機体データ
型式番号 | YMS-16M |
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所属 | デラーズ・フリート |
頭頂高 | 27.0m |
本体重量 | 75.0t |
全備重量 | 121.5t |
ジェネレーター出力 | 1,080kW |
スラスター総推力 | 61,800kg |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | 680mmカノン砲、8連装ミサイルランチャー、20mmバルカン砲 |
機体説明
ジオン公国軍が一年戦争末期に開発した、長距離支援用重モビルスーツ。
開発はキャリフォルニアベースで行われ、生産数は3機と言われているが、戦時中の実戦参加の有無、戦果なども不明な点が多い。
試作モビルタンクヒルドルブの流れを汲む機体であるとも言われており、重砲撃を主眼に置いた運用思想やモノアイ周囲のデザインに共通点が見られ、ライノサラスと共に本機の開発系譜に関与していたと思われる。
戦後、キャリフォルニアで生産された3機の内の1機が後に「デラーズ紛争」と呼ばれる争乱に於いてデラーズ・フリート側の戦力として実戦投入されている。この際のパイロットはボブ中尉(当然こちらとは無関係)。尚、0081年にアデン基地を占拠したジオン残党の中にもこの機体が存在していたらしい。
本機は中・長距離での砲撃支援を想定して開発された機体であり、頭頂高は標準的なモビルスーツより10m近く大きい。その装備の影響からモビルスーツとモビルアーマーの中間と言える独特のシルエットを有する。
そのコンセプトを体現する主武装として機体背部に680mmカノン砲を装備する。
カノン砲は通常折りたたまれた状態で運搬されるが、使用時にバレルを展開し、砲撃体制を採る。その威力は絶大であり、トリントン基地の司令部を一撃で破壊している事からも窺い知れる。
このカノン砲を運用するためにコックピットは複座機となっており前方に操縦士、後方に射撃手が搭乗する(ただし、操縦系の切り替えにより一人での運用も可能である)。
また、脚部にはドムにも採用された熱核ジェットエンジンを採用しており、台形状シルエットの鈍重な外見を持ちながらも最高速度220km/hを誇る高い機動性を有する。
長距離砲撃に於いては絶大な効果を発揮する本機ではあるが、近距離戦用の武装は肩部ミサイルランチャーとバルカン砲のみに留められており、格闘戦ではもっぱら機体の質量を用いた体当たりを演じる事が多い。スペック上はビームサーベルも使用可能だが、実戦に於いて運用されたケースは無い。
また、ミノフスキー粒子散布下での精密射撃時には観測部隊を必要とし、汎用兵器たるモビルスーツとしてはその運用能力に難を残す結果となっている。
680mmカノン砲での砲撃時には折り畳まれた砲身を伸ばし、発射炎が砲口のみならず機関部の複数個所からも漏れ、砲が後退ではなく上下に暴れるというのは絵的には見栄えが良いが、砲が固定されていないので反動を受け止められずに精度は皆無、無反動砲にもならずに発射ガスが砲弾の推進以外に逃げている、砲身が途中で折れるのは僅かなずれで腔発事故(砲身内で砲弾が爆発する事故)が起きる、と砲としての性能には疑問が残る残念な演出となっている。(碌な命中弾が無いという劇中描写とは合っているともいえる)
最も極少数しか生産していない本機をジオン残党軍がキチンと整備できるのかと言う疑問もあるので劇中の描写が本来の姿かは不明である。
立体物
B-CLUBよりガレージキットとしてラインナップ。当初は、これが唯一の立体物だったが後に
アクションフィギュアシリーズ【MS IN ACTION】と【ROBOT魂シリーズ】にてラインナップ。各々、劇中同様のアクションが可能でカノン砲の展開ギミックが再現されている。
SDガンダムフルカラーシリーズにて、ラインナップ。固定モデルのため、カノン砲展開ギミックは組み込まれていない。
関連イラスト
関連動画
バリエーション
メルザ・ウン・カノーネ
ザメルの準備稿デザイン。ここからアニメーション用にクリンナップされたのがザメルとなる。
ライノサラス
「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」に登場する試作大型機動兵器。
拠点防衛用に開発されていた機体ではあるが、開発系譜や性能について謎が多いものの「ホバー移動を行う長距離砲撃用の機動兵器」というコンセプトがザメルと似通っており、先述の通りザメルと同様の「ヒルドルブ」との関連性も想像される。
砲塔部にザクⅡの胴体部を流用し、ミサイルポッド、マシンガン、主砲で武装している。
装甲もある程度厚いものの、現地調達の廃品からの再生品ということもあって強度的に難を持つ。
また、冷却システムにも問題点があり、稼働時間が短かったとされる。
大口径キャノン砲を装備したAタイプと、連邦軍から奪取したバストライナーを装備したBタイプの二種が存在する。
ザメル砲
模型誌「電撃ホビーマガジン」の『機動戦士ガンダム ファントム・ブレット』において登場した、ザメルの680mmカノン砲を流用した大型砲。
通常のモビルスーツが運用する際には砲手、観測手、射撃手の三機に分担して運用しなければならない。
宇宙世紀0082年にザクⅡ二機とゲルググJ一機(それぞれ砲狙撃任務の為にジャンクパーツを用いてカスタマイズされている)による砲狙撃部隊により運用され、月面の要所に狙撃テロを行った。
スーパーザメル
『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場。
砲弾学園の弓道部チーム「ナデシコ」が使用したガンプラ。
チームの掲げる「タンク道」に則って制作されており、ザメルをモビルアーマーサイズにまで大型化している。そのサイズから大会規定によりモビルアーマーとして扱われ、操作はチーム全員で行われる。
サイズアップによるカノン砲の威力増に加えて両脚部に三連装ミサイルランチャーを追加装備しており、携行武装としてザク・バズーカを装備。全体的に火力の底上げが成されている。
高火力で全日本ガンプラバトル選手権予選大会を勝ち上がるが、準々決勝に於いて水竜学園チーム「リヴァイアサン」が操るドッゴーラの前に敗退した。