同胞団とは……
- 故郷や人種が同じ者たち(同胞)が集まった組織のこと。
- ムスリム同胞団 (Muslim Brotherhood): 1940年代に設立されたスンニ派系の政治組織。武装活動を繰り広げたため公安調査庁にテロ組織認定されている。
- 同胞団(Companions):ゲーム『Skyrim』に登場する傭兵組織。
当記事においては、ゲーム『Skyrim』に登場する組織について記述する。
概要
『The Elder Scrolls V: Skyrim』に登場する組織。
本作の主人公も関連クエストの受注および所属することが可能で、一部のメンバーを従者として連れ歩けるようになるなどの恩恵に預かることができる。
舞台であるタムリエル大陸のスカイリム地方には戦士ギルドが存在せず、
彼ら同胞団がその役目を担っている。
他シリーズの戦士ギルド同様に金で雇われ武力で解決できる問題に対処する傭兵としての活動を行なうが、
戦闘民族ノルドの本拠だけあり仲間同士の連帯と名誉を重んじる武人気質が強い。
組織
5千年以上の歴史と伝統を持ち更にその活動方針からスカイリム、特にノルド住民及び為政者からの信頼は厚く、スカイリムでもその武勇と活躍は全土で知れ渡っている。
それ故に構成員には単なる金を求める傭兵として以上のノルド的な名誉を重んじる精神が求められ、武人気質の大きな要因となっている。
メンバーは加入した戦士を互いを「盾の兄弟(姉妹)」と呼ぶ。所属する仲間へ名誉を互いにもたらすことも旨としており、仲間意識が強い。そのため盾の兄弟姉妹に敬意をはらえない行動をする者は、協調性が低いとみなされ加入自体お断りされるケースがある (※1)
さらに同胞団のメンバーが攻撃されたり殺害された場合は、敵対勢力を全滅させることすら辞さない容赦の無さも併せ持つ。(※2) (※3) (※4)
歴史的な経緯から構成員にノルド的な武勇と勇気、名誉、死を恐れない覚悟を求める傾向にあるが、精神においてノルド以上の覚悟を見せるならば他種族の加入も認める組織である。(※5)
本拠地はスカイリム中心部の城塞都市ホワイトランに存在する「ジョルバスクル」。
ホライトランができる以前から存在した神秘的な鍛冶場「スカイフォージ」を擁しており、むしろホワイトランがスカイフォージ(とジョルバスクル)の周りにできたと言えるほど。
- 不滅のウスガルド(Skyrim)。加入試験の担当だった同胞団の戦士を殺害してしまったため、加入を断られている。
- ヴィルカス(Skyrim)。同胞団メンバーを殺された報復として敵対組織シルバーハンドを殲滅するクエストが複数ある。
- 狩猟の女神アエラ(Skyrim)。同胞団メンバーを殺された報復として敵対組織シルバーハンドを殲滅するクエストが複数ある。
- ただしコドラク・ホワイトメインはシルバーハンドとの報復合戦に否定的であり、全員が血気にはやっているわけではない。
- リア(Skyrim)はインペリアル、アシス(Skyrim)はダンマーであるが、それぞれ同胞団の正規メンバーである。
階級
階級と言ったが上述の通り互いを兄弟姉妹と呼び合う社風(?)から形式上でのメンバー間上下はない。
「サークル」と呼ばれる幹部メンバーと「サークル」の筆頭にして同胞団全体の指導者といえる「導き手」を中心に、所属の平団員や使用人たちで構成されており、鍛冶師のエオルンドや世話役のヴィグナーなどの外部の協力者も居る。
活動方針
地域の安定を脅かすならず者や害獣、モンスターへの対処などが主。
力で解決すべき事件であっても、必要がなければ殺人は行わない。
「特定の組織や派閥に肩入れせず、人間同士の勢力争いには介入しない」という伝統があり、内戦でスカイリムが真っ二つに割れているTESⅤの時代でも中立・静観の立場を取っている。構成員に強硬なストームクロークがいるので誤解されがちだが、組織としては帝国に加担しないだけでなく、ストームクロークにも一切加担しない。
だがその分、降りかかった災難はあくまでも自分たちの手で解決しなくてはならないという問題もある (※1)。
