『けものフレンズ』のキャラクターについてはイエネコ(けものフレンズ)を参照。
概要
食肉目ネコ科ネコ属に分類されるアフリカンワイルドキャット或いはその亜種であるリビアヤマネコを家畜化させた物の総称されている。
その愛らしさは人間を魅了してやまず、東京大学の猫の腎臓病の治療研究にたった2日で3000万円の寄付が集まる(東大ネコ研究に2日余りで寄付3千万円 担当者「驚き」)ほど。
全世界での頭数はゆうに6億匹を超え、イエイヌ(犬)と並ぶペット界二大巨頭となっている。
原種のリビアヤマネコ含む他の小型ネコ科動物と区別して「イエネコ」と呼ぶが、単に「猫」と呼ばれることが圧倒的に多い。
ヒトに飼育されている個体を飼い猫、飼育下に居らず野外で生育する個体をノラネコ(野良猫)という。
元々は害獣であるネズミ駆除の目的で人間に飼われていたものであるが、現在においては愛玩動物・ペットとして飼われているものを指す。
しかし、家畜化されてなおネコ科肉食動物としての生来のハンターぶりはとどまるところを知らず、カツオドリのような自分よりも大きな獲物を捕らえた事例も確認されている(島で野生化したネコが希少動物を襲う 一歩先を進む小笠原の対策とは)。
野良猫になった個体を含めて国際自然保護連合がリストアップした「世界の侵略的外来種ワースト100」にもランクインしていたり、また在来の希少生物に対する外来病原菌の保持感染媒体とされるなど自然界においては”取り扱い注意”的な存在でもある。
イエネコの移入によって絶滅した生物種としてスチーブンイワサザイが有名である。
専門家によるとイエネコは63種の脊椎動物の絶滅と深く関わっている(NZの村で「飼い猫禁止令」も 在来種の絶滅要因に)。
アメリカ合衆国とカナダでの調査によると、野生の鳥の死因の4分の3はイエネコによる捕食で占められている(ネコに殺された232匹の動物たち、一枚の写真に)。
イエネコによる生態系への悪影響を防ぐ方法として、飼い猫に対しては、家の中でのみ飼う(野外に出さない)、避妊手術の徹底などがあげられる。
野良猫、野猫に対しては駆除や捕獲、上記の不妊手術を施した上での別の場所への移動・譲渡も行われているが、場合によってはイエネコという捕食者を欠いたためにこちらも外来種であるネズミ類が増えて、固有の植物への害が増える、という負の波及効果が起こることも(小笠原で異変…外来ネコ捕獲、明暗分けた固有種)。
小型の野生動物にとっては虎や豹、ジャガーに等しい捕食者だが、獲物判定から外れるサイズ以降の動物に対してはそうでもない。
イエイヌは野生化すると普通に人間を襲って食べるようになった事例もあるが、サイズ差もあり猫はそうはならない。
犬のようにリーダーを頂く発想が無いだけで他の猫との関係性を持ったりする。犬や馬と良好な関係を持つ猫もいる。
しかしこれは古代から続いてきた品種改良の結果によるものである。
イエネコと同じかそれ以下のサイズの猫類、例えばスナネコのような種は気が荒く、物理的に人間を殺せないだけで大怪我を負わせるだけなら普通にできるし、イエネコより低い沸点でもって実行もする。
イエネコにも乾燥地帯の原種から引き継いだ弱点はあるが、野生種はその傾向がさらに強く、専用の設備なしに万全な飼育は不可能である。
ネコ科動物の中でプロではない一般人が世話しケアできるのはイエネコのみである。
イエネコを野外に出す事の害
- 事故による死亡
道路上で自動車に轢かれて死ぬおそれがある。
- 捕食による死亡
成猫は多くの場合頂点捕食者となるが、仔猫でなくても、アライグマのように猫を捕らえ、捕食できる生物は存在する。
- 他の生物への病気の媒介
猫後天性免疫不全症候群などの病気を他のイエネコ個体や他種の猫科生物に伝染させるおそれがある。
- 糞尿による害
犬と違って散歩に付き添って糞を回収したりすることは不可能。思い思いの場所に排泄された糞尿は悪臭を放ち不衛生である。
室内飼いをしない限り、近所の人々を悩ませる事になる。当然人が住んでいる家や公園、公共施設の敷地内ですることもありえる。
- 生態系への害
概ね上に述べたとおり。イエネコは行動範囲が広く、外飼いの猫が居る、ということは野生動物にとっては本来居ないはずの捕食者が出現するのと同じである。