概要
2ちゃんねるを中心に用いられてきた語で、モテない女→モ女→喪女という、2000年代によく見られた形態の省略・隠語の一種である。
2ちゃんねるには専用の「喪女板」が用意されており、男版の「喪男」や既婚者の「鬼女」等らと共に棲み分けをしている。
ネットリアル問わず何かと煽りの対象にされやすい独り身女性であるが、喪女板に限っては伝統的な文化であった事や独特のノリの良さから一種の租界的な扱いがなされており、時にはモテている女性までもが喪女を騙って居着く(ネット喪女→ネ喪等と呼ばれる)例さえあると言われる。
主な傾向
もてたい意志を持っている女性を「鯛女」、孤独な女性を「孤女」などと呼ぶ事もあるが、男性とは異なりさほどカテゴリ分けにこだわりは無く、スレッド単位で処理する傾向にある。
内容は雑談、大喜利、あるあるネタ等日常系に寄っており、特別な議論や知識が要求される事は稀である。こうした間口の広さや敷居の低さも喪女板が受けた要因だろう。
当然の事だが「リア充」「ビッチ」といったモテる女性は排除し、時に明確な敵意を向けるものの、男性に対してはそうでもなく(一般に貼られがちな「嫉妬に狂ったババァ」というレッテルに反して)、むしろ「自分は誰にも選ばれない」と過剰にネガティブな振る舞いをする者も少なくない。
あるいは自虐ネタに昇華させて笑いを取る者や、端から恋愛・結婚を諦めて独身を貫こうとする逞しい者等、吹っ切れたポジティブさを見せる者も多い。そうした態度が男性にも好感を呼び、一時は「喪女萌え」なる新ジャンルまで現れたほどであった。
もっとも、喪女を広く知らしめたのは漫画作品『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』であり、時期的にはアニメ化された2013年前後の事である。
同時に、作品内にて喪女が典型的な「非モテ」として扱われた事から「女版俺ら」として理解されるようになり、反感を覚える男性の数も増加していった。
それに伴う荒らしの多発や2ちゃんねる全体の衰退傾向、自虐ネタの系譜として「非リア充」が台頭しネット上の様々な場所にコミュニティが形成された事等が重なって、現在は喪女の散逸が進んでおり「喪女」及び「喪女板」というカテゴリは過去のものになりつつある。
pixivにおいてもタグ付けされた作品の大半が黒木智子とそれに類する人物を描いたものとなっており、往年の喪女像を窺い知る事は既に困難になっている。