- 唯一明確な敵対関係にあるシルバーハンドとの抗争では、ジョルバスクルをシルバーハンドの軍勢に襲われたにもかかわらずシルバーハンドが町の方には手出ししなかったので、首長や衛兵の支援無しで戦うことになった。
所属人員
戦士の集まりだけあり、非戦闘員とクエストライン上で必ず死亡する者以外は従者にすることが可能となっている。
サークル
当代の「導き手」。
ソブンガルデに招かれるにふさわしい偉大な戦士であり、彼をウェアウルフの血から解放しておくとメインクエスト最終盤で英雄の末席に加わる手前の彼を見ることができる。
実質的なサークルのNo.2であり、コドラクから次代の導き手を目指すことを期待されている優れた戦士。
ドヴァキンの指導役で無限クエスト発行係。しかし途中で落命する。
…が、何故か復活してしまうバグが存在し、
起きてしまうとスコールを殺さない限り双子から無限クエストを発注してもらえなくなる。
弓術のトレーナーにしてサークルの紅一点。弓も隠密も天才的な狩人。
死後はソブンガルデよりもハーシーンのもとに逝くことを望んでいる美女で野獣。
両手武器最高ランクのトレーナー兼無限クエスト発行係。
ファルカスの双子の弟。
イスグラモルの知性を受け継ぐと言われる賢き戦士。しかも凄まじく強い。些か考えすぎるのが玉に瑕らしい。
重装防具最高ランクのトレーナー兼無限クエスト発行係。
イスグラモルの力を受け継ぐと言われる勇猛な戦士。頭を使うのはあまり得意ではないがそこが良いのだとか。
ヴィルカスの双子の兄で蜘蛛が苦手な方。スキルの取り方が非戦闘よりなので、仲間としては弟よりも明らかに弱い。
平団員
ダークエルフの団員。片手武器トレーナーで、小剣の有用性の議論となれば譲らない誇り高き軽戦士。レベル上限の低さが泣き所。
防御術トレーナーの女性。他のメンバーにも防御術を助言する優秀なコーチだが、レベル上限が低めなので実戦での強さはそれほどではない。ドヴァキンの同胞団員としての資質に懐疑的な態度を取る。
昼間から酔っ払ってるおじさん。サークル入りを目指す野心家だが、サークルからは訓練不足と見做されている。
ただでさえ戦闘能力が低い上、重装向けなのに軽装の革防具を着用している。
インペリアルの女性団員、仲間にもなる。ドヴァキンが来るまでは一番の新入りだったらしい。新入りのコツを教える等と称して何かとお姉さんぶりたがる。可愛い。
非戦闘員
グレイ・メーン家当主。急進的なストームクロークシンパだが、
同胞団を無理にストームクロークに引き込むようなことはしない。
何故ストームクロークが同胞団に居るのかと問うと、長い人生経緯は忘れ去られ結果だけが残るのだ、と重い答えを返す。
ヴィグナーの執事。ヴィグナーに救われた恩から忠義を尽くしているようだ。
鍛冶最高ランクのトレーナー。 ヴィグナーの兄弟でスカイフォージを預かる。
ヴィグナーと異なり内戦の話題もロクにせず鍛冶一筋。口は悪いが腕前は素晴らしい。
ジョルバスクルのベテラン使用人。
過去の関連人物
同胞団の創始者にして、唯一無二の「指導者」。
仮に同胞団に絶対的な命令を下せる者が居るとすれば、それは後にも先にもイスグラモルだけであるとされており、崇拝の対象となっている。
同胞団の活動理念や精神の多くは、彼の思想に基づくものとされている。
数百年前の導き手。グレンモリル魔術結社と結託してハーシーンと禁断の契約を成し、同胞団にウェアウルフの血を取り入れた張本人。
用語
- ジョルバスクル
ホワイトランの丘に建てられた、同胞団の本拠地である建物の名。ひっくり返して伏せた船の船体のような形をしている。イスグラモルの時代、初めてスカイフォージを発見した同胞団のジョルバスクルという船の船員達が船体を建物に改造して拠点にしたものだという。
- サークル
同胞団の戦士たちの中でもごく一部のものだけがなれる、同胞団の内部組織。イスグラモルの船長の議会から名づけられている。 (※1)
