オブリビオンという語について、本記事ではTESシリーズで用いる以下の用法を扱う。TES以外の『オブリビオン』についてはOblivion記事を参照。
- RPG「The Elder Scrolls IV: Oblivion」(TES4)のこと。
- TESシリーズに登場する異界の一つでデイドラが支配する異次元空間のこと。
The Elder Scrolls IV: Oblivion
Bethesda Softworks開発のファンタジーRPGソフト。
ニルンと呼ばれる世界のタムリエル大陸を舞台としたRPG作品シリーズ『The Elder Scrolls』シリーズの四作目。
人工知能システムRadiant AIによって個々の生活リズム・行動パターンに則って生きる1000人以上ものNPC達が住む、圧倒的に作りこまれた広大なオープンワールドフィールドを好きなように自由気ままに冒険することができるオフラインRPG。
TES4自体はXbox360とPS3に移植されて日本でも発売されているが、Windows版の人気が特に高い。
自由度の高いゲームデザインはもとより、Windows版はユーザー製作のMODによる拡張性の高さから『一生遊べるRPG』と呼ばれ、2006年発売にもかかわらず現在でも高い人気を保つ洋ゲーとなっている。
また、MOD製作ツールは公式から配布されている。
本作の舞台はタムリエル大陸中心部であり、大陸を統治する帝国の帝都がある温暖なシロディール地方が舞台。
サブスクリプション及びフリープレイ
2022年にはAmazonプレミアム会員にGOG経由で無料配布され、更には6月よりPS+Premiumでストリーミング配信も開始され、skyrimから過去作に触れたいというプレイヤーへの敷居がグッと低くなった。
物語
ネレヴァリンがモロウィンドの地で魔人ダゴス・ウルを倒し、その陰謀を阻止してから数年後。
場所はシロディール地方。大陸中心部という土地ゆえに様々な民族が入り混じって暮らす国際色豊かな地。
此処にある帝都の地下牢で囚われていた一人の囚人(主人公)の前に、謎のカルト教団『深遠の暁』に追われる皇帝ユリエル・セプティム七世とその護衛が現れる。
主人公の背後にある大いなる運命を見抜いた皇帝は彼(彼女)にある真実を話し始める。
代々セプティム家の皇帝が身に着けているドラゴンアミュレット、帝位が移る度にこれをセプティムの血を継ぐ正統な後継者が身につけてある儀式を行わなければタムリエルを守る結界に綻びが生じ、デイドラ(魔族)が住む次元オブリビオンの扉が開いてしまうと言うのだ。
護衛の奮闘虚しく皇帝は暗殺者に殺害されてしまうが、死の間際に主人公にドラゴンアミュレットを託し、シロディールの何処かにいるという自らの落胤を見つけ出すよう言い遺す。
果たして主人公は正統後継者を見つけ、タムリエルをデイドラの侵略から守ることができるのだろうか。
デイドラ領域「オブリビオン」
TESシリーズに登場する異次元世界の名称。
デイゴンの全面的な進行に伴い本作では深く掘り下げられる。
いわゆる"邪神"に当たる不死の存在デイドラ(Daedra)が住まう次元で、TESの主人公らが住まう世界「ムンダス」(Mundus)とは別の次元に位置する。デイドラの中でも強大な力を持つといわれる十六柱の「デイドラ・ロード」が支配する「領域」と呼ばれる区域が存在する。
ムンダスとオブリビオンの間には竜神アカトシュが張った障壁「竜の火」(ドラゴンファイア)があり、デイドラが侵略できないようになっている。
なお、異次元と言われるだけあって、何らかの形で迷い込んだり連れ去られたりした場合、二度とムンダスには戻ってこれない・・・と思えるが、ゲーム中の書籍では、既にオブリビオンの四分の一が測量されているらしい。
また竜の火も、その気になればすり抜けてオブリビオンに通じる門(ゲート、ポータル)を開くデイドラもいればムンダス側から自発的にオブリビオンに行く者たちもいるため、案外人の往来があることが窺えるので、完全に守られているかというと、別にそうでもない。
中にはワープゾーン感覚でオブリビオンを通り抜ける猛者もいるほど・・・。
ちなみに、ムンダスに生まれし定命の者の多くは死後エイドラが治めるエセリウスに向かう事を望む。だが、ディドラに屈して契約してしまった者はそのディドラが治めるオブリビオンに向かうという。つまり悪魔の誘惑に負けて堕落した者が落ちる場所、現実世界でいう西洋的な地獄と同じ意味で捉えられている。
(例としては、「What the hell?」(なんだそりゃ)というスラングが「What the Oblivion?」となっていたり、敵が「オブリビオン送りにしてやる!」と言ったりなど。)
ただし、ダンマーやオークのように種族としてデイドラに仕える者たちなどでは、功績に応じてオブリビオンで高待遇を得られるという伝承も存在する。
【各デイドラ・ロードの領域】
- ムーンシャドウ(Moonshadow)
アズラ(Azura)の領域。
薔薇が咲き乱れ、雨が降るといい香りが辺りに漂う美しい世界。
全てが霞んで見え、あまりの美しさゆえ失明しかけるほどの桃源郷と言い伝えられている。
- アトリビューションズ・シェア(Attribution's Share)
ボエシア(Boethiah)の領域。かつては「蛇の山(Snake Mount)」と呼ばれていた。
ねじれ曲がった巨大な塔と迷宮があり、裏切りと策略が日常茶飯事。
- 悔恨の草原(Fields of Regret)
クラヴィカス・ヴァイル(Clavicus Vile)の領域。
