概要
先行量産型のYMS-14先行量産型ゲルググやMS-14Aゲルググの背面パネルに高機動バックパック(B型バックパック)を装備した機体。
一年戦争時のジオン系量産機、そしてゲルググのバリエーション機としては最も高性能な部類に入る機体と思われる。
ジェネレーター出力を機動力へ回すために、射撃武装はあえてビーム・ライフルではなくロケット・ランチャーやジャイアント・バズといった実弾兵器を使用した(ビーム・ライフルは単に配備が間に合わなかったとする説もあり、ゲームでは普通に装備できる事がある)。
主にエースパイロットやベテラン兵が愛用し、特にエースパイロット部隊であるキマイラ隊にはこれ以外に11機分のB型バックパックが支給され、C型バックパックと併用して使用された。
主なパイロットはジョニー・ライデン、エリク・ブランケ、ユーマ・ライトニング、ヘルベルト・フォン・カスペン、ヴィンセント・グライスナー、ガルド・クレイズなど。
一年戦争後に於いても複数勢力によって運用された例が確認されており、水天の涙作戦の折にエリクが運用した機体はデラーズ・フリートより譲渡された機体である。
また、サイド4を拠点とする残党組織「ファラク」が本機を複数運用している。同組織の機体は白地に蛇の鱗を模した意匠を全身に纏っており、部隊章も相俟って「白蛇」の仇名で呼ばれている(このうち1機は、とある宇宙海賊との戦いで右腕を破壊され、ズゴックEの右腕を代替として装着したアシンメトリーな形状となっている)。
なお、ゲルググへのこだわりを持っていたユーマは戦後もゲルググを運用するにあたりアナハイム・エレクトロニクス社製の連邦系の技術・資材によって、高度な改修をした機体を使っており、その性能は宇宙世紀0090年の現用機と同等以上の性能を持つ。かつてシャアがクワトロとなったのと同じ「裏ワザ」を用いて、連邦軍へとなって横領した連邦の部材を使用して、機体の補給やメンテナンスが行われている。
バリエーション
高機動型ゲルググ ジョニー・ライデン専用機
キマイラ隊のジョニー・ライデンの高機動型ゲルググ。先行量産型ゲルググにB型パックを装備したもので、高機動型ゲルググの第1号機にあたる。
一年戦争後、ジョニーとの再会を望むユーマのリクエストにより、アナハイム・エレクトロニクス社の手で宇宙世紀0090年代の最新鋭の技術と最高の機材を用いて再建造されており、外見は一年戦争時の機体と殆ど同じ外見であるが、コックピットは最新のものになっている。こちらは「高機動型ゲルググ改」(後述するR型とは別物)と呼ばれる事がある。
高機動型ゲルググ シン・マツナガ専用機
シン・マツナガ専用カラーに塗られた高機動型ゲルググ。しかし、シン・マツナガが高機動型ゲルググに搭乗した記録はなく、MSV-Rではマツナガ機はゲルググJであるとされている。本機は『ギレンの野望』シリーズに代表されるゲーム作品でのif機体であると言ってよく、ほかの高機動型ゲルググとどのような差違があるのかは不明。
高機動型ゲルググ ユーマ・ライトニング専用機
キマイラ隊のユーマ・ライトニングの高機動型ゲルググ。MS-14C-1Aと同型の高機動ランドセルと脚部の増設コンフォーマルタンクを装備する他、独自の形状の頭部を有する。
宇宙世紀0090年頃にも使用されており、その頃は上述で記されているようにガンダリウム合金など連邦軍で使われている部品や機材で改修されており、マグネットコーティングも最新のものが施されている。
但し、構造は旧ジオンで主に使われた「装甲がわざと壊れる事で破壊エネルギーを分散し内蔵物へのダメージを減らす」と言うクラッシャブルストラクチャーにしている。
高機動型ゲルググ ヘルベルト・フォン・カスペン専用機
ヘルベルト・フォン・カスペンの高機動型ゲルググ。バックパックの仕様が一部簡略化された簡易型であるとされる。
高機動型ゲルググ ガルド・クレイズ専用機
通称「シオマネキ」。
右腕にズゴックEのものを移植し、脚部にはR型由来の推進機を追加、バックパックにプロペラントタンクを2つ取り付けてある。
高機動型ゲルググ R型
脚部装甲を排除し、稼働時間の短縮と引き換えに更なる機動性の向上を行った改修が施された高機動型ゲルググのカスタム機。「ゲルググR」や「高機動型ゲルググ改」とも呼ばれる。
一年戦争時は4機改修され、キマイラ隊はア・バオア・クー戦に於いて3機を運用している。残り1機はライデンの計らいによって予備機がマルコシアス隊に配備されヴィンセントが搭乗している。
ゲルググ・ウェルテクス
宇宙世紀0090年台にリゲルグを素体にして、高機動型ゲルググをブラッシュアップした機体。
詳細はゲルググ・ウェルテクスを参照。
ガンプラ
旧キットでは「MS-14Bゲルググ ジョニー・ライデン少佐機」名義で発売。ゲルググキャノンとしても組めるコンパチ仕様となっている。HGUCではジョニー・ライデン機がプレミアムバンダイ限定で発売。MGではゲルググキャノンと選択式のジョニー・ライデン機が発売されたが、Ver.2.0をベースにしたジョニー・ライデン機、ユーマ・ライトニング機はプレミアムバンダイ限定。
なお、MGゲルググVer.1.0には高機動型バックパックが付属していたが、Ver.2.0では廃止されてしまっている。
関連項目
ユーマ機同様一年戦争時に製造されたジオンのMSを近代化改修し続けた機体。ただしザクはゲルググほどキャパシティがないため本当に当時の機体を改修し続けたのか、当時のパーツが残っているのかという点では胡散臭さが残る。FSSが知ったらどんなコメントをするのだろうか。
後世に登場したジオン公国軍のMSに似せたMS群。『ジョニ帰』のジョニー機は前期型、ユーマ機は後期型RFシリーズに近いとも言える。