このメンバーたちを中心に同胞団が運営されている。サークルのメンバーは規範を示し信頼される相談役としての立場が求められ、メンバーへの仕事の斡旋やスキルトレーナーとしての役目も持っている。
- 導き手
同胞団のサークルの一人がなるもの。明確な職業でも正式なリーダーというわけでもなく、戦士としての問題の解決(通常の傭兵業)に加えてメンバーへの助言や名誉に関する疑問の解明などといった、あくまでまとめ役としての立ち位置である。
同胞団ではイスグラモル以来「本当の統率者は居ない」という扱いになっており、基本は同胞団の各メンバーが自身で判断し行動する自立性を求められる。 (※2) (※3)
ただし同胞団が持つ長い歴史と伝統から、導き手となった者の言葉はスカイリム内の各ホールドも無視できないほどの影響力を持っている。何しろ初代の導き手はかのイスグラモルその人であるとされているのだから。『Skyrim』時点での導き手はコドラク・ホワイトメイン。
なお、スカイリムのご当地組織ではあるがノルドに限定されているわけではなく、長い歴史の中では、レッドガードやエルフなども導き手になっていた事が記録されている。 (※4)
- スカイフォージ
ジョルバスクルのすぐ北側にある鍛冶場。創設期の同胞団によって無人の状態で発見された、スカイリム最高の鋼鉄を鍛えられる謎多き鍛冶場である。誰が何の為に作ったのかは全て不明であり、ただそこで生まれる鋼鉄の品質が素晴らしい事のみが知られている。スカイフォージ産の武具を利用する為に側に同胞団の拠点が置かれ、その周囲に形成されたのが現在のホワイトランの街である。現在はスカイリム最高と名高い匠エオルンド・グレイ・メーンが管理している。
- シルバーハンド
組織間のしがらみに囚われない同胞団が唯一敵視し、抗争を続けている敵対組織。
理由は不明だがウェアウルフに強烈な憎しみを抱き、それらを主な狩猟対象とする狩人の集団らしく、ウェアウルフの弱点である銀武器や各種対策アイテムを所持する。
しかし、狩猟以外では山賊とほぼ変わらない活動形態に加え、ウェアウルフ狩りのためには手段を選ばない手荒に過ぎる手法から、無関係な普通の人間が巻き込まれて被害を被ることも多いようで、それらも同胞団から敵視される理由の一つになっている。
- 『同胞団の偉大な導き手』
- コドラク・ホワイトメイン (Skyrim)
- 『同胞団の偉大な導き手』
- 『同胞団の偉大な導き手』
歴史
その起源は「V」の時間軸から5000年以上前で、人間族の祖先であるネディックがスカイリムに入植し始めた頃のネディックの王であるイスグラモルの時代にまで遡る。
当時旺盛な繁殖力で勢力を拡大するネディックを警戒したスカイリムの先住者・ファルマー(スノーエルフ)の襲撃で、多数のネディックが虐殺される「涙の夜」事件が起こる。
一度は故郷のアトモーラ大陸に追い返されるも、イスグラモルと彼がアトモーラから帰還する際に引き連れて来た「500の同胞団」(500 Companions)を主軸とする強力な戦闘部隊の活躍によって、ファルマーをスカイリムから駆逐して同胞の無念を晴らすことに成功した。
そして、ジョルバスクルに移った「500の同胞団」が現在の同胞団の起源及び前身となった。 (※1)
また、数百年前のリーダーがグレンモリル魔術結社と結託してデイドラ神のハーシーンと契約を結び、ウェアウルフの力を得たという過去がある。 (※2) (※3)
ウェアウルフになれるのは「サークル」のメンバーのみで、この事実は同胞団内でもごく一部の者にしか知らされていない秘中の秘となっている。 (※4)
なお、主人公も一定の段階になるとウェアウルフに変身できるようにしてもらえる。
- 『帰還の歌 第7章』
- コドラク・ホワイトメイン (Skyrim)
- 『コドラクの日記』
- レンタラス・インペンティウス(角の教団)著『スカイリムのオオカミ人間伝説』
時系列に関する余談
Skyrimでは珍しく作中での時間経過が明言されており、
完走直後にイスグラモルの墓の中でヴィルカスと会話すると彼と知り合ってから少なくとも二~三ヶ月が経過している事がわかる。