない力と知識が授けられるとされる。
ペリー、ペリー。もっと関連動画を。
おや、こいつは……関連イラストかね?
正直に言うが、関連タグに心当たりはないか?
おぉ誰かと思えば余談の項目ではないか!
- 日本語版ボイスを担当した白熊寛嗣によると、Skyrimのボイス収録に入る前に『Oblivion』のDLC「Shivering Isles」をプレイしておりシェオゴラスの英語ボイスも学習済みであり、それを踏まえてボイス収録に臨んでいたという。 (※1)
- 実はストームクロークのレイロフをはじめシェオゴラス以外にも複数の声を当てている。しかし様々なセリフを喋らされているものの台本ではキャラは伏せられていたため一体誰の声を担当しているのか声優本人にも分からないらしい。そのため「自分(が声を当てたキャラ)探しの旅」として2021年12月に、YouTubeの個人チャンネルにてSkyrimのプレイ実況を自ら行っている。。
真の姿(ネタバレ)
狂気の王シェオゴラスは元々はJyggalag(ジャガラグ)という「秩序」を司る強力なデイドラロードであった。
しかし、強力すぎるが故に他のデイドラロードによって狂気の呪いをかけられ、シェオゴラスへと変貌することになる。
シェオゴラスは一定周期でジャガラグへ戻りその際にシヴァリング・アイルズを破壊する「グレイマーチ」を引き起こし、それが終わると再びシェオゴラスへと戻る。
この破壊と再建を繰り返してきたシェオゴラスは第3紀の終わりにニベン湾に領域への扉を開き、グレイマーチを阻止できる英雄をムンダスから求めていた。
「お前はわしになるのだ。狂気の王、新たなシェオゴラスに。それか死ぬかだ。」
シェオゴラスの元に現れた英雄はジャガラクを倒し、グレイマーチを阻止することに成功。
そして英雄は新たな「シェオゴラス」としてシヴァリング・アイルズを統治することになった。
杖を持った老紳士のシェオゴラスが再び目撃されるようになるのはそれから少し後のことになる。