腐敗した風が吹く長閑かつ奇妙な田園が広がる場所。
近年まで名前が明らかになっていなかったが、ESOにて名前が判明した。
- アポクリファ(Apocrypha)
ハルメアス・モラ(Hermaeus Mora)の領域。
無限の知識の貯蔵庫。一般的な知識から禁断とされた知識まで、ありとあらゆる情報や知識がそろっているといわれ、知識を追い求める者はいずれアポクリファにたどり着き、知識欲にとらわれてアポクリファから永遠に出られなくなるという。
- ハンティング・グラウンド(Hunting Grounds)
ハーシーン(Hircine)の領域。永遠の狩場。
ハーシーン信者は死後ハンティンググラウンドに行き、そこでハーシーンと共に永久の狩りに興じている。
- アッシュピット(Ashpit)
マラキャス(Malacath)の領域。
塵と灰で出来た空間。浮遊魔法と呼吸魔法がなければ生きていることすら困難な場所。
- スパイラル・スケイン(Spiral Skein)
メファーラ(Mephala)の領域。
「蜘蛛の巣(Web)」とも呼ばれる非常に入り組んだ迷路のようになっている。
- デッドランド(Deadlands)
メエルーンズ・デイゴン(Mehrunes Dagon)の領域。
マグマの海、燃える大地、雷雲立ち込める暗い空とまさに地獄という場所。
TES4にて「オブリビオンの門」を閉じるために何度も踏み入れることになる。
- 色彩の間(Colored Rooms)
メリディア(Meridia)の領域。
オーロランというメリディア配下のデイドラが住んでいるということ以外はほとんど判明していない領域。
- コールドハーバー(Coldharbour)
モラグ・バル(Molag Bal)の領域。
闇に包まれた荒涼した大地で枯れた木々と沼の世界。
ESOではスタート地点になっている。
- スキャトリング・ヴォイド(Scuttling Void)
ナミラ(Namira)の領域。
カジートが「世界の影の闇」と呼び、ここに入った者は何人たりと二度と出てこられないと言われている。そのため極端に情報が少ない。
- エヴァーグローム(Evergloam)
ノクターナル(Nocturnal)の領域。
深い霧に覆われた常闇の世界。メインの領域と複数の小さな領域で構成されている。
- ピッツ(Pits)
ペライト(Peryite)の領域。
オブリビオンの深層に位置し、通常の手段ではたどり着くことができないためほとんど情報が知られていない。
- 無数の宴の領域(Myriad Realms of Revelry)
サングイン(Sanguine)の領域。
千とも万とも言われる小さな領域で構成されており、それぞれ趣の異なった宴会が繰り広げられている。
TES5ではそのうちの1つに行くことになる。
- シヴァリング・アイルズ(Shivering Isles)
シェオゴラス(Sheogorath)の領域。
「マッドハウス」とも呼ばれる場所。意思を持った植物に覆われ、シェオゴラスの浮き沈みを表すように明るい「マニア」と薄暗い「ディメンシア」に分かれる。
TES4の追加ディスクの主な舞台となる。
- クアグマイア(Quagmire)
ヴァールミナ(Vaermina)の領域。
悪夢の世界で恐ろしく衝撃的な光景が稲妻と共に次々と映し出され、長くいると発狂すると言われる。
【その他の領域】
デイドラ公が管理・支配している以外にもオブリビオンの次元は存在している。
中には、正体不明な存在が管理する領域や主のいない領域なども存在する。
- ソウル・ケルン(Soul Cairn)
黒魂石に封じられた魂の行き着く場所。
薄暗い不毛の大地で「アイディール・マスター」と呼ばれる複数の主によって支配されている。
TES5のDLCで行けることができる他、スピンオフ作品「Battlespire」の舞台にもなっている。
- 楽園(Paradise)
TES4に登場するマンカー・キャモランを追って訪れる領域。
- クロウズウッド (Crow's Wood)
ESOに登場する、知性あるカラスたちが生息しているオブリビオンの小次元。ノクターナルの親族にあたる、ハグレイヴンの「クロウマザー」がデイドラ王として管理している領域。
正確にはノクターナルの領域エバーグロームの一部にあたるらしい。 (※1)
- ファーグレイブ (Fargrave)
ESOに登場するオブリビオンの小次元および同空間内にある都市のことで、デイドラと定命の者が共存する(比較的)中立地帯となっている。(※2)(※3)
ファーグレイブにつながればオブリビオン領域へのアクセスが容易であることから、ニルンとオブリビオンの各領域をつなぐ交通の要衝・重要な中継地点として扱われている。 (※4)(※5)
また、オブリビオンの領域の一つでありながら支配しているデイドラ王がいないという珍しい領域で、デイドラ公に影響されない独自のルールが制定されており、ファーグレイブの自由性を歓迎するデイドラも多い。
- テルバリル・オラン (ESO)
- DLCゲームパック「デッドランド」&アップデート第32弾の登場 - ESO/TESO
- 中立性はあるもののあくまでファーグレイブのルールに従っているだけであり、デイドラによる奴隷取引も行われていたりデイドラによる定命の者への蔑視思想も健在であるなど、別に街自体が平等主義なわけではない。
- ライランス (ESO)
- マダム・ウィム (ESO)
関連イラスト
外部リンク
- Wikipedia
- 公式サイト
- (Xbox.com)(リンク切